試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3159[3170F-3] 現行色 後期仕様 通電系統整備(台車集電板・導電板研磨,台枠グリス除去施工)

2018-04-18 22:27:35 | 京成線:3150形
打破。

グリーンマックス製京成3150形3170F現行色後期仕様(3170F-3:3170F-1+3162F-1)の整備は最終入場車を迎える。
モハ3167(3170F-1),モハ3162(3162F-1)の車体傾斜修正で先送りされたモハ3159(3162F-1)の通電系統整備を行う。
既にモハ3170(3170F-1)で施工した内容と同一ながら時間を要するのが難点と言えよう。


京成3150形モハ3159 現行色 後期仕様(3170F-3)。

グリーンマックス製TR-180床板装着車は座席部品と台枠の間に導電板を挟み込む構造である。
分解時は台枠裏面側から取り外さないとウエイトを含め全てが脱落してしまう。
よってビス締結を解く前からTR-180床板を反転させている。
モハ3159ではこの方法が工程順の変更に繋がった。


入工中のモハ3159。

通電系統整備が名目で台車集電板と導電板の研磨が主となる。
KS-116非動力車を撤去するとグリス溜まりのあるセンターピン部が目に入った。
グリスはかなり劣化が進行し凝固していた。
台枠の集電板スリットから見える導電板も黒色に変わっておりモハ3170よりも状態が悪い。
固着したグリスが気になり台枠清掃から手を着けた。


清掃開始前の台枠センターピン部(成田寄)。

目立つグリスの塊は極細綿棒で取り除いた。
集電板スリットの汚れは床板裏面からだと然程目立たない様に感じられた。
しかし座席部品を分離するとセンターピン側を中心に埃を含んだ物質が覆っていた。
しかも台枠内側は上野寄,成田寄ともセンターピンを中心にグリスが広く進出している。
従来の部分清掃ではグリスが除去し切れないため全てクリーナーで拭き上げた。


全面脱脂に至った台枠。

脱脂中に床下機器部品が大きく傾斜した。
3170F-3はゴム系接着剤の劣化が急速に進行していると思われる。
2ndLOT製品より控え気味な接着剤投入量がこの様な現象を招いたのだろう。
修繕はモハ3162での固定方法を踏襲した。
台枠座席部品嵌合用取付孔の大径3点へ流し込み接着剤を投入し押着を図る。
ゴム系接着剤除去を省略したため台枠と床下機器部品の垂直保持に注意を払った。


予想より酸化進行が遅かった導電板。

クリーナーで脱脂を終えた台枠をクロスで仕上げ台車集電板と導電板の研磨に移行する。
モハ3170の導電板は酸化が目立っていた。
同一条件下で保管しているにも関わらずモハ3159の導電板はある程度の輝きを保っていた。
但し台車集電板との接触部は状態が悪い。
海側の導電板はラプロス#4000で研磨したが当該部のグリス痕除去に手間を要した。
効率が悪く山側の導電板は先に集電板接触部をラプロス#2400で磨き上げた。
この際関係ない箇所までラプロスが当たってしまった。
ところが擦過痕は#4000と変わらなかった。


異なる番手で仕上げた導電板 (海側:#4000,山側:#2400)。

導電板を磨く以上ある程度の擦過痕は避けられない。
#4000と#2400で状況が変わらなければ進捗率の高い#2400を用いた方が俄然有効である。
山側導電板は裏面を含め全て#2400で磨いた。
その結果大幅に研磨の時間が短縮された。
仕上がり具合は海側と殆ど変わらない。
その代わり研磨粉が多く出るためクリーナーでの清掃は入念に行っている。


方向を無視して磨いた台車集電板(上野寄)。

これまで台車集電板は擦過痕を目立ち難くさせる狙いで水平方向からの研磨に留めていた。
モハ3159の集電板はグリスが大量に残っていた影響で台枠集電板スリット挿入部の変色が酷かった。
水平方向ではグリス被膜を広げるだけになるため垂直方向からもラプロス#2400を当てている。
凸部:垂直方向,両端部:水平方向が主になった。
最後は全面を水平方向で均したが従来より擦過痕が激しい。
あくまで通電状態の向上が主名目である。
多少の擦過痕は目を瞑っても良いと思う。


断面まで輝く台車集電板(成田寄)。

グリーンマックス製旧非動力台車の集電機構は集電板断面の状態が鍵になると考えている。
特に車輪接触部と導電板接触部が重要だと思う。
平面と同様に変色していた集電板断面もラプロス#2400で入念に研磨した。
KS-116非動力台車に組み込まれた集電板は霞みが消え去った。
同時に金属車輪の清掃も施し万全の状態に持ち上げている。


モハ3159 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:前照灯(通電系統整備施工)。


モハ3159 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:尾灯(通電系統整備施工)。

各部品の清掃が完了し点灯試験を行った。
しかし電流を流しても全く点灯しない。
ライト基板に不具合は無く何処かで接触不良が生じたらしい。
研磨時に導電板を何度か撓ませた事が気になった。
台車集電板接触部を台枠側へ押し込んだところ解決している。
モハ3159もジョイント部で前尾灯がちらついていたが試験走行では発症しなかった。
当分は好調さを維持してくれると思う。
再発時は台車集電板,導電板の交換時期と考えたい。

モハ3159が竣工し3170F-3は再出場となる。
今入場は1stLOT製品ならではの経年対策に力が注がれた。
在籍する3150形グループの大半は1stLOT製品である。
動力ユニット更新入場時には前尾灯点灯車の通電系統整備が欠かせない工程になるだろう。

この記事についてブログを書く
« 京成3150形モハ3162[3170F-3]... | TOP | 京成3150形3170F+3162F 現行... »