クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

中部一水会展の素晴らしい作品群。一枚一枚の空気に触れるのは楽しいことです

2014年04月28日 13時40分11秒 | 美術展
中部一水会展を先週の水曜日4月23日に愛知県美術館ギャラリーで観てきました。
いつものようにどの絵画にも画家の気持ちが強く押し籠められ、一枚一枚の空気に触れるのは楽しいことです。
素晴らしい作品群の中から、私が好きなのは。

原良雄さんの 「 干戈 ( かんか ) 」 。
シンプルな構図で描かれた2艘の舟とロープと水面に刺さる幾本もの竿。
夕陽が注いでいるのでしょうか、赤っぽい空。
奥には堤防が真横に走り、手前の入り江に浮かぶ舟から流れる静かな時の様が素敵です。

松下嵩さんの 「 散策 」 。
麦わら帽子を右手に持った若い女性が背筋をぴんと伸ばして草むらを歩いています。
カメラの広角レンズでローアングルでとらえたような画面の遠近感。
後方右に見える大きな樹木をも従えるような女性の表情が発散する明るい陽射しに、心がゆったりと歩き始めます。

新美淑子さんの 「 華 ( 作品A ) 」 。
画面中央に大きく広がる幾つもの真っ赤な薔薇の花びらが作りだす塊。
小さな花瓶が束ねる赤い花の塊は、瑞々しい生命力でどこまでも前後左右に、幾重にも広がっていきます。
左後方部の青い背景には控え目な黄色い花があり、手間に描かれたビンのシルエットと共に、赤い花が発する空気を調和させてます。

外山順子さんの 「 春の音色 」 。
斜め下を見つめる和服姿の女性と、その横には一心にシャボン玉を吹く少年が描かれています。
女性と少年はたおやかな人形。
淡いピンクとカーキ色をベースにした空間には、黒いピアノに象徴されるようにぎゅっとつまった濃密な時間が少しずつ流れ出てくるようです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 長屋正利さんの 「 伊勢型紙 ... | トップ | 第73回水彩連盟展に次から... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術展」カテゴリの最新記事