試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

グリーンマックス製KS-116動力台車側梁コアレスモーター搭載動力ユニット用台車枠転用試行,TNカプラーSP化

2017-10-01 21:30:01 | その他
初挑戦。

グリーンマックス製京成3150形3174F現行色前期仕様(3174F-1)はモハ3172の第二次整備を残すだけになった。
コアレスモーター搭載動力ユニットへの更新に未練があったが出場を優先した。
しかし入場前に行った走行試験の結果が余りに酷過ぎ事態の急展開に繋がっている。


京成3150形モハ3172 現行色 前期仕様(3174F-1:動力車)。

モハ3172は2個モーター搭載動力ユニット装着車である。
コアレスモーター搭載動力ユニット登場まではグリーンマックス製の主力だった。
ところがモーターの協調が芳しくない個体が存在する。
運悪くモハ3172はこれに相当し加速度が極端に低かった。
モーター同士が互いに抵抗となり加減速を阻む様な感じである。
この状態では他編成に比べ性能が大きく劣るため動力ユニット交換を考えた。
当初はモハ3160現行色晩年仕様(3162F-5)から捻出された2個モーター搭載動力ユニットを転用する予定だった。
しかし保管品の動力ユニットへ交換するには床下機器部品移設やTNカプラーSP擬3の製作を伴う。
同じ手間を掛けるならコアレスモーター搭載動力ユニット化が有利に思えた。
取り敢えず今まで見送ってきた2個モーター搭載動力ユニット用動力台車の動力台車枠化に挑む。


用意したKS-116付2個モーター搭載動力ユニットとコアレスモーター搭載動力ユニット (元モハ3160用,分売品)。

モハ3172はFS-329Cを履くが3150形に相応しい2個モーター搭載動力ユニットの保管品は生憎KS-116しか手持ちが無かった。
2個モーター搭載動力ユニット用動力台車の構造は同一である。
先ずはKS-116動力台車でコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化を試行する。
KS-116動力台車はTNカプラーSP擬対応化時に分解しており嵌合構造は掴めていた。
活用するのは台車側梁のみで原形は維持されなくなる。
よって台車側梁を破損させない事を重点に置いた。


集電板撤去中のKS-116動力台車(上野寄)。

KS-116動力台車の分解は集電板の前後を挟む嵌合爪を歪ませるだけで良い。
嵌合爪部は不要となるため両側とも内側へ偏位させた。
都合4箇所で固定されていた集電板は上方へ引き抜ける。
ギア類も集電板に取り付けられておりロアフレームに残ったのは動軸のみとなった。
動軸は集電板に抑えられるだけの構造でKS-116動力台車の分解はあっさり終了している。


分解されたKS-116動力台車(上野寄)。

この構造がコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠化を見送る要因だった。
側梁にピボット軸受が存在せず新たに設けなければならない。
いきなりFS-329動力台車を動力台車枠化するのは技量都合でリスクが高かった。
一度KS-116動力台車で試作し上手く行けばモハ3172の動力ユニット更新を行う。
失敗した場合には元モハ3160用2個モーター搭載動力ユニットと交換する二段構えとした。


側梁を切り出したKS-116台車枠。

KS-116動力台車枠はロアフレームとの一体成形品である。
ロアフレームと側梁の成形部はコ字形で各々ニッパーで切断した。
切断部の仕上げは凸部を平滑化する程度で留めた。
コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車へはゴム系接着剤で固定する。
鑢等で薄くすると張力が作用し安定度を欠く恐れがある。
そのため非動力台車転用時とは異なり裏面のペーパー掛けは施していない。


ピボット軸受を設けた側梁。

側梁に設けるピボット軸受位置はKS-116非動力台車を参考にした。
動力ユニット更新を行ったモハ3160の施工例に準拠したい。
極力軸受を非動力台車に合わせ作業の簡略化を狙った。
軸受径は軸箱中央裏面を基準にややゆとりを持たせ1.5mmとした。
深さは約1mmである。
動力台車枠の側梁は非動力台車枠とほぼ同じ厚みでドリルが貫通する心配は無かった。
念のため側梁軸受開孔後に現物合わせを行っている。
上記の値で問題無い事を確認し残る3枠も同様に加工した。


カプラーポケットを撤去したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(上野寄)。

グリーンマックス製京成3150形は全編成でTNカプラーSP及びTNカプラーSP擬を採用している。
試作のコアレスモーター搭載動力ユニットもTNカプラーSP対応化が必要になった。
これまでグリーンマックス製京成3400形,3700形の動力ユニット更新を進めてきた。
よってコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP対応化は手慣れたものである。
但し3150形では輪心黒色化も工程に加えている。
2個モーター搭載動力ユニット用動力台車では分解が手間で見送っていた。
コアレスモーター搭載動力ユニット分売品は輪心へ色が挿し易く側梁取付前に黒色化を図った。


一部を黒色化した集電板(上野寄)。

コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車は構造上集電板が側面から目立ち易くなる。
側梁で覆えない箇所をマッキーで塗り潰した。
これはモハ3160の動力ユニット更新時に判明し先手を打った。
なおFS-329Cへの転用を考慮し集電板塗り潰し面積はモハ3160より広く取っている。
これでコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車への加工は終了となり側梁の取付へと移る。


KS-116台車枠を取り付けたコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(成田寄)。

非動力台車を転用したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠は軸受が取付目安だった。
しかし加工誤差を吸収する目的で敢えて軸受径を大きくした。
よって軸受は当てにならない。
そこでモハ3160のKS-116を目安に動力台車中央の台車枠取付台座を基準とした。
KS-116では通用するがFS-329Cでは都度非動力車との比較が必要になるだろう。
なおゴム系接着剤は両側軸受部と台車枠取付台座の3点へ塗布し安定度を高めている。


完成したKS-116動力台車 (動力台車枠転用品,非動力台車枠転用品:モハ3160用)。

上野寄,成田寄共に側梁の取付を終えた。
試作品の第一印象は悪くない。
3150形では3162F-5が唯一の動力ユニット更新編成である。
3162F-5はKS-116を灰色成形品に変更しており完成したKS-116動力台車とは雰囲気が異なる。
成形色のせいかサックスブルー成形色のKS-116動力台車は側梁が厚く見えた。
実寸は殆ど同じで単なる錯覚だったらしい。


TNカプラーSP化されたコアレスモーター搭載動力ユニット。

側梁の固着を待つ間にTNカプラーSPを装着した。
KS-116ではあるものの動力台車転用によるコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠試作を終えた。
動力ユニット単体では完成形に見える。
しかし車体へ装着しないと最終判断が出来ない。
3174F-1とプロトタイプの近い3194F現行色前期仕様(3194F)で確認を行った。
3194FはKS-116を履く上にサックスブルー成形色を維持している。
モハ3192は2個モーター搭載動力ユニット装着車で相対するモハ3193へ試作品を取り付けた。


モハ3193+モハ3192 (3194F:コアレスモーター搭載動力ユニット装着車+2個モーター搭載動力ユニット装着車)。

モハ3193を見ると相変わらず車体高が僅かに上がる癖が出ている。
一方KS-116動力台車は上手く収まったと思う。
この状態であればFS-329C動力台車もコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠転用が可能と予想する。
思わぬモハ3172の2個モーター搭載動力ユニット不調が呼んだ細工だった。
進んで着手した訳ではなかったが一応成功例として扱いたい。

今回の結果を受けモハ3172は動力ユニット更新が決定した。
ただせっかく取付けたKS-116台車枠を撤去するのが惜しくなった。
幸いコアレスモーター搭載動力ユニットは3700形3706元登場時仕様(元3708F)向けに増台していた。
離脱中の元3708Fは復帰が足踏み状態にあるためこれをモハ3172用に充当したい。

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