試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3192[3194F-1] 現行色 前期仕様 動力ユニット更新 (DD-180動力台車枠転用,TNカプラーSP擬廃止)

2018-03-16 22:02:07 | 京成線:3150形
一気。

グリーンマックス製京成3150形3194F現行色前期仕様(3194F-1)はモハ3194の床下操作式ライトスイッチ化を終えた。
モハ3191の台車集電板及び導電板研磨も完了している。
3工程の進行が実現できる編成に急浮上し2個モーター搭載動力ユニット(DD-180)を履くモハ3192の動力ユニット更新を決断した。


京成3150形モハ3192 現行色 前期仕様(3194F-1:動力ユニット搭載車)。

3150形は在籍する7編成のうち3編成が動力ユニット更新済である。
モハ3172現行色前期仕様(3174F-2)ではFS-329C非動力台車枠の手配が出来なかった。
DD-180用KS-116動力台車枠での試作を経てDD-180用FS-329C動力台車枠のコアレスモーター用台車枠化に成功した。
サックスブルー成形KS-116非動力台車には3162F現行色晩年仕様(3162F-5)から捻出された予備品がある。
しかし用途を失うDD-180用KS-116動力台車は動力ユニット更新が進行すると予備品にもならなくなる。
敢えてKS-116非動力台車は予備品として残しモハ3192のDD-180用KS-116動力台車をKS-116動力台車枠へ転用する。


入工中のモハ3192。

コアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP対応化は動力ユニット更新時の標準工程である。
既に多数の動力ユニット更新車を竣工させており先ずDD-180用KS-116動力台車枠の細工から開始した。
現在モハ3156新赤電色(3158F-3)が装着しているKS-116付コアレスモーター搭載動力ユニットは前途の試作品を活用している。
当時の作業工程を参照しながらコアレスモーター用動力台車枠化を進めることにした。


役目を終えるKS-116旧動力台車(上野寄)。

DD-180用動力台車枠の転用は3150形用KS-116,FS-329C,3400形用FS-383,3700形用FS-547(047)の各台車で採用した。
何れも基本的な成形は同一だった。
そのためDD-180用動力台車の構造は抑えられている。
手早くDD-180動力ユニットの分解を終え動力台車枠側梁の切り出しに入った。


分割されたDD-180用KS-116動力台車枠(成田寄)。

モハ3192のDD-180用KS-116動力台車はTNカプラーSP擬対応のため腐心した箇所が多かった。
多少複雑な心境に陥ったが新たな役割を担わせると考えニッパーを入れる。
所要箇所は側梁だけでロアフレームは破棄した。
集電板やギア等はDD-180動力ユニット搭載車が更新を終えるまでの予備品に廻している。


コアレスモーター用動力台車枠化された元DD-180用KS-116動力台車枠(上野寄)。

側梁にはロアフレームとの成形部痕がリブ状に残る。
従来の動力台車枠化ではペーパーで平滑化していた。
この方法では不要な箇所までペーパーが当たってしまうためクラフトナイフの先端で切除した。
表面は完全に平滑化せず動力台車枠取付台座との接触部を稼ぎ接着固定時の補助的役割を持たせた。
ピボット式集電板軸受新設はΦ1.5mmのドリルを踏襲している。
更なる小径化は可能だが加工誤差を吸収させるためDD-180用KS-116動力台車での試作品以来変更していない。


KS-116動力台車枠取付に入るコアレスモーター搭載動力ユニット。

コアレスモーター搭載動力ユニットはTNカプラーSP対応化を図る。
ロアフレームのカプラーポケットを切断し嵌合爪上部を切り詰めた。
3150形では輪心黒色化が標準工程に含まれる。
DD-180動力ユニットでは施工を見送っていたが動力ユニット更新を機に非動力車と統一する。
輪心は極細字のマッキーで塗り潰した。
コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車の構造により目立つ導電板外側の一部も黒色化している。


TNカプラーSP対応化が完了したコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車(成田寄)。

動力ユニットから動力台車を撤去しKS-116動力台車枠を貼り付ける。
3700形3706現行仕様(1次車:3708F-2)から台枠固定方法を変更した。
それまでの動力台車枠取付台座を中心とする3点支持からピボット軸受を主にした3点支持に切り替えている。
3706はS形ミンデン式FS-547(047)の台枠形状都合により固定安定度を高める狙いがあった。
その後の経過は非常に良好で接着強度の不安が軽減された。
よって3点支持式をモハ3192から本格採用する。
動力台車枠に新設したピボット軸受部をゴム系接着剤で埋める。
側梁,動力台車とも動力台車枠取付台座部へ接着剤を塗布した後に時間を置いてから接着した。
この間を設けた事で側梁の固着は速まった。


完成したコアレスモーター搭載動力ユニット用KS-116動力台車(上野寄)。

側梁取付位置は下揺枕から動力台車枠取付台座が僅かに覗かせる程度である。
コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車はTNカプラーSP対応化済で旋回半径に支障はない。
事情が異なったのはTNカプラーSPを装着するスペーサーだった。
外れ易い上に装着感が薄く台枠との嵌合部を内側へ絞り込む対策を行っている。
3400形3428F現行仕様(3428F)の脱線では嵌合の緩さが幸いし全車転覆を防いでくれた。
しかし3425(3428F)の更新に用いたコアレスモーター搭載動力ユニットよりも嵌合が甘かった。
どの程度スペーサーが捻り剛性を持つか判らない。
TNカプラーSP装着とKS-116動力台車化を終えた動力ユニットだが不慮の事故に遭わないと願うしかない。


側面窓セル固定化と床下機器部品を撤去したモハ3192。

動力ユニット更新車の弱点はDD-180動力ユニット装着時に比べ分解の手間を要する事だった。
応急的に行った側面窓セルの固定化は一応の結果を得られた。
現在は標準装備のコアレスモーター搭載動力ユニット搭載車を含め浸透している。
新たにコアレスモーター搭載動力ユニット搭載車となるモハ3192も側面窓セルをゴム系接着剤で固定した。
そして最終工程となる床下機器部品移設に入る。
モハ3192は1stLOT品だったためか横方向に傾けるだけで容易に撤去が行えた。
入場前の時点で一部に下垂が生じる程だった代わりに接着剤残滓除去の手間は掛からなかった。


幅を変更したスペーサー。

動力ユニット更新では床下機器部品の流用を原則にしている。
DD-180動力ユニットでは最低地上高が変わるためスペーサーを追設する必要がある。
加えてコアレスモーター搭載動力ユニットのモーターカバー部に生じる空間も曲者で位置調整に手間取っていた。
床下機器配置は非動力車に準ずる。
大凡の張り出し幅は把握できる段階にあった。
モハ3192ではスペーサーを広幅化し床下機器部品の位置調整の軽減化を試行した。
枕木方向の床下機器位置はTR-180床板装着車を基準にしている。
床下機器外側は車体側板内側とほぼ重なる。
コアレスモーター搭載動力ユニットの床下部品取付部内側と車体側板内側の間隔は3mm弱だった。
正確な採寸が行えず現物合わせを要したが広幅スペーサーが出来上がった。
広幅スペーサーを床下機器部品に溶着しコアレスモーター搭載動力ユニットへゴム系接着剤で固定する。


位置調整が不要になった床下機器部品取付。

床下機器部品のスペーサーはモーターカバー寄に張り出させた。
線路方向の取付位置はコアレスモーター搭載動力ユニットの部品嵌合口に揃える。
このまま車体と動力ユニットを嵌合させると張り出したスペーサーにより枕木方向の位置が一度で決まった。
スペーサーが広幅化されたことで床下機器部品取付部との接着面積も広がった。
従来は内側に倒れやすかった床下機器部品は垂直を保つ。
モーターカバーとの空間に起因する固着までの傾斜は広幅スペーサーで補えたらしい。
仕様変更1両目であり微量の流し込み接着剤を併用している。
将来的にはゴム系接着剤単独固定でも十分な強度を得られるかもしれない。


動力ユニット更新車で揃うモハ3172,モハ3192 (3172F-2,3194F-1:現行色前期仕様)。

後はKS-116動力台車枠の微調整を行うだけとなる。
コアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車向けに取付脚を新設する方法もある。
ただ位置を誤ると修正出来ない。
固着が進行しても融通が利く接着式は今後も踏襲すると思う。
モハ3192は動力ユニット更新を終えモハ3172の性能に追い付いた。
2+4編成組成時にはコアレスモーター搭載動力ユニット化の効果に期待が持てる。
床下機器の配色に違いのある3194F-1,3174F-2だが混色編成同士での離合時は余り気にならないだろう。




モハ3192(動力ユニット更新:DD-180用KS-116動力台車枠転用,輪心黒色化施工)。


モハ3172現行色前期仕様(3174F-2:動力ユニット更新車)。

KS-116動力台車枠の平行を整えモハ3192(3194F-1)が竣工した。
動力ユニット更新と同時にTNカプラーSP擬が廃止された。
モハ3192に装着していたTNカプラーSP擬はマウント嵌合部の剛性を高めた第二世代である。
剛性は低下しておらずまだ使用に耐えられる状態だった。
しかし黒色カプラーでは転用先が無い。
今後はSPフレームTNダミーカプラー向けの保管品として出番を待つことになる。


モハ3192+モハ3191 (3194F-1:動力ユニット更新車+非動力車)。

コアレスモーター搭載動力ユニット化による車体高上昇はモハ3192でも変わらない。
モハ3193,モハ3191各々の連結部は全高差が生じるようになった。
動力ユニット更新車の共通症状で事前予想通りと言える。
しかし新性能化の利点がこれを上回る。
3182F新赤電色(3182F-1)との2+4編成(3182F-2)組成時には強力な味方になるだろう。

床板操作式ライトスイッチ化試作車がモハ3194だったためKS-116動力台車を履くモハ3192が動力ユニット更新対象となった。
モハ3182(3182F-1)を試作車に起用していればFS-329C動力台車を装着するモハ3180が入場していたはずである。
何れの台車も側梁取付位置は同一で3150形の動力ユニット更新は順調に進められると予想している。
但し3154F千葉急行色(3154F-2)はサックスブルー成形KS-116台車をダークグレーで塗装しており更新は最後に廻す予定である。
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