付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「夏・風・ライダー」 高千穂遥

2009-10-05 | スポーツ・武道
「四時間耐久は、ノービスライダーの年に一回のお祭りだったんだ」

 もののはずみからバイク好きな老若男女が二輪ロードレース・チームを結成することとなった。時を同じくして隣り町にもチームが誕生。この2つのチームの名は“チーム・ノブ”と“尾高レーシング”。
 市販のバイクをレース用にチューンしていくだけといっても、金はかかるし、ライダーだって優秀な者を集めたい。中心メンバーが互いに嫌いあっていることもあり、2つのチームは常にライバルとなっていく。めざすは鈴鹿4時間耐久レース……。

 ただバイクが好きで集まった仲間たちがふとしたきっかけから本格的なレースに挑戦することとなり、同じようなグループと競い合いながら鈴鹿4時間耐久レースに挑むという熱血バイクレース小説。世界に通用する天才的なレーサーやメカニックの話ではなく、等身大のどこにでも居そうなバイク好きな商店主や女子大生たちの物語。
 今でこそ自転車派として知られる著者ですが、1980年頃はバイク派として有名で、1983年には自分の周囲のバイク好きな人間の日常をスケッチした『だからバイク大好き!~バイクは男の格闘技』なんて本を出していたのですが、その内容をネタにフィクションとして昇華させたのが『夏・風・ライダー』。なんというか、自分がすごく愉しくて、それが勢い余って書いてしまいました!というのが伝わってくるようで、すごく好きでした。もしかしたら『クラッシャー・ジョウ』や『ダーティー・ペア』や『美獣』や『魔道神話』より好きかも知れません。

【夏・風・ライダー】【高千穂遥】【鈴鹿4時間耐久】【SS400】【CBX】【恐ろしいツーリング】【ヨシナガ】【オクワキ】【1982年夏】
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「お釈迦様もみてる/ウェット or ドライ」 今野緒雪 03

2009-10-05 | 学園小説(不思議や超科学なし)
『ラジオ体操がはっじまーるよー』

 肩を壊して好きだった野球の道を絶たれ、男子校に入学することになった福沢祐麒もいつの間にか生徒会の下働きとしてこき使われる日々。
 初めての夏休みに下働き仲間の1年生4人で合宿することになったのだが……。

 男子校の物語も3冊目ともなると恐ろしいもので、慣れちゃいましたね。あの「光の君」とか「アンドレ先輩」とか呼び合う光景に……ああまだ字で書くには慣れないな。背筋が……。
 いろいろあるのが人生。望まない回り道であっても悪いことばかりではないのだけれど、それが分からず焦ってしまうのが高校生です。今回は夏休み編。いきおいで集まったような4人の1年生が時にはぶつかり合いながら互いのポジションを確認し、本当に互いを理解し合っていく時期です。禍福はあざなえる縄のごとし。
 さて、今回はやたらアリスが挿絵に登場します。アニメ版のデザインよりこっちの方が好き。緒方さんちの妹さんにも似ている気がしますが。

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