パールライスのつれづれなるままに

日常のちょっと気になった事を気ままに書くブログ
最近は、美術鑑賞・ガジェット紹介が中心です。

キスリング展 エコール・ド・パリの夢 at 東京都庭園美術館

2019年05月29日 | アート・文化
エコール・ド・パリを代表する画家、キスリング。
1920~30年代のパリで「モンパルナスのプリンス」と呼ばれ、多くの画家たちと親交のあった(藤田嗣治もそのひとり)彼の総括とも言うべき展示です。人気があるのに、なかなか個展が開かれなかった(12年ぶりとか)キスリング。


見た感想は「エヴァンゲリオンだなァ」です。
SFファンからすると、「エヴァンゲリオンは、SFの良いとこ取りをした寄せ集め的な作品。しかし、オリジナル作品として仕上がっている。素晴らしい構成力だ。」と言う感想です。
何処をどうパクっているのかは、割愛。
一つ言うならば、「人類補完計画」はこの小説から。


キスリングも画家達から良いとこ取りをした作品に見えるのです。しかし、キスリングのオリジナリティは感じられます。

例えば、
肖像画はマリー・ローランサン、モディリアーニ。
 
花の絵は、ルドン、ブリューゲル。
 
花の絵の絵の具の盛り上がりは、ギュスターヴ・モロー。

人物のパースは、アンリ・ルソー。

彩色は、フォービズム、ゴーギャン。
 
裸婦は、ドミニク・アングルのオダリスク。

全ての基礎はセザンヌ。

と感じます。
それでも、キスリング独特の世界観であり、人気があることに疑問はありません。

ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 at そごう美術館

2019年05月27日 | アート・文化
「アール・ヌーボー」と言う絵画のジャンルがあります。
それは、草木を単純化・幾何学化した絵(デザイン)で、アルフォンス・ミュシャの絵で有名です。
 

「アール・ヌーボー」の先駆けが、ヴィクトリア朝イギリスで起きた「アーツ・アンド・クラフツ運動」です。その代表者がウィリアム・モリス。
そのモリスの作品を中心に英国製の壁紙を展示したものです。


壁紙が普及した理由の一つに産業革命があるとか。室内を電灯で明るく灯せるようになってから、だそうです。
「アーツ・アンド・クラフツ運動」は、大量生産により粗悪品が濫造されたことに対する反対運動(職人技を尊重する)だったわけですが、産業革命のおかげで普及したと。

ここでも重要な要素が「ジャポニズム」です。
19世紀末から20世紀に初めにかけて、いかに日本が西洋美術に影響を与えていたのか?
着物の型紙ですね。繰り返しの模様は、琳派の原型とも言えます。
 

そしてゴージャスな「金唐革紙」日本人の職人を雇い入れて、イギリスの工場で作らせたそうです。
 

展示について言うと、「ウィリアム・モリスと他の作家との違いが分からない(笑)」
同じ絵柄が続くのに、横浜マダムは熱心にご覧になっていました。つか、会場はお姉さま方ばかり。
なぜ、お姉さま方は壁紙が好きなのか?
オジサンには分からない。

アートになった猫たち展 at 千代田区立日比谷図書文化館

2019年05月25日 | アート・文化
猫ブームです。
猫は江戸時代から人気がありました。
メディア(浮世絵)に登場したのは、愛猫家でもあった絵師、歌川国芳から。
江戸時代から現代まで、様々な形態(人間になったり、化け猫になったり)に変化したバラエティに富む猫百景を見ることができます。
絵画のほかに本の装丁、人形等、猫好きにはたまりません。


トム・サックス ティーセレモニー at 東京オペラシティ

2019年05月22日 | アート・文化
ガラクタを寄せ集めてオブジェを作る人?ユーモアがあり、見ていて楽しいです。オレンジ色を多用するのがミソ?
現代アートには疎いので、この人がどれほどの人気があるのか?何も知らずにポスターを見て直感で行ってしまいました。


日本の文化に深い造詣を持つトム・サックスが茶の湯を再解釈してみた、と言うのがテーマです。我々には親しみやすいです。

しかし、展示数は少ないです。この動画に登場するものでほとんど網羅しています。
コスパ悪いなァ、と思いますが、オペラシティの常設展示は素晴らしいので(近年の日本画家と若手作家の最新作)、それと抱き合わせで良しとしましょう。(笑)

印象派への旅 at Bunkamuraザ・ミュージアム

2019年05月18日 | アート・文化
産業革命期にスコットランドのグラスゴーにて海運業により莫大な財を築いたウィリアム・バレル。洋の東西を問わない膨大なコレクションは、1944年にグラスゴー市に寄贈され、1983年には美術館「バレル・コレクション」の設立となります。
寄贈する条件が「イギリス国外に持ち出さない事」でしたが、当館の改修工事により、日本での公開が可能となりました。


門外不出の貴重なコレクション。今回は「印象派への旅」の題名通り、印象派直前の絵を中心とした展示会です。
一部、同じグラスゴー市内にあるケルヴィングローヴ美術博物館所蔵のルノワールやゴッホ等の作品もあります。

印象派始まる前、バルビゾン派が台頭しました。バルビゾン派を代表する画家、ドービニーが現在、損保ジャパン日本興亜美術館で企画展示されています。ドービニーもこの展示会には数点出展しています。見比べてみるのも良いかもしれません。


写真が発明されて写実主義が意味をなさなくたった当時、印象派の前にどんなタイプの絵画が好まれていたのか?しかもイギリスで。と言う部分で興味深かったです。

個人的に一番興味を持ったのが、 ポール・セザンヌの「倒れた果物かご」
キュビスムが始まるきっかけとなったセザンヌの画風が確立する前の絵だそうで、「ああ、ここから始まるのかぁ。」とチト感動しました。


印象派の作品は少ないので、心づもりはそれなりに。「第3章 川から港、そして外洋へ」のコーナーは撮影可です。