試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3159[3162F-5] 現行色 晩年仕様 通電系統再整備,運転台側SPフレームTNダミーカプラー化施工

2018-10-17 21:48:23 | 京成線:3150形
粘性。

グリーンマックス製京成3150形モハ3159現行色晩年仕様(3162F-5)を入場させた。
主工程はTNダミーカプラーの廃止から通電系統再整備に変更される。
先に竣工したモハ3162(3162F-5)の導電板,台車集電板は状態が悪かったため同じ様な手順になると考えた。


京成3150形モハ3159 現行色 晩年仕様(3162F-5)。

予め前回入場記録を確認したところ専らグリス除去に終始した工程を踏んでいた。
よって作業時間は長めに確保している。
3700形3728F中期仕様(1次車:3728F-1)が出自のSPフレームTNダミーカプラーは双方とも連結器位置中心がずれていた。
スカートで胴受が隠れた3700形とは異なり3150形ではダミーカプラー全てが露出する。
3162F-5だけ連結器位置が偏位する状況には持ち込みたくなく修正を図った。
施工はモハ3162への入場時に2台とも済ませている。
但し前進取付対応化は未措置でモハ3159での工程に組み込まれた。


入工中のモハ3159。

3162F-5は下り方面行に設定した。
そのためモハ3159の前照灯点灯機会は決して多くない。
しかし極端な走行方向の偏りを防ぐため定期的な逆転運転を行っており皆無ではなかった。
この際通過標識灯の漏光は完全に抑えられていた。
現状でも問題は無いが仕様をモハ3162と揃える。
従来から施工されていた通過標識灯用プリズム先端の塗り潰しは敢えて存置した。
この上に金色の油性メタリックマーカーを重ねる。
そしてマッキーで黒色化を行い仕上げた。
都合4重となった被膜ならライトユニットの着脱にもある程度耐えられると思う。


油性メタリックマーカーで下地処理を施した通過標識灯用プリズム先端。

ライトユニットを車体へ戻し前照灯レンズ部に光源を当てる。
プリズムが前照灯から通過標識灯まで一体成形されている形状はモハ3171現行色前期仕様(3174F-2)の入場で掴めた。
この構造を逆手に取り簡易的な非点灯確認とした。
指向性の強いLEDライトを当てても通過標識灯に漏光は生じない。
一応の手応えを得て通電系統の整備へ移った。
TR-180床板を分解するとモハ3162に近い状況が待ち受けていた。
むしろグリス粘度が高く清掃に手を焼かされるのは明らかだった。


斑模様の導電板と台車集電板。

拭き取ったはずのグリスだったが予想通り詰めが甘い。
KS-116非動力台車の締結を緩めても台車集電板は導電板に貼り付いたままだった。
極僅かな接触面積しかないにも関わらず4枚全てが台枠側に残ってしまった。
おまけに導電板及び台車集電板の両面はやたらとべたつく。
導電板はクリーナーを浸したティッシュペーパーで包む。
小部品の台車集電板はクリーナープールへ直行となった。
この間にKS-116非動力台車,台枠,座席部品のグリス除去を進める。
粘度が高かったせいかKS-116非動力台車は余り油脂の煌めきが見られない。
しかしべたつきが酷かった台車集電板の影響を少なからず受けているはずで入念に清掃した。


後始末に終われた台枠,座席部品のグリス除去。

台枠へのグリス進出はモハ3162より抑えられていた。
それでも清掃のし難さはモハ3159が上を行く。
グリスの粘度が曲者で清掃に用いた極細綿棒は毎回茶色く変色するほどであった。
余りのしつこさに呆れ爪楊枝にてグリス残滓を掻き集め事態を収束させた。
対照的にビス締結部へのグリス付着が見られた座席部品はあっさりと清掃を終えられた。
再び導電板,台車集電板の整備に戻る。
残念ながらクリーナーの効果は余り高くなくべたつきが残った。


整備が完了したKS-116非動力台車(上野寄)。

ここは脱脂溶剤に頼るべきだったと気付いた。
急遽アルコールクロスを持ち出し付着した油膜を取り除く。
べたつきこそ解消されたが斑模様は改善されない。
斑模様は前回入場の仕上げ不足が原因だと思われる。
元々の状態か芳しくなかったため遠慮せずにラプロス#2400で研磨を行った。
脱脂が奏功し導電板,台車集電板の研磨は快速で進められた。
双方とも無理にグリスを削ぐ必要は無く軽い力で真鍮色へと変わっていく。
比例して研磨による擦過痕も目立たなくなりラプロス#4000での仕上げを廃止した。


復旧されたTNカプラーと前進取付対応化を図ったSPフレームTNダミーカプラー。

TR-180床板を組み上げSPフレームTNダミーカプラーへの交換に取り掛かった。
TNダミーカプラーの固定はモハ3162と同一手法を採ったらしい。
ゴム系接着剤とタミヤセメントが併用され運転台側台枠裏面の乱れが生じていた。
プラスチックの変質度合いが酷く波打ちが激しい。
TNカプラーSPカバーとの競合は明白であり#600のペーパーで平滑化を行った。
SPフレームTNダミーカプラーは取付部を逆L字形に整形し前進取付を可能にした。
3162F-5に起用したTNダミーカプラーは線バネを残したままゴム系接着剤で連結器部品を固定しただけである。
マウントは未加工発生品に取り替えゴム系接着剤の除去を行った上で復旧させた。
モハ3162での再生品を加え灰色成形密着自動式TNカプラーは4両編成1本分が確保出来た。
灰色成形密着自動式TNカプラー装着編成は2本が残存している。
当座の予備はこれ以上必要ない。
不具合の生じた車両が複数に渡った場合は直接TNカプラーSPへ交換を図るため出番は巡ってこないかもしれない。


前進取付されたSPフレームTNダミーカプラー。

SPフレームTNダミーカプラーの取り付けは労さない。
位置基準も定まっており交換は短時間で終了した。
4両編成で限定している3162F-5は連結耐性強化策を採らない。
そのためゴム系接着剤はSPフレームの台枠取付部とカバー後端の一部だけに塗布した。
心許なく映る接着剤量だが交換を終えたモハ3162は24時間以上が経過した現在でも安定を保つ。
従ってダミーカプラーとしての役割は十分に果せると思う。
ちなみに運転台付中間組込車はカバー天面を全てゴム系接着剤で覆っている。
取付位置修正入場で撤去した際にはカバーだけが台枠裏面に取り残される強度を見せた。
最長8両編成への採用に限られているが今のところビス固定追加の必要性は感じない。




モハ3159 [B47 普通 (千葉) ちはら台]:SPフレームTNダミーカプラーSP化施工。


モハ3162 [B47 普通 (千葉) ちはら台]:3162F-5(SPフレームTNダミーカプラーSP装着車)。

モハ3159のTNダミーカプラーは大幅な老朽化こそ伺えなかった。
しかし連結器部品へのゴム系接着剤量が不足した模様で連結器の方向が定まらなくなっていた。
最早都度修正では追い付けなくなりモハ3162と異なる事情で廃止を迎えている。
他方SPフレームTNダミーカプラーは連結器部品後部とフレームの固定面積が確保出来る。
グリーンマックス製京成3400形,3700形で多用しているが連結器部品の安定性はTNダミーカプラーを軽く凌ぐ。
3728F-1からの転用も耐久性を見込んでのものだった。
不可抗力で破損さえさせなければ半永久的に使用出来るだろう。


モハ3159 点灯試験[B47 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(通電系統再整備,通過標識灯非点灯化再施工)。


モハ3159 点灯試験[B47 普通 (千葉) ちはら台]:前照灯(通電系統再整備施工)。


モハ3159 点灯比較[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:3170F-3(通過標識灯点灯車)。

入場前のモハ3159は前尾灯点灯時にちらつきが生じていた。
原因はグリス残滓による通電不良だと思う。
導電板及び台車集電板の整備後は動態でも安定した点灯に改められている。
点灯機会の少ない前照灯だが同期するはずの通過標識灯は完全消灯を維持した。
モハ3183(3174F-2)での油性メタリックマーカー試用開始からモハ3162(3162F-5),モハ3159と3両連続で結果を残せた。
通過標識灯プリズムは挿入時に於ける車体との接触を防げない。
そのため何れは漏光が再発すると思う。
ただライトユニットの着脱時に通過標識灯完全消灯化再施工を行う機会が減らせる可能性はある。
今後[普通]運用編成が入場した際には油性メタリックマーカーへの変更を進める。


モハ3159+モハ3162 (3162F-5:SPフレームTNダミーカプラー前進取付車+SPフレームTNダミーカプラー前進取付車)。


モハ3167+モハ3162 (3170F-3:TNカプラーSP前進取付車+TNカプラーSP前進取付車)。

安定点灯を取り戻しモハ3159が竣工した。
SPフレームTNダミーカプラーは明確な前進取付位置が定められているためモハ3162との差は殆ど見られない。
TNカプラーSPとは連結器部品以外同規格である。
よってTNカプラーSP前進取付車に通ずる外観となった。
連結されられない事もないが旋回猶予は無く解結が困難になる。
同一車両番号の3162F現行色後期仕様(3170F-3)も在籍するが外観差に加え管理を区分しており混同はしないだろう。
この記事についてブログを書く
« 京成3150形モハ3162[3162F-5]... | TOP | 京成3150形3162F 現行色 晩年... »