試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

千葉急行3150形モハ3151[3154F-1] TR-180床板破損更新,SPフレームTNダミーカプラー化施工

2019-07-16 21:41:40 | 京成線:3150形
別展開。

不調気味のグリーンマックス製千葉急行3150形3154F(3154F-1)はSPフレームTNダミーカプラー化と同時に改修開始となった。
入場第一陣に抜擢したモハ3154(3154F-1)は不安定だった前尾灯点灯具合が改善された。
今回入場のモハ3151(3154F-1)はモハ3154よりも症状が悪くちらつきで踏み留まっていたモハ3154を先発させている。


千葉急行3150形モハ3151(3154F-1)。

モハ3154(3154F-1)の点灯不調は通電系統整備で呆気なく解消に至った。
そのためモハ3151(3154F-1)も同様の整備で復活させられると淡い期待を寄せていた。
しかし入場前に行った点灯試験では前尾灯双方とも非点灯で終わり暗雲が立ちこめている。
ライト基板自体の不具合も有り得るためさすがに動揺を隠せなかった。
現時点ではとにかく疑いの掛かる箇所を切り分けていくしか方法が無い。
順次作業を進めたところモハ3154とは全く異なる展開が待ち受けていた。


入工中のモハ3151。

先ず最初に疑念を抱いたのは京成3150形専用のライト基板である。
そのためライト基板の単独点灯試験が第一工程に廻されライトユニットを取り外した。
集電スプリングへ電流を流すと前尾灯は不具合無く点灯してくれた。
ちらつきも発生せずライト基板に全く問題無いと判明し取り敢えず一安心している。
点灯試験はライト基板をライトケースから取り外さずに行った。
幸か不幸か前照灯点灯時に通過標識灯の盛大な漏光までもが確認された。
モハ3154(3154F-1)では作業後半に施工した通過標識灯完全消灯化が前倒しとなった。


無事点灯したライト基板。

3154F-1は[(千葉) ちはら台]表示編成でありモハ3151の前照灯点灯機会が多かった。
モハ3171現行色前期仕様(3174F-2)でのライトユニット分解試行で3150形用プリズムは1pcs式だと判った。
物理的に通過標識灯用プリズムの独立化が行えず切断しない限り基板からの光を誘導してしまう。
しかも通過標識灯用レンズを兼ねる構造のため加工には向かず遮光も表面的なものにせざるを得ない。
通過標識灯用プリズム前端への処理に変更は無いが油性ペイントマーカーの下地処理を厚くしている。
これによりモハ3154(3154F-1)よりも高い遮光性能の確保を狙った。


折損していた座席部品ビス締結部(上野寄)。

ライト基板には瑕疵が無く次の疑いは導電板と台車集電板に向けられる。
座席部品と台枠を分離させるとモハ3154(3154F-1)をも凌ぐ酸化した導電板が目に入った。
当然グリスも大量に塗布されており台車集電板は全て台枠スリット部へ突き刺さったままとなった。
どれから手を着けようか迷っている間に上野寄座席部品及び台枠でおかしな箇所を発見した。
見直すと座席部品ビス締結部が折損しており台枠ビス締結部を埋めている。
ビス締結を復活させるには座席部品の交換が必須だが台枠は継続使用が可能と考えていた。
しかし台枠に埋まったビス締結折損部はグリスで融着してしまい取り除けない。
台枠も放棄するしかなくなってしまいTR-180床板の更新へと変更された。


復旧を終えたモハ3151用TR-180床板。

予備品のTR-180床板は床板操作式ライトスイッチ化拡大採用に向け温存していた部品である。
床板操作式ライトスイッチ化は京成3150形モハ3194現行色前期仕様(3194F-1)で試行している。
3182F新赤電色(3182F-1)との2+4混色編成を復活させられたが如何せん肝心のライトスイッチが操作し難い。
現在は他方式への変更が有力であり窮地に立たされたモハ3151(3154F-1)を救ってくれた。
床下機器部品,導電板,ウエイト,連結面側TNカプラーSPは旧モハ3151用床板からの流用となる。
先に台枠へ床下機器部品を移設し導電板及び台枠集電板の研磨へと移行した。


整備が完了したKS-116非動力台車(成田寄)。

導電板,台車集電板はグリスの付着が夥しく予めクリーナーで拭き上げた。
研磨はラプロス式の採用を見合わせ当初より#1000のペーパーを持ち出す。
これにより大幅な作業時間の短縮が実現し約15分程度で導電板は真鍮色に戻った。
断面まで磨き上げる台車集電板はクリーナーの効果が低く想定より苦戦した。
それでも開始から約10分で作業を終えモハ3154(3154F-1)に比べ約10分の短縮が実現している。
擦過痕は激しくなるが余りに状態が悪い個体にはラプロスよりペーパーを起用する方針である。


前進取付としたSPフレームTNダミーカプラーと復旧させたTNカプラー。

TR-180床板が更新されモハ3151(3154F-1)でも生じていた車体不等沈下も改善は間違いないと思われた。
ただビス締結の加減を誤るとKS-116非動力台車を固定出来ず全てが台無しになる。
何とも言えない手応えを感じながら締結ビスが停止したと同時にドライバーを離した。
旧モハ3151用床板に取り付けられていたTNダミーカプラーは連結器部品をゴム系接着剤で固定しただけの簡易形だった。
単独保管品のTNカプラーマウント未加工品と振り替えTNカプラーに戻した。
これで灰色成形密着自動式TNカプラーは予備品数が5両分にまで回復している。




モハ3151 [B01 普通 (千葉) ちはら台]:台枠更新,SPフレームTNダミーカプラー換装施工。


モハ3154 [B01 普通 (千葉) )ちはら台]:3154F-1(SPフレームTNダミーカプラー装着車)。

モハ3151(3154F-1)に取り付けたSPフレームTNダミーカプラーは京成3700形3791後期仕様(4次車:3798F)の発生品である。
スカート付SPフレームTNダミーカプラー化を図った際にスカート取付台座が切除された。
ここは前面見附に影響を及ぼさない箇所であり再用には全く問題無かった。
なおフレーム取付部の整形が雑になってしまい逆L字形ではなく凸形で仕上げられている。
失敗に近かったが返って取付自由度が増し正規位置への調整はむしろ容易であった。
固定の軸はゴム系接着剤が担っているためモハ3154(3154F-1)と同等の強度を保てていると思われる。


モハ3151 点灯試験[B01 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(台枠更新,通電系統整備,通過標識灯完全消灯化施工)。


モハ3151 点灯試験[B01 普通 (千葉) ちはら台]:尾灯(台枠更新,通電系統整備施工)。


京成3150形モハ3159 点灯比較[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:3170F-3(通過標識灯点灯車)。

入場前は前尾灯が点灯しなかったモハ3151(3154F-1)だったが点灯試験では安定した点灯具合を取り戻してくれた。
非点灯に陥った原因は導電板,台車集電板を覆っていたグリスにあったと推測している。
上野寄ビス締結部品の破損は分解直前までKS-116非動力台車が脱落しなかった事から無関係だと思われる。
通過標識灯は本来はっきりとした点灯に至るがモハ3151では漏光が見られない。
少なからず油性ペイントマーカーの下地処理を厚くした効果が得られたと思える。
但し決して被膜が強い訳ではなくライトユニットを着脱する度に再施工した方が無難だろう。




モハ3151(台枠更新施工:車体不等沈下解消)。

モハ3154(3154F-1)も改修入場と同義となったがモハ3151(3154F-1)は更にその上を行った。
まさか台枠更新にまで手を伸ばすとは予想しておらず作業内容も大幅な変更を余儀なくされた。
期待とはかなり異なったものの無事にモハ3151の完全復帰を果たせた。
車体不等沈下も収まり多くの課題を抱えていたモハ3151はその欠片すら感じさせない竣工を迎えられている。
その代わりビス締結部の破損が他編成へ及んでいないかが懸念材料に急浮上してしまった。
TR-180床板の予備品が今入場で尽きてしまったため早めに確保したいところである。
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