パールライスのつれづれなるままに

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皇室の彩 at 東京藝術大学

2017年11月05日 | アート・文化
「東京藝術大学創立130周年記念特別展」と銘打つだけのことはあります。
近代日本美術の逸品が勢ぞろい。しかもほとんどが未公開。

大正から昭和最初期の頃にかけて、皇室の方々の御成婚や御即位などの御祝いのために、当代選りすぐりの美術工芸家たちが自らの技術の粋を究めた献上品を制作しました。
その当時のベテランから新人まで。安田靫彦は当時30代ですから。
リキ入っているなぁ、と素人目にも分かります。滅私奉公とはこのことかと。
皇室の所有物ですから、我々庶民が目に触れる機会が無かった「幻の逸品」たちと言っても過言ではないでしょう。


高村光雲「松樹鷹置物」玄関に飾られたそうです。


上村松園「雛祭」後ろを振り向く姿。こういう構図は初めて見ました。


横山大観の「日出処日本」霊峰富士をよく描いていますが、赤い朝日と共に描いた富士山は初めて見ました。デカいんですよ。6×3mはあるのではないかな?気合入ってますね。


大正十三年、皇太子(のちの昭和天皇)御成婚奉祝のための献上品。
1)桂春光「彫金 兎」香淳皇后がうさぎ年生まれのため、献上された品。


2)島田佳矣ほか「奉祝御成婚花電車絵図」 御成婚を祝し、花電車10両が東京市を走ったそうです。その10両分のデザインは、藝大が担当。
 

3)「御飾棚 鶴桐文様蒔絵」これはポストカードがありませんでした。これがクライマックス。


とにかく全てが一級品。今となっては制作できないべっ甲や象牙による工芸品等、一つとして見過ごせないものばかりです。
展示は地下一階の1フロアのみの展示ですが、内容が濃すぎます。2時間はいました。

東京都美術館の「ゴッホ展」はまだ見ていませんが、今のところ、今秋のベスト1企画展示です。私としては。
さすがは藝大。企画展示が他の美術館とは一味違います。