「お父さん、男だとか女だとか、大人だとか子供だとか、もう関係ないんだよ。修行して、ダンジョンに潜り、稼いで、修行し、ダンジョンに潜り……その時に備える。それを怠った奴は簡単に大切な物を失う、そんな時代になるんだよ。だから、わかってお父さん」
可愛いロリッ娘だった羊谷命子は、女子校に通いながらダンジョン探索の修行をすると父親に宣言した。
『ふぉおおおお、みんなー! 地球さんはレベルアップしました!』
ある日、世界中の生き物に不思議な声が語りかけてきた。
地球が星としての位階が上がり、いろんなことができるようになったというのだ。今まであたりまえの物理法則しか働かず、あたりまえの事象しか起こらなかったのは地球のレベルが低かったから。
レベルアップした地球さんは新たな理を世界にもたらした。とりあえず、核兵器の類いはとりあえず土に還し、世界にマナを放出して生物のさらなる多様化を促進し、そのための装置としてダンジョンを生み出した。これで他の星と肩を並べられるところまで来たと、地球さんはなんか嬉しそう。
地球さんは生き物を区別しない。人も犬や猫も野生の生き物も同じように見守り、同じように試練を与える。みんなを強い生命体にするためだから、魔物も生み出すし、試練も与える。死ぬかも知れないけど頑張ってねと……。
それまでスポーツとか得意ではなかった少女が、世界改変と同時に転落したダンジョンから生還し、より強くなろう、強くなってみんなを護ろうと「修行だ」と頑張る話。そして、自己流で修行を始めた彼女らに、最初に声をかけた大人が最初に教えたのは、身を守ることと逃げること。まさに良きジュブナイル百合小説です。
カルマシステムと主人公が女子高生だからほのぼのとした雰囲気の話になっていますが、よく考えたら油断すれば簡単に死ぬ世界の誕生。地球さん、けっこうシビアです。現代ダンジョンものだと、死の危険があっても遊び半分な冒険者が主人公の身内だったりして、ふざけるなって思いますけど、この話はそういう点で真摯です。
あえていうと、戦闘シーンのイラストが美少女のポーズメインで、敵モンスターがほとんどシルエットでワンカットだけというあたりが不満かな。八岐大蛇戦が終了後のポーズだけとは思いませんでしたよ。
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