クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

いなむられいこさんが描く女の子には、二重三重に幸せな時が思い起こされる

2015年05月30日 12時05分33秒 | 美術展
大規模な作品展ですね。
「第89回国展」は愛知県美術館8階のAからIまでの展示室にびっしりと作品が並んでいます。

最初の部屋には、見たところ100号が2枚と50号2枚を連ねた絵が飾ってあります。
合わせて300号というのでしょうか。

さてさて、160枚の力作が並ぶ絵画部の作品の中で、私の一推しは。
いなむられいこさんの「ハハトコ(コロモガエ)」です。

画面の多くを占める正面向いた女の子の顔がいいですね。
画面には描かれていないお母さんの両手が、女の子のセーターでしょうか、とっくり首の服をぎゅっと上に引っ張っています。
服の小さな丸い首が、女の子の目を通り過ぎておでこの辺りを更に上に行こうとしています。
今まさに、この服の匂いとお母さんの優しい言葉が、女の子の鼻と耳をを占有していることでしょう。

ところでよく見ると、女の子の顔がお母さんにも見えてくるから不思議な感覚に陥ります。
そうすると、服を引っ張っているのは女の子。
でも、確かに描かれた女の子の両足は、小さな女の子の形をしているし。

うんうん、そうか、お母さんが子供の頃に戻って、自分の母親にこうやって服をぎゅっと上に引っ張ってもらったのを思い起こしているところなのかな......。

いろんな幸せな時が思い起こされ、二重三重に優しい気分に浸ってきました。
いなむらさん、ありがとうございます。

「第89回国展」は、愛知県美術館ギャラリーで31日(日)まで開催中です。

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