試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3191[3194F-1] 現行色 前期仕様 通電系統整備(台枠グリス除去,台車集電板・導電板研磨施工)

2018-03-13 21:51:06 | 京成線:3150形
予防。

グリーンマックス製TR-180床板用床板操作式ライトスイッチ台枠試作に於いて現車確認を行った。
試験車にはモハ3194現行色前期仕様(3194F-1)を起用した。
この際台車集電板と導電板の状態が悪かったため研磨を施している。


京成3150形3194F 現行色 前期仕様。
3194F-1:[3194]-[3193]-[3192]-[3191]。

3194F-1は3194F現行色後期仕様(1stLOT)の[普通]種別板を普通[]種別板に改め簡易的に前期仕様化した。
そのため3174F現行色前期仕様(3174F-2:3186F新赤電色2両口増結4+2編成)とは床下機器の配色が異なる。
黒色成形TNカプラーSPと普通[]種別板の採用により前期仕様の特徴は醸し出せていると思う。
追加施工項目には当たらず3182F新赤電色(3182F-1)との2+4編成組成休止後も目立った動きは無かった。


3174F-1(現行色前期仕様)。

グリーンマックス製京成3700形でもLOTにより導電板へのグリス塗布がなされていた。
実質2ndLOT品の3708F前期仕様(1次車→前期仕様:3708F-2),3728F現行仕様(1次車→後期仕様:3728F)では廃止されている。
3700形より先行してリリースされた3150形はグリスの存在が完全に抜け落ちていた。
1stLOT品の3150形前尾灯点灯車には導電板グリスが用いられていないと決めつけてしまった。
モハ3194の現状が余りにも悪く今更モハ3191の台車集電板と導電板整備に着手する。


入工中のモハ3191(3194F-1)。

モハ3194の導電板はグリスが固形物化していた。
同時期に竣工したモハ3191もほぼ同様と考え作業を開始している。
TR-180床板の取り外しは2+4編成組成時以来となった。
極力センターピンへの負荷を与えないよう注意を払っている。


導電板から離れなかった台車集電板。

上野寄,成田寄の両導電板は台車を取り外しても導電板に癒着したまま落下しなかった。
しかも成田寄台枠の集電板スリット付近にははみ出したグリスまで見られる。
モハ3194よりも状態が悪いと予想できた。
早速TR-180床板を分解すると想定以上にグリスが塗布されていたと判明した。


分離されたTR-180床板用座席部品と台枠。

導電板の台車集電板接触部には完全に固まったグリスが凸形に付着していた。
酸化進行こそ生じていないものの全体の輝きも鈍い。
更に台枠センターピン部までグリスが進入していた。
このグリスは集電板スリットを伝わり台枠裏面まで達している。
主工程は台車集電板と導電板の研磨で台枠清掃に時間を割かれるとは思わなかった。


グリス除去を終えた台枠裏面(成田寄)。

台枠に付着したグリスは固形化直前で下手に拭うと膜状に広がるだけだった。
運転台側には前進取付したTNカプラーSPが接着固定されている。
TNカプラーSPの撤去まで作業を大掛かりにしたくなかった。
そこで一度ティッシュペーパーでグリスを摘まむようにグリスを取り除いた。
その後クリーナーを浸したクロスで拭き上げている。
センターピン部と集電板スリットは爪楊枝で浚った後に極細綿棒で清掃を行った。


施工差が大きく現れた導電板。

導電板のグリスは固着し除去出来ない。
よってラプロス#4000での研磨と同時に削ぐ方法を採った。
導電板研磨は海側から開始している。
集電板接触部からグリスを完全に取り除くまで時間を要した。
最終的に集電板接触部だけの部分研磨を行った。
これにより他箇所より擦過痕が目立つ。
山側導電板へ移る前に研磨施工前後の状況を確認したところ輝きが大幅に異なっていた。
クリーナーでの仕上げも施しており当面は輝く導電板を維持出来るだろう。


輝きを失っていた台車集電板(上野寄)。

台車集電板も全体が鈍い色に変わっていた。
特に導電板との接触部はグリスの被膜で覆われている。
表裏とも症状は変わらず全てラプロス#4000で磨き上げた。
見落としがちな断面も漏れなく施工している。


整備を終えたKS-116非動力台車。

通電系統の部品は保守品が分売されている。
この機会に新品へ交換する手段も採れたが敢えて手間の掛かる研磨を選択した。
3700形3758F中期仕様(3次車:3758F元3798F),3818F中期仕様(5次車:3818F)でグリス除去の影響が出ない事は確認済だった。
前途の通り3708F-1,3728Fではグリス塗布そのものが廃止されており改修コストの削減を図っている。


組み上げたモハ3191用TR-180床板。

台車集電板と導電板研磨が完了しTR-180床板の組立に入る。
注意点は台車締結ビスの締め込み具合だった。
座席部品センターピン部には若干の捲れが見られた。
使用不能へ至らせる訳には行かずビスが止まった直後にドライバーを離した。
不安の残る座席部品には違いない。
将来の交換対策としてウエイトの固定は行わなかった。


スプリングによる擦過痕が消えたライト基板集電脚接触部。

なおスプリング式ライト基板集電脚が接触する導電板表面には目立つ擦過痕があった。
恐らく頻々なライトスイッチ切替が絡んだと予想している。
この点を考慮するとTR-180床板用台枠の床下操作式ライトスイッチ化時のスリット周囲は平滑化が有利だろう。
試作品の床板操作式ライトスイッチ台枠は現状のまま試験に供する方向とした。


モハ3191 点灯試験[B31 津田沼]:前照灯(集電板,導電板研磨施工)。


モハ3191 点灯試験[B31 津田沼]:尾灯(集電板,導電板研磨施工)。

点灯試験の結果は入場前と変わらない。
グリス塗布に気付かなかったほど前尾灯の点灯は安定していた。
手応えは無いが経年対策にはなったと思う。
試験では通過標識灯からの漏光が発覚した。
マッキーだけの簡易式消灯化車らしく被膜が劣化したらしい。
今回は手を加えずライトスイッチの床下操作化が実現した際に完全消灯化する。


モハ3191現行色前期仕様(3194F-1:台車集電板,導電板研磨研磨施工)。

全工程を終えモハ3191が竣工した。
研磨した台車集電板と導電板は外観から伺えない。
点灯状態を含め全く入場前と変わらない姿となった。
しかし床下操作式ライトスイッチ台枠製作のヒントが得られたのは収穫だった。
施工自体も将来的には良い方向へ作用すると考えている。

在籍する3150形は1stLOT品が主力である。
その大半は集電板,導電板の研磨を行っておらず3194F-1に劣らない状態だと思われる。
3150形では動力ユニット更新も検討している。
ライトスイッチ床下操作化,台車集電板+導電板研磨,動力ユニット更新の3工程が課題に挙がった。
各工程をどの様に進行させるか悩むところである。

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