試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3170[3170F-3] 現行色 後期仕様 通電系統整備(台車集電板・導電板研磨,台枠グリス除去施工)

2018-04-15 21:13:09 | 京成線:3150形
的中。

グリーンマックス製京成3150形3170F+3162F現行色後期仕様(3170F-1+3162F-1:3170F-3)は故障を契機に離脱した。
不動に陥ったモハ3168(3170F-1)の動力ユニット更新は完了した。
復帰を前に前尾灯点灯車の通電系統整備を行う。


京成3150形モハ3170 現行色 後期仕様(3170F-1)。

初竣工後のモハ3170(3170F-1)はTNカプラーSP化と行先方向幕交換で入場したのみだった。
台車集電板や導電板に手を着けた記憶は無い。
従って2014年4月以降から全く整備が行われていない事になる。
3194F現行色前期仕様(3194F-1)は通電系統の経年劣化が目立った。
同時期の製品である3170F-1も状態は良くないと予想出来た。
モハ3168がコアレスモーター搭載動力ユニットへ刷新された機会に乗じ3170F-3の整備を進める。


入工中のモハ3170。

3170F-3はモハ3170とモハ3159(3162F-1)が前尾灯点灯車である。
先ずモハ3170から入場させた。
通電系統整備単独入場だったモハ3191(3194F-1)は軽作業ながら大幅な時間を要した。
モハ3170の入場に当たっては十分な時間を確保している。


台枠スリットに突き刺さる台車集電板(成田寄)。

モハ3191で手を焼かせた原因は導電板と台車集電板接触部に塗布されたグリスだった。
FS-329C非動力台車を取り外すと集電板だけが脱落しなかった。
やはりグリス塗布がなされていたらしい。
予想通りとは言え本格作業開始前から気分を滅入らせる。


輝きを失った導電板。

座席部品と台枠を分離すると導電板の全貌が伺える。
その状態はモハ3191を下回る惨状だった。
TR-180床板を分離した機会は殆ど無いはずである。
それにも関わらず全体が茶色を帯び一部は茶褐色化していた。
集電板接触部にはグリス痕が夥しく残る。
時間を確保した上での入場は正解だった。


海側だけ研磨を終えた導電板。

導電板の研磨にはラプロス#4000を用いた。
酸化が進行した箇所が多く何度もラプロスを往復させている。
その結果目立つ磨き斑を生じさせてしまった。
今後再び劣化が生じた場合には交換した方が良いだろう。
グリス痕は#4000でも歯が立たず#2400まで番手を落とした。
海側だけの研磨に10分を要するほど苦戦している。


約20分を掛けて状態を上げた導電板。

山側は海側より更に状態が悪かった。
先にラプロス#2400でグリス痕を除去し後の研磨を楽にさせる。
この作戦は当たり海側とほぼ同時間で研磨を完了した。
グリーンマックス製導電板の整備はグリス痕除去から開始した方が効率が高いと思われる。
研磨の際に敷いた白色ウレタン台座が黒色に変わるほど大量の磨き粉が導電板にも付着してしまった。
磨き上げた後にクリーナーでの清掃を行っている。


台枠集電板スリット部の変色が著しい台車集電板(成田寄)。

台車集電板は導電板よりも厄介である。
凸形の導電板接触部はグリスで覆われており研磨がし難い。
先ずクリーナープールに浸けグリス除去を行おうとした。
しかし全く機能せず無駄骨に終わった。
ラプロス#4000では時間ばかりが過ぎていくため最初から#2400を持ち出している。
かなり擦過痕が目立つ仕上がりになったが入場前よりはましになったと思う。


整備を終えたFS-329C非動力台車(上野寄)。

導電板に塗布されたグリスは台車集電板を伝わり台枠まで達する。
特に台枠センターピン部は表裏ともグリスが付着していた。
クリーナーを浸した極細綿棒でセンターピン内部と集電板スリット部のグリス残滓を大まかに除去した。
更に爪楊枝をクロスで包み完全脱脂へ至っている。


グリスを除去した台枠センターピン部内側(成田寄)。

既に作業開始から50分が経過していた。
ようやく台枠の清掃を終えTR-180床板を組み立てる。
時間を掛けた分の効果は台枠裏面から確認できた。
集電板スリット部から覗く導電板は真鍮色へ戻り台枠へ反射するまでに回復している。


整備後の台枠センターピン部裏面(上野寄)。

車体関連の整備項目は無く車体と床板を嵌合させた。
3170F-3は走行中にジョイント部で前尾灯がちらつく事例が多発していた。
点灯試験では静態,動態に関係無く安定した点灯を保った。
酸化やグリス付着の影響かは不明だが通電効率の向上は間違いないと思われる。


モハ3170 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:前照灯(通電系統整備施工)。


モハ3170 点灯試験[A35 特急 NARITA AIRPORT 成田空港]:尾灯(通電系統整備施工)。

通電系統整備工程は約90分に達した。
スケールスピードでは前尾灯のちらつきが生じなくなった。
気になっていた現象であり解消に至った事実は収穫である。
一応の答を得てモハ3170が竣工した。

ただ所要時間の割に手応えは薄い。
当たり前の状態に戻っただけと言え止むを得ないとは思う。
もう少し早く手を着けていれば違う展開になっていただろう。

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