試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

千葉急行3150形3154F (モハ3154,モハ3151 SPフレームTNダミーカプラー化,モハ3152 動力ユニット更新)

2019-07-19 21:43:38 | 京成線出場
逆転配色。

改修を終えたグリーンマックス製千葉急行3150形3154F(3154F-1)が再出場した。
入場はグリーンマックス製京成3700形3798F後期仕様(4次車:3798F)の台枠直結式スカート化が発端である。
3798Fから捻出されたSPフレームTNダミーカプラーは当初マイクロエース製京成3600形系列へ転用する予定だった。




千葉急行3150形3154F。
3154F-1:3154-3153-3152-3151。
◆モハ3154,モハ3151 SPフレームTNダミーカプラー化,モハ3152 動力ユニット更新。

千葉急行3150形は検査期限を迎えた千葉急行3050形3070Fと入れ替わりで登場した形式である。
1000形,3050形に続く京成形式の賃借編成であり3100形3124F(2両口:モハ3122+モハ3121),3128Fと同時期に現れている。
何故か編成単位ではなく3100形3124F(2両口)との異形式混結編成が組まれた。
◆3128F:3128-3127-3126-3125(1996/1)。
◆3158F:3158-3157+3122-3121(1996/3)。
1996年1月に出場した3128Fより京成現行色の幕板帯色,腰板帯色を入れ替えた後期千葉急行色が採用された。
従来までの濃青色に白帯を締めた前期千葉急行色は1996年3月で消滅している。
3128Fは1997年6月に京成へ返却され3154Fが新たな賃借編成となった。
モハ3158+モハ3157から約1年3箇月遅れで編成単位の3150形が出現した。
塗装は3158Fと同じ後期千葉急行色に改められたがこの塗装を纏う車両は3154Fの4両が最後となっている。
◆3154F:3154-3153-3152-3151(1997/6)。
千葉急行形式は検査期限の近い京成形式を賃借したため車両の入れ替えが繁く行われた。
これは3150形も例外ではなく異形式混結編成を組んでいたモハ3158+モハ3157(3158F)は1998年3月に京成へ返却される。
代わりに借り受けた車両は3162F(2両口:モハ3162+モハ3161)であった。
3162Fの成田寄ユニットには3100形3124F(2両口)が生き残り変則組成も引き継がれる。
ただこの時期は千葉急行の存続自体が危ぶまれたせいか塗装変更が見送られた。
モハ3162+モハ3161の出で立ちは[Keisei]社名板が取り外されただけの晩年千葉急行色となった。
そのため3162Fはモハ3162+モハ3161,モハ3122+モハ3121のユニット間で帯色配置が逆転する珍編成に変わっている。
◆3162F:3162-3161+3122-3121(1998/3)。
結局千葉急行は1998年9月を以て解散となり京成千原線として再出発した。
車籍を有していた3154F,3162Fは京成形式へ復籍し短期間ながら千葉急行時代のまま営業に就いた。
記録上では8両が在籍した千葉急行3150形だがモハ3158+モハ3157はモハ3162+モハ3161での置き換えが行われている。
よって最大勢力は6両に留まる小所帯で推移した形式であった。
その中でも3150形だけで組成された3154Fは3100形3128Fと共に後期千葉急行色を代表する編成だったと思う。


京成3150形3154F(3154F-2)。

現在の3154F-1は旧3154F京成3150形3154F晩年仕様千葉急行色(3154F-2)へ改装した直後に増備した二代目である。
初出場はリリースから時間が経過した2015年8月で新製投入だった旧3154Fから一転し中古製品に頼った。
この当時から灰色成形密着自動式TNカプラーSPは自転車操業が続いていた。
モハ3154,モハ3151(3154F-1)の運転台側には予備品を兼ねたTNカプラーSPが取り付けられる。
マイクロエース製京成3300形3312F現行色中期仕様(2両口:3304F-4)を入場させた際にTNカプラーSPが底を突いてしまった。
目論見通りモハ3154,モハ3151(3154F-1)の運転台側TNカプラーSPは3304F-4へ転用される。
代替は連結器部品を固定した簡易形TNダミーカプラーを採用し前進取付まで施された。
2016年6月の入場以降目立った動きが見られなかった3154F-1だが前尾灯点灯具合に異変が現れ始める。
通電系統は回着当時から整備が行われておらず症状改善に着手すると同時にTNダミーカプラーの廃止も決定した。
予定していたマイクロエース製京成3600形系列のSPフレームTNダミーカプラー化を押し退けての入場となっている。


経年劣化が進んでいた導電板と台車集電板(モハ3154)。

通電系統の整備でモハ3154,モハ3151(3154F-1)は前尾灯点灯具合が改善出来ると考えていた。
先発入場させたモハ3154の導電板及び台車集電板は塗布されたグリスが悪い方向へ作用し非常に悪い状態であった。
導電板,台車集電板の研磨はラプロス#2400でも通用せず#1000のペーパーを初めて持ち出す羽目になる。
予想を超えた状況を目の前にして単なる整備から改修へと格上げする切っ掛けとなった。
酸化した導電板,台車集電板はラプロス式と同等の仕上げに達したと思える。
前尾灯のちらつきは一切発生しなくなり改修は無難な滑り出しを見せた。


モハ3154 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:通過標識灯完全消灯化施工車。

また竣工時期も関係し通過標識灯非点灯化は通過標識灯用プリズム先端をマッキーで塗り潰しだけの旧仕様が残っていた。
今改修でモハ3154,モハ3151(3154F-1)ともに油性ペイントマーカーを併用する被膜の二重化が成される。
通過標識灯は完全消灯へと至り[普通]運用に相応しい点灯具合に改められたと思う。
しかしモハ3151は予想外の事態に襲われモハ3154のようには進まなかった。
前尾灯が終日非点灯に留まる機会の多かったモハ3151も導電板,台車集電板は酸化が進んでいた。
その状態はモハ3154より酷く前尾灯非点灯を招いても不思議ではないと思える程だった。


座席部品ビス締結部折損により流用を断念したTR-180床板(モハ3151)。

モハ3151(3154F-1)の改修は座席部品ビス締結部の折損が明らかになり方向性が大きく変わる。
TR-180床板用座席部品の更新が確定した一方で台枠は流用する方針だった。
ところがどうやっても台枠センターピン部に埋まったビス締結部の欠片が撤去出来ずTR-180床板全ての更新へ迫られる。
一組だけ温存しておいたTR-180床板の予備品だが予定とは異なる出番になった。
旧モハ3151用床下機器部品は予備品に移設されモハ3151用床板を組み上げている。
更にSPフレームTNダミーカプラーの前進取付対応化にも失敗してしまい思い通りに進められない作業が連続した。
ただこの加工失敗は前進取付を容易にさせる効果をもたらしモハ3154(3154F-1)との差異発生を防げている。


モハ3151 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:台枠更新車。

他編成との併結機会が無い3154F-1ではSPフレームTNダミーカプラーの固定はゴム系接着剤で十分だった。
前進取付代はTNカプラー取付ボス半個分程度しかなく逆L字形へ改めるフレーム取付部の整形に時間を割かれていた。
3150形運転台付車ではジャンパ連結器モールドと前面車体裾のパーティングラインを合わせる位置で統一している。
牽引,推進力への耐性が懸念材料となる中間組込車は従来通りの逆L字形整形にする必要があると思う。
4両編成に限定される先頭車両ではモハ3151(3154F-1)と同様の凸形整形で十分かもしれない。
まだ京成3150形系列ではTNダミーカプラー装着車が残存しており入場時に採用の可否を下したい。


京成3150形3170F-3,3154F-1 (TNカプラーSP装着編成,SPフレームTNダミーカプラー装着編成)。

改修規模が拡大したため京成3150形系列で進めていた動力ユニットの更新も工程に加えられる。
偶然にもモハ3152(3154F-1)が搭載するDD-180動力ユニットは加速度の低下が顕著になっていた。
動力ユニット更新は京成3150形モハ3168現行色後期仕様(3170F-3)以来約1年3箇月振りの施工となる。
既にグリーンマックス製3400形,3700形ではDD-180動力ユニットの全廃が完了しており手慣れた作業のはずだった。
順調に更新を終えたかと思えたモハ3152だったが竣工後にKS-116動力台車枠の誤取付が発覚する。
再入場に追い込まれたモハ3152はゴム系接着剤に手を焼きながらも修正へと漕ぎ着けた。


モハ3152(動力ユニット更新車)。

モハ3151(3154F-1)での座席部品破損が引っ掛かりモハ3153(3154F-1)もTR-180床板の点検を行った。
増締めによるビス締結部底面の隆起こそ見られたが当面は更新を回避できると思われる。
改修が完了した3154F-1からはTNダミーカプラー,TNカプラーSP擬2が消滅した。
中でもTNカプラーSP擬はDD-180動力ユニット搭載車のTNカプラー対応化に寄与した部品であった。
しかし老朽化には勝てず廃止となり京成3150形モハ3152(3154F-2),モハ3180新赤電色(3182F-2)に残るのみとなっている。
そのモハ3152(3154F-2),モハ3180も動力ユニット更新対象車でありTNカプラーSP擬が姿を消す日もそう遠くないと思う。




3154F-1サイドビュー(モハ3151:SPフレームTNダミーカプラー装着車)。
※前進取付施工車。


京成3150形3170F-3サイドビュー(モハ3159:TNカプラーSP装着車)。
※前進取付施工車。

SPフレームTNダミーカプラー化により前面見附の安定感を醸し出す効果を得られたと思える。
TNカプラーはマウントとロアフレームの2pcs構成でありTNダミーカプラーへ細工すると胴受周りに歪みが生じる弱点があった。
特に線バネを存置した簡易形TNダミーカプラーではこの症状が強く現れる傾向が強い。
これに対してSPフレームTNダミーカプラーはTNカプラーSPから復心スプリングを撤去しただけの構造を持つ。
そのため剛性に不都合は無く連結器部品の破損時以外は半永久的な使用が可能だと考えている。
3154F-1はTNカプラーSP装着編成に引けを取らない見附に変わり新性能化も達成した。
ただプロトタイプ変更の確率が低いため今後も入場機会は増加しないと予想される。
せっかく改修で持ち上げた状態を維持する事が今後の課題になるだろう。
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