試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

グリーンマックス製FS-329C動力台車側梁コアレスモーター搭載動力ユニット用台車枠転用施工,TNカプラーSP化

2017-10-02 21:43:10 | その他
本施工。

グリーンマックス製京成3150形向けのコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠製作はKS-116動力台車で一定の答を得た。
これで2個モーター搭載動力ユニット用動力台車でも台車枠化が行える目途が立っている。
しかし動力ユニット更新予定のモハ3172現行色前期仕様(3174F-1)はFS-329Cであり再度加工に挑む。


京成3150形モハ3172 現行色 前期仕様(3174F-1:動力車)。

軸箱支持方式はKS-116:ウイングバネ式,FS-329C:軸バネ式で各々で異なっている。
両台車では軸箱部成形が違うためFS-329C動力台車でも上手く行くか判らなかった。
しかもFS-329Cは非動力台車の保管品さえ無く一発勝負となる。
モハ3160現行色晩年仕様(3162F-5)で前例のあったKS-116動力台車加工とは環境が大きく違った。
失敗は許されず仕切り直して作業に取り掛かっている。


モハ3172から撤去した2個モーター搭載動力ユニットと分売品のコアレスモーター搭載動力ユニット。

FS-329C動力台車の動力台車枠化は側梁切り出しまでKS-116動力台車の加工に倣う。
元モハ3160用2個モーター搭載動力ユニットはTNカプラーSP擬対応化されており分解が容易だった。
しかしまだアーノルトカプラーのまま存置されていたFS-329C動力台車は嵌合爪が硬い。
そのため車体中央寄の嵌合爪を偏位させ集電板を斜めにしながら撤去している。
この時点ではまだ後戻り出来た。
問題はピボット軸受を設ける箇所に余裕があるかだった。
軸箱周りの成形を見る限りではΦ1.5mmの軸受を開けても支障しないと思えた。
更に軸受径を2.0mmに拡大しても十分な剛性を保てると判断し作業を続行している。




分解したFS-329C動力台車。

嵌合爪部と側梁部の成形はKS-116動力台車と変わらずコ字形の接合だった。
この成形は2個モーター搭載動力ユニット用動力台車で共通化されているのかもしれない。
接合部は三方からニッパーで切断している。
側梁裏面を上方から見て軸箱と下揺れ枕が平行になる程度まで切断面を均した。
ここはKS-116で先行試作を行った成果が出た。
平滑化に集中しその他の箇所には全く手を着けていない。
但しFS-329Cは構造都合で枕バネ付近の型抜き成形が多い。
このうち一箇所は整形部の直近にある。
切断面を均す際に型抜き部を埋めないよう注意を払った。


側梁を切り出したFS-329C。

FS-329Cは点対称構造で台車装着時にボルスタアンカの向きを注意しなくて済む。
線対称構造のKS-116では取付方向を何度も確認した。
事前に上野寄,成田寄の組合せを仕分ける必要が無くピボット軸受開孔に取り掛かった。
軸受は軸箱中央裏面を中心とする予定だった。
ところがFS-329Cの側梁裏面には都合良く点状の凹みがあった。
これを基準にΦ1.5mmのドリルでピボット軸受を設けた。
しかしこの方式は安直過ぎた模様でKS-116に比べその位置が高くなった気がした。


側梁裏面凹部を中心に開孔したピボット軸受。

ひとまずピボット軸受の細工は1枠だけに留めた。
ここでコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車と仮合わせを行った。
やはり軸受は若干上方へ偏位しており車輪との位置関係が今一つしっくり来ない。
輪心黒色化を済ませていない影響も考えられた。
ただ装着後に再加工を行うのは手間である。
台車枠位置調整代も稼げておらず先に軸受を下方へ拡大した。
約1.5mmの軸受幅を保ったままクラフトナイフで抉り楕円形に修正している。


軸受修正に繋がった台車枠仮合わせ。

側梁の軸受位置を決定しない事には先に進めない。
ここでコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車のTNカプラーSP対応化を行った。
従来方式のままロアフレームからカプラーポケットを撤去した。
FS-329C台車枠取付は1箇所さえ決まれば他は追随するだけとなる。
この後上野寄海側の動軸のみ輪心黒色化を施した。
早急に軸受基準を定めFS-329C台車枠の細工方法を確定させる。


TNカプラーSP対応化を図ったコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車 (上野寄,成田寄)。

FS-329Cの型抜きを考慮しコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車の集電板表面は全て黒色化した。
真鍮色が台車の隙間から見えると締まりに欠ける。
試作したコアレスモーター搭載動力ユニット用KS-116動力台車枠は当初FS-329Cへの交換を考えていた。
同様の措置を施しており本施工でも踏襲している。
早速ピボット軸受を設けたFS-329C動力台車枠の試着に入った。
試験箇所は上野寄海側のみである。
ゴム系接着剤による3点止めもKS-116動力台車枠に倣った。
微調整が利くうちに車体を嵌合させFS-329C非動力台車と比較した。


固定位置検討中のFS-329C動力台車枠 (モハ3174+モハ3173:非動力台車+動力台車)。

コアレスモーター搭載動力ユニットへ換装すると車体高が僅かに上がるお釣りが付いてくる。
よって非動力台車と車体裾の両方でバランスを取る必要があった。
何度か位置を変更し納得の行く場所を追求している。
その結果KS-116動力台車枠と同位置で構わないと判った。
上記都合で車体裾と台車側受の間隔は非動力車より広くなった。
但し俯瞰が多い上に転用台枠自体もやや張り出し気味となる。
車体裾との位置関係は十分に誤魔化せると思われる。


KS-116と変わらなかったFS-329動力台車枠取付位置。

結局FS-329C動力台車の台車枠転用も非動力台車枠転用と変わらなくなった。
グリーンマックス製京成形式では3150形:KS-116,3400形:FS-383,3700形:FS-547(047)で動力台車枠転用を行ってきた。
何れも取付位置は変わらず2個モーター搭載動力ユニット用動力台車でも差異は殆ど無いらしい。
試験装着結果を基に残り3枠へのピボット軸受開孔を施した。
台車枠裏面の凹部は基準になり得ないと判ったため現物合わせでドリルを当てている。
凹部を活用するのであればΦ2.0mmのドリルで構わないと思われる。
上野寄山側台車枠,成田寄台車各々へFS-329C動力台車枠を接着し固着を待った。


完成したコアレスモーター搭載動力ユニット用FS-329C動力台車(成田寄)。

動力台車枠は目分量で接着している。
そのため各側梁毎に若干位置がずれてしまう。
この差を極力小さくするため下揺れ枕と動力台車枠取付台座の下部を目安にした。
それでも作業誤差が生じるのは致し方ない。
やはり動力台車枠を加工するより非動力台車枠を転用した方が有利に思える。
モハ3172ではFS-329C非動力台車が手に入れられず止むを得ない措置だった。
今後の動力台車枠転用は窮余の策に限られるだろう。


京成3150形用コアレスモーター搭載動力ユニット (KS-116,FS-329C)。

失敗出来ない環境の下だったがFS-329C付コアレスモーター搭載動力ユニットが完成した。
KS-116動力台車での試作を挟んだ事でピボット軸受開孔の抵抗が薄れたのは確かである。
二段階を踏んだ手順は結果的に正解だった。
なお試作品のKS-116付コアレスモーター搭載動力ユニットは当初の予定を変更し存置された。
その結果KS-116を履く3150形のうち1編成だけ動力ユニット更新が可能になった。
更新候補車両は以下の3両に絞られる。

◆モハ3156新赤電色(3158F-1)。
◆モハ3192現行色前期仕様(3194F)。
◆千葉急行3150形モハ3152(3154F-1)。

KS-116を履くモハ3152千葉急行色(3154F-2)は台車色を灰色へ塗装したため対象外となった。
更新には2個モーター搭載動力ユニットの調子も鍵を握る。
3両のうちモハ3156は3190F新赤電色(3190F-1)との4+4編成,4+2編成を組む際に中核を担う。
動力ユニットへの負荷は他2両に比べ大きく筆頭候補である。
2個モーター搭載動力ユニットの調子次第では保管品を含め振替も検討する。
また3162F-5から捻出されたKS-116サックスブルー成形台車も2両分が残っている
何れは3150形全編成のコアレスモーター搭載動力ユニット統一を図りたい。
そのためにはFS-329C非動力台車の確保が重要課題となる。


更新準備を終えた動力ユニット(モハ3172用)。

無事FS-329C動力台車のコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化を終えた。
最大の山は越えたもののモハ3172の竣工には床下機器部品移設を要しまだ壁が残る。
一応モハ3160の動力ユニット更新過程に準ずる。
しかし時間の経過で予期しない症状が出たため一部施工を改める予定である。

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