付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「女子高生の放課後」 井上かえる

2021-10-31 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「私はもう失敗しない」

 元の学校ではちょっとした行き違いから苛めを受けるようになっていた及川めざしは、父親の転勤を機会に過去のすべてを投げ捨てて関西の学校へと転校した。
 もともと内気で、苛めで拍車がかかっていためざしだったが、そんな彼女をぐいぐい引っ張ろうとするクラスメイトがいた……。

 4人の女子高生による放課後つり日誌。ひとこといえば「苛めは犯罪」です。
 かしましい3人の釣り好き少女たちと、自分の気持ちを表に出すことのできない少女の物語。もちろん悪ふざけはほどほどにしないといけないのだ。勢いばかりの女子高生だとそういうこともあろう。
 しかし、読んでいて釣りの楽しさより苛めの痛さに思いをはせてしまうので、ここは振り切ってからの続編に期待したいです。

【女子高生の放課後アングラーライフ】【井上かえる】【白身魚】【角川スニーカー文庫】【釣りラノベ】【私たちのアングラな日常】
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「デューン 砂の惑星」 原作:フランク・ハーバート

2021-10-30 | ミリタリーSF・未来戦記
 有力諸侯の筆頭であるレト・アトレイデス公爵が、皇帝より砂漠の惑星アラキスへの転封を命じられた。アラキスは宇宙航行に必須のスパイス「メランジ」の唯一の供給源であり、その管理は膨大な富を約束されていたが、同時に反抗的な原住民勢力や過酷な環境によって統治が極めて難しい星でもあった。
 アトレイデス公爵はこの仕置きに皇帝の陰謀を察知していた。デューンの前統治者であるハルコンネン男爵との軋轢を生み出し、争わせることで両者を疲弊させようというのだ。しかし、ハルコンネン男爵側もそれを理解しており、この機会を利用して公爵家を滅ぼさんと陰謀を画策していた……。

 『デューン』は日本では古いSFファンのバイブル程度だけれど欧米では何作も映像化が試みられていて、『スターウォーズ』の製作の際にもあれこれインスパイアされている、そっちのジャンルではメジャータイトル。日本でいうと『銀河英雄伝説』あたりに位置するのかな?
 とりあえず二部構成の1作目ということで、作品を見終えてテーマ曲を口ずさみながら帰路につく……というような爽快感はなく、ただただ砂の世界とそこに生きる人々の生き様、生き馬の目を抜く銀河帝国内部の権力闘争にズーンと打ちのめされて、ただ「早く続きを!」という飢餓感に駆られての家路でした。
 同行の家族には一様に好評。けれど、「この重要な設定については、このシーンの台詞と描写でサッと説明するから、あとは察しろ」みたいな構成が日本の一般的な観客に受けるのかなあと不安がってました。代表的なのは、銀河系をまたにかけた文明なのに戦争が剣と格闘でけりがつくのはなぜ?というあたり。あれは、個人シールドが普及しちゃって、銃弾なんかの高速の物理攻撃は弾くし、ビームを使うと誘爆して敵も味方も吹き飛ぶので……という設定を映像だけで説明するんですよね。見て、主人公がなにをしているか理解した上で分かれと。
 あと、すぐ間違えるのだけれど「デューン」って星の名前じゃないんだよね。星の名はアラキス。英語で砂丘の意味だから、直訳すれば砂球というあたりかな。地球が水の星ならアラキスは砂の星なのだ。

 主人公のポール・アトレイデスを演じたティモシー・シャラメがかつてのイタリア映画を彷彿とさせる美男子で妻は喜んでいたけれど、剣士ダンカンが『アクアマン』のジェイソン・モモアで、男爵の甥のラッバーンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のデイヴ・バウティスタで、フレメンの謎の少女チャニが『スパイダーマン』のゼンデイヤでと脇を固める役者がなんとなく見たことある個性派ぞろいなので、なんとなく『マイティ・ソー』のトム・ヒドルストンの若い頃に見えてきてしまって困りました……。

【デューン 砂の惑星】【ドゥニ・ヴィルヌーヴ】【ワーナー・ブラザース】【レジェンダリー・ピクチャーズ】【ティモシー・シャラメ】【レベッカ・ファーガソン】【オスカー・アイザック】【スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン】【チャン・チェン】【ジョシュ・ブローリン】【ジェイソン・モモア】【ゼンデイヤ】【ステラン・スカルスガルド】【デイヴ・バウティスタ】【ハビエル・バルデム】【シャロン・ダンカン=ブルースター】
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「小説ハレンチ学園1」 永井豪

2021-10-29 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 少年ジャンプ史上で物議を醸し、PTAに悪書として吊し上げられた、エログロナンセンスエログロマンガ『ハレンチ学園』。開き直って世界中のハレンチ学園とPTA連合が血を血で洗う死闘を繰り広げた「ハレンチ大戦争」編で、アユちゃんからイキドマリまでレギュラーキャラを殺しまくった果てにヒロイン柳生十兵衛を生死不明で終わらせちゃいますが、それから15年ほど経って小説版で永井豪自ら文を書き、挿絵を描いての出版です。
 よりにもよってコバルト文庫で……。

「コバルトの読者に女性が多いことを考慮し、ヒロイン十兵衛の目を通して描くことになりました」
……って、ぜんぜん解決になってませんが、内容的にはおとなしめ。

 イラストはマンガ版のデザインままだけれど、ヒゲゴジラは「汚いヒゲ」「ヨレヨレつぎはぎのシャツ」「胸もとからは胸毛がもじゃもじゃはみ出し」という描写だし、マカロニ先生は「大きな帽子を目深にかぶって」「ズボンはジーンズで、上着もたぶんジーンズのジャケット」。ぜんぜん違うよ!? 文章だけ普通の学園ものっぽくしても無駄だって。リアリティ・ラインを右往左往。
 巻末の既刊案内を見ているとラインナップが『ベルサイユのばら』『さらば宇宙戦艦ヤマト』『火の鳥2772』『六神合体ゴッドマーズ』『宇宙戦士バルディオス』『ルパン三世 カリオストロの城』と「読むアニメの本」を展開していた時期。青春小説のレーベルが愛と性の告白体験に流れ、そこからロマンチックSFやらアニメのノベライズが主流になる中で、氷室冴子と新井素子が頭角を現し始めてきてます。なんとなく少女路線で続いてはいるけれど、毛色が変わってきている中でのあだ花。このあたりから氷室・新井の二大巨頭に続けと作家が頑張りだし、翌年には『丘の家のミッキー』とか『スターライト★だんでぃ』などが登場します。

【小説ハレンチ学園1】【永井豪】【集英社コバルトシリーズ】【服装検査】【スケバン】【お花見】【団達彦】
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「お楽しみはこれもなのじゃ」 みなもと太郎

2021-10-28 | エッセー・人文・科学
「毎月、4人平均のマンガ家さんに、俎上にのせることへのおことわりとお詫びの電話を編集部で代行しながら、連載を続けてくれた」
 パロディのつもりが意外にもまじめな漫画評論としてウケてしまい、やめられないまま続いてしまったそうだ。

 1976年9月から79年8月まで朝日ソノラマの「マンガ少年」に連載していたエッセイの総まとめ。まえがきにも書いてあるけれど、和田誠が「キネマ旬報」に連載していた、映画の名セリフ、名シーンをシンプルな絵柄で再現し、それをベースに映画の評論と紹介をするという「映画の名セリフ--お楽しみはこれからだ」をパロディにしたもの。それだけに原典と同じくらいに、ほぼ戦後まんが史の総覧です。
 というか、少年まんが、少女マンガ、劇画からナンセンス漫画まで、みなもと先生の読書幅の広さをあらためて知るラインナップ。ちばてつやとサトウサンペイと黒鉄ヒロシと土田よしことコンタローと萩尾望都とつげ義春とうしおそうじとみつはしちかこと弓月光が並ぶんだもの。ネットの記事やインタビューを読んでいても、亡くなる直前まで最新作をフォローしてた様子が伺えます。
 死ぬまでインプットし続けるって、タイヘンだけれど大事です。

 これを読んでいて、その紹介の面白さについ、伊丹理央の『恋のバード♡ フィーバー』が読みたくなったのだけれどさすがに持っておらず、ネットで検索したらかろうじて1件、国会図書館の書誌情報で掲載誌の「別冊少女フレンド」1978年9月号を見つけたけれど、オンライン閲覧はできませんでした。
 まだ、掲載マンガがすべてコミック化される時代じゃなかったのだ。

【お楽しみはこれもなのじゃ~マンガの名セリフ】【みなもと太郎】【角川書店】
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「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>2」 監督:高橋敦史

2021-10-27 | 怪獣小説・怪獣映画
「この作品はコメディなので、気軽に楽しく観ていただきたいです」
 円城塔から購入者へのメッセージ。

 東京湾に侵入するマンダの群を追ってゴジラが東京に上陸した。時を前後して世界各地にラドンの群が出現して紅塵をまき散らし、空も海も陸も交通は分断されてしまう。
 その混乱の中、神野銘はリー博士に連れられてロンドン郊外へと向かっていた。そこに収蔵されている葦原博士の資料を閲覧するためなのだが……。

 オーディオコメンタリーを聞きながらのBlu-ray視聴。もうこの時点で、スタッフはあの設定はいつできたのかとか、あそこの設定はあるのか無いのかとか忘却していること多し。そりゃ記録係が別に必要ですね。
 ひとことでまとめると、「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」(by千代ちゃん)。いろいろアイデアを考えては捨てて、あるいはまとめて改編しての繰り返しでわかんなくなってるんですよね。で、ひとこと「謎のパワーで」とか言い出しちゃうのだ。
 あと、『シン・ゴジラ』以来、自衛隊の「弾は当たって当たり前」という風潮になっているので、そういう演出になってますとのこと。

【ゴジラ S.P<シンギュラポイント>2】【りろんなきすうじ】【じかんのぎもんふ】【まぼろしのすがた】【たおれゆくひとの】【高橋敦史】【東宝】【円城塔】【加藤和恵】【石野聡】【沢田完】【松井五郎】【ボンズ】【オレンジ】【メカゴジラ・ヘッド】【転校してきたジェットジャガー】【これ、映画だったらねえ……】【輪っか】
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「ライトノベル☆めった斬り!」 大森望&三村美衣

2021-10-26 | エッセー・人文・科学
 「ライトノベル」と名付けられて10余年。そろそろ「で、結局、ライトノベルってなによ?」と言われるくらいには知名度が上がったらしく、2004年から2005年にかけて総括するムックや書籍が相次いで刊行されます。
 その中で、翻訳家・書評家の大森望とジュブナイルSF研究家・ライトノベル書評家の三村美衣が、対談形式で時代毎にその傾向や人気作などについて語り、その合間合間にブックガイドでそれぞれの時代の代表作を紹介するもので、「ライトノベル三十年史」と銘打っているのは、1976年の平井和正『超革命的中学生集団』あたりがライトノベル第1号だろうという考察からで、1970年から2000年代あたりまでが対象です。
 この本でのライトノベルの定義は、

1)ティーンエイジャーを主なターゲットにしたエンターテインメントであること
2)ただし、大人が子供に向かって書くのではなく、若い作家が同時代感覚を共有する若い読者に向かって書いていること
3)おたく文化/同人誌文化の強い影響下にあり、会話とキャラクターの比重が高く、カバーや本文にマンガ的なイラストが使われることが多いこと

 なんですが、3番目に注意。マンガ絵は必須条件ではないので、まとめれば「マンガ絵が使われることの多いジュブナイル」というのが近い気がします。なので『銀河英雄伝説』や『少女小説家は死なない』あたりまで入ります。
 ただ、マンガ絵を重視していないかというと、70年代にポケット版のハヤカワSFシリーズを文庫に落としてマンガ家にカバーを書かせたらドカンと売上が伸びた話もしています。藤子不二雄とか松本零士とか。具体的には初版1万5000部が5万部になるくらい。

「ライトノベル文庫スタイルの創始者は(二代目SFマガジン編集長)森さんだと言ってもいいくらい。そのおかげで、SF読者が一気に若返った」

 ただ、現在では作家も読者もそのままスライドしてますから、また違った分析と評価になるでしょうね。

「(ブギーポップ以降)蘊蓄と漢語を多用した、男性的なっていうか、昔の歴史小説っぽい、あるいはミリタリーっぽい文体が出てきた」
 押井守、佐藤大輔、新城カズマ、秋山瑞人……だから中年読者が抵抗なく読める。

 『ロードス島戦記』や『炎の蜃気楼』といったライトノベル代表作だけでなく、今では忘れられてしまったけど面白い名作までをフォロー。「自分たちが面白いとは思えないものをお義理で紹介するのも失礼な話」とセレクトしていったら、約4分の1は、一般的なライトノベルのベストにはまず入らないようなものになってしまったとか。

【ライトノベル☆めった斬り!】【大森望】【三村美衣】【D.K】【太田出版】【対談と書評で読むライトノベル30年史】【今日から使えるライトノベル度採点表付き】【アニメとゲームが“小説”にもたらした変化とは?】【いま本当に読む価値のあるライトノベルは?】【40代でも無理なく読めるのはどれ?】
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★コバルト文庫の変遷 1980-1990

2021-10-25 | 雑談・覚え書き
 そんな大層な論を語るわけじゃないのだけれど、1990年あたりにはパソコン通信ニフティサーブのSFフォーラムで「最近のソノラマ文庫やコバルト文庫みたいに、マンガ・アニメの絵を表紙やイラストに用いた少年少女向けの本をなんと呼ぶか」という議論があり、12月には「ライトノベル」と命名された……という顛末があり、なぜそこで名付けなければいけなかったかという話です。

 

 コバルト文庫の翌年1977年から1985年まで、代表的と思われる作品の表紙をずらりと左から右に並べると「これ、本当に同じレーベル?」と言いたくなります(同月発行のものでもジャンルやイラストの傾向がまったく違う徳間文庫なんてのもありますが)。創刊直後の青春小説・少女小説に告白・体験系が加わり、さらに芸能・アニメ・コミック・SF・ファンタジーとごちゃごちゃに詰め込み始めたところでレーベル独自の作家が育ち始め、1990年頃にはまったく違った様相を呈することになります。

 こちらが1980年刊行のコバルト文庫から8冊選んで並べてみたもの。
 赤川次郎とか占星術から体験告白系までごった混ぜ。立原あゆみのコミックも混じってますが、これも女子の間で大人気で男子には決して回ってきませんでした。



 それでこっちがその10年後の1990年。
 氷室冴子がいて久美沙織がいて前田珠子がいてと、このあたりからがコバルト文庫の黄金時代かな。



 この変わりようには、確かに名前を付けたくなります。
 古来より日本人は、不可解な出来事や原因がわからない未知の恐怖に名前を付けることで形を与えて、いわゆる「妖怪」という既知の概念として落とし込むことで生活に取り入れていったわけですが、同じく「ライトノベル」も突如として変貌した少年少女向け小説の新たな潮流に名前を与えることで「そういうもの」として認識できるようになったわけです。
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「コバルト風雲録」 久美沙織

2021-10-24 | エッセー・人文・科学
「このコに連絡を取ってちょうだい。イケるわ。つかえる感触がする。でも、まず、タテガキに、それに、もうちょっと濃いエンピツで書き直すようにいうのよ」
 「小説ジュニア」編集部の女性編集者のそのひとことで、久美沙織の応募作はボツ箱から救われた……らしい。

 そもそも「ライトノベル」という言葉は「最近のソノラマ文庫やコバルト文庫のように、表紙や本文にマンガ・アニメ的なイラストを多用した少年少女向けレーベル」をどう呼ぼうかという試行錯誤から生まれたもの。そのライトノベル誕生の根幹に位置していたコバルト文庫の盛衰と少女小説の歴史を、最初は読者として、やがて新人作家、看板作家の一枚としての立場から語り尽くした1冊。

 「コバルト文庫全点目録」とか見ていると、創刊当初の数年は少女小説の復刻をメインに展開してます。作家でいうと官能小説御三家とも称された富島健夫とか夫の借金返済のためにジュニア小説を執筆していた時期の直木賞作家・佐藤愛子とかによる、青春小説・少女小説のラインナップです。それが78年に若桜木虔の『宇宙戦艦ヤマト』のノベライズとか横田順弥のSF小説が加わり始めてから試行錯誤の時期に入り始めて、従来の少女小説はそのままに夢枕獏のロマンチック・ファンタジイ『ねこひきのオルオラネ』とか、草鹿宏のノベライズ『ベルサイユのばら』とか、はたまた女子中学生界隈でヒットして男子生徒はアレは何の本だと噂しあったローリングス『総集編 私は13歳』。13歳のイギリス人少女が同級生の男の子と体の関係をもって妊娠して……という話。

 そんなラインナップの変遷から新しい世代のオリジナルの作家が生まれてきて、正統派の少女小説家の後継である氷室冴子と、新しい文体を生み出して星新一が絶賛した新井素子が台頭して一気に爆発します。久美沙織言うところの「巨大新星」であり「まばゆいばかりの夜明け」です。男性読者はだいたいこのあたりから巻き込まれ始めます。
 こうしたコバルト文庫でおっかなびっくりデビューした創生期の一線作家である久美沙織が見聞きした、あれやこれやがほぼ話し言葉で語られているので、なにか講演録かと思ったくらい、毒舌混じりでそこまで言っていいのかの血と汗と涙のエピソードがあふれる証言録。コバルト文庫の歴史というより、そこで生まれ育った久美沙織の一代記で、コバルトを中心にした作家や編集者たちの回想です。

【コバルト風雲録】【久美沙織】【本の雑誌社】【コバルト文庫の全盛期を担った久美沙織の回想録でもあり青春記】【愛の青春一代記】【MOTHER】【小説ドラゴンクエスト】【一次選考】
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★ネコが主役の物語

2021-10-23 | ランキング・カテゴリー
 主にラノベ系を中心に、ネコが活躍する話をリストアップ。児童文学とか一般文芸だと犬が主人公だったり、主人公と犬のペアの物語は多いのですが、こういう話ではネコ派が強い気がします。

『夏への扉』 R・A・ハインライン
 1970年12月。婚約者に裏切られ、仕事も発明も奪い取られてしまった男が30年後に蘇る冷凍睡眠を申し込んだ。再び甦生できる保証もない未来への旅に同行するのは猫のピートだけだったが……。
 ベスト・オブ・SFといって常に上位に来るのがタイムトラベルがテーマでロマンティックSF。タイムパラドックスものだけれど、ネコ小説で、一種の恋愛小説で、「あきらめるな。幸せをつかむためにがんばれ」という話なのだ。2021年に山崎賢人主演により日本で映画化されてます。

『猫に転生したんだけど、飼い主がいないスキにVRMMOやる』 天野緋真
 黒川北斗は声優だったが、今はとある女優に飼われている。はっきりいえば死んでしまって、オスの猫に転成したのだ。そして今はナナホシと呼ばれている。
 ちょっと頭の良いネコとして知られているナナホシだが、VRゲームの中ではネコの姿であっても他のプレイヤーと意思疎通できる。そんなわけでご主人様の留守中にこっそりダイブカプセルに潜り込み、電脳世界で遊んでいたのだが……。

 ネコに転生してしまった男の電脳プレイ日記。ゲーム中に生前の知り合いと遭遇してしまったり、ご主人様にバレそうになったりと波瀾万丈の日々です。

『猫の地球儀』 秋山瑞人
 その世界には猫しかいなかった。遥か太古に人間によって知性化された猫だけが、その宇宙コロニーの住人なのだ。しかし、彼らにとって宙を見るということは禁忌だった。スカイウォーカーという名前を受け継いだというだけで宣教部隊に殺される時代だったのだ……。
 人間がいなくなった後の猫の世界で、青い世界をめざすネコとアンドロイド、冒険者たちの物語。ちょっとほろ苦く切ない終わり方は、泣かせるネコ小説との評判も高かったのでした。

『猫だってアイテムを収集すれば最強になれます!』 川崎AG
 ある日、異世界へと召喚された男は『猫』の姿になっていたが、彼には【収集家】のスキルが付いていた。なんでもかんでもコレクションするほど強くなっていくスキルで、そもそもこのスキルを付与してしまったが為に、人間の形で転生できなくなってしまったという因縁のスキルであった……。
 人間が魔族に支配されている世界で、魔王退治も人類救済もコレクションのついでなんや……というコレクション・ストーリー。チート過ぎる主人公の能力を、身体が猫になってしまったという一点でバランスをとってます。

『テイルチェイサーの歌』 タッド・ウィリアムズ
 テイルチェイサーは偉大な一族の末裔ではあるけれど、これといった取り柄もない猫だ。けれど愛しい牝猫ハシュパッドたちが前触れもなく姿を消したとき、解決策も見いだせない長老たちに見切りをつけ、ただ1匹で森の奥へと旅立った。そこで出会うのは頼もしい仲間と世界を支配しようとする邪悪な勢力との戦いだった……。
 小さな猫が冒険に飛び出し、行きて還りしの物語。やっぱり猫は自由な生き物なんですね。

『ミル』 手原和憲
 ある日突然、下宿に押しかけてきたカワイイ女子高生は、実は86歳のバケネコだった……。
 一所にとどまれず、各地を放浪しながら長い年月を過ごしてきたバケネコと飼い主になった青年のハートウォーミングな日々の物語。見た目は女子高生なのに、言動はしっかり老婆なミルはまさにロリババア。

『家の猫がポーションとってきた。』 熊ごろう
 飼い猫のクロが、自宅の庭にある納屋の中からダンジョンにつながっているのを見つけてきた。そこで魔物と化したネズミなどと戦っていたらしいのだが、そこは神様みたいな存在が世界にダンジョンを設置しようとランダム配置した1つだった……。
 庭から見つかったダンジョンを中心に、猫とコンビで攻略していく少年の物語。強いし頭も良いし、でもキャットフードが大好きで、気分は乗らないときは寝ているクロが可愛いよね。

黒猫ニャンゴの冒険~レア属性を引き当てたので、気ままな冒険者を目指します~』 
 苛められていた高校生は、階段から同級生に突き落とされて死んだ……と思ったら、異世界で猫人に転生していた。身体は小さく、体力もない、魔力もない、知力もないという異世界最弱の種族である。しかも、彼ニャンゴが巣立ちの儀で女神から授かった加護は、役立たずの「空」属性だった……。
 かなりネコ寄りの獣人になってしまった主人公が、種族としてのハンディキャップを努力と工夫で乗り越えていく冒険譚。耳を澄ませて情報を集め、役立たずスキルを磨き上げ、虐めっ子に反撃したりしながらの成り上がりです。

あなたのために、ネコはゆく』 永田ガラ
  人間に喜んでもらうことが大好きな子猫「ねむりっこ」。 自分は天使なのに、何もできないと悲しむねむりっこだけれど……。
 命を狩るのについつい1年の猶予を与えてしまう死神と、死ぬつもりだったのにその1年で死にたくない理由ができてしまう人間たち。人々に幸せを与えようとする天使なネコと、そのネコに甘えて無理難題を持ちかける人間たち。そんな死神と子猫がすれ違う、愉快でせつない物語です。

田中家、転生する。』 猪口「田中家」 
 田中家は平凡な一家。今年から年金暮らしの両親の悩みは、3人の子供がまだ誰も結婚していないことくらいか。そんな一家が南海トラフ大地震に被災して全滅してしまうが、気がついたら異世界の辺境を守護する貴族の家に転生していた。それも見事に家族揃って。ネコももちろん大事な家族である……。
「猫のいない世界なんて、タピオカとミルクティーの入っていないタピオカミルクティーだ」
 猫をこよなく愛し、また猫に愛され平凡に生きてきた田中家が清く正しく世間知らずに異世界で生きていく、じゃじゃ馬辺境貴族の日常譚。コーメイさん以下飼い猫も集結し、田中家を守って大活躍。

マタタビ潔子の猫魂』 朱野帰子
 内気で陰気な28歳の派遣OLが限界までストレスを溜め込むと、意図せずして飼い猫に憑かれて大暴れしてしまう……。
 飼い猫が怪猫だったというスラップスティック・ブラックコメディだけれど、「これ、魔太郎だよ」と笑っていたら、解説でもそんなようなことが書かれていました。みんな考えることは同じ。

殺戮の魔猫~くはははは、知らんのか! チーズは空気に触れると鮮度がおちる~』 異世界印の転生饅頭
 日本人が異世界に猫ケトスとして転生し、怨嗟の果てに魔族と化して500年。敬愛する魔王様は今も眠りにつき、猫はただ玉座で惰眠をむさぼり、気が向けば美味しいご馳走を探して人間の世界を散歩する。しかし、侮ることなかれ。その駄猫ケトスこそ、魔王軍最高幹部の大魔帝。主神すら屠る最強の魔猫であるのだが、ついつい気まぐれで悪戯好きな猫の器に引きずられてしまうのだ……。
 人と猫と魔の心が1つの身体に混ざり合い、単純に戦闘力や魔力だけを比較するなら神々すら相手にならないのだけれど、むちゃくちゃ手加減しないと勢い余って大陸沈めたり星を砕いたりしかねないケトスのつれづれ日記。グルメ捜しに奔走するのも、なにもしなければその本質である「憎悪」に引きずられて世界を滅ぼしてしまいかねないから……ということらしいです。

槍使いと、黒猫。』 健康
 無職になってしまった青年シュウヤは、夢の中でRPGのキャラクターメイキングを楽しんでいたと思ったら本当にそのまま異世界に、ヴァンパイフハーフから派生した新種族セイヴァルトとして転生していた。光と魔の力を合わせ持っていて太陽の光も聖水も平気だという。しかし、放り出されたのは明かりもほとんどない地下世界。暗闇の世界を戦いながら放浪しているうちに、彼は封印されていた神獣ロロと契約するのだが……。
 スケベで陽気な槍使いと黒猫の異世界放浪記で、思うままに戦い、助け、抱く、ストレスフリーな主人公です。これだけ顔が良く、陽気でコミュニケーション能力もバイタリティもある青年が、なぜ無職に甘んじていたのかが最大の謎。
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「悪役一家の奥方、死に戻りして心を入れ替える。」 丘野優

2021-10-22 | 過去転移・人生やり直し
 イストワード王国の公爵夫人エレイン・ファーレンスは王位簒奪を企み、あと少しの処まで来て破滅した。夫や息子たちは処刑され、自身も自らの娘によって命を奪われた……はずだったが、気がつけば30年前。まさに長男を産まんとする分娩の真っ只中である。何の奇跡か時間が遡って、人生やり直しのチャンスが巡ってきたのだ。
 まだ20歳の姿に戻ったエレインは、かわいい娘に殺されるなどという運命を回避するため、嘘と暴虐に塗れた人生に陥らないよう、前世の経験と知識を総動員してのやり直しを開始した。まずは人間関係の再構築からだ……。

 今度こそ国家転覆を成功させよう!……ではなく、なんで前世はあんなことをしちゃったのかしらの反省に始まる快進撃。やることの方向性を変えるだけで、これだけ変わるんだねという話で、悪役令嬢のやり直し転生もののバリエーション。つまり悪役貴婦人無双です。
 ウェブ版に加筆修正しての刊行で、やっぱり丘さんは巧いですよね。安心して読めます。ある意味、王道の話ですが、それだけに作者の技量の差が出るのです。

【悪役一家の奥方、死に戻りして心を入れ替える。Ⅰ】【丘/丘野優】【TEDDY】【エンターブレイン】【小説家になろう】【聖女】【ドラゴン】【トリアージ】
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「目指せ豪華客船! 異世界で手に入れたいのは優雅で気楽な勝ち組生活」 たむたむ

2021-10-21 | 異世界転移・召喚
「ねぇ、君の異世界生活ってどうなの? 僕的にはあれはないと思うんだけど」

 20歳の大学生、豊海航は、飲み会の帰りに海に落ちた……と思ったが、気づくと一面の草原にいた。世界の狭間に落ちてしまい、この世界に迷い込んでしまったらしい。それを異世界の創造神が同情し、言語理解と「船を召喚するチート」をくれることになった。そして、目立たず生きろとの助言もくれた。
 しかし、船召喚といっても草原のど真ん中。航は冒険者ワタルとして、ちまちま地道に手間がかかるわりに買い取り価格が安い角兎を何百と狩り続け、ちょっとした小金持ちになったのだが、これに創造神がクレームを付けてきた。見ていて全然盛り上がらないと……。

 ウェブ連載の「第二章 モーターボートで荒稼ぎ!!」の最後まで。
 イラストはしぶいおっさんから美女まで、EカップからFカップまでを描き分け、モンスター絡みのアクションシーンまできちんと描いてくれる西E田さん。何人も美少女が出てきても髪の毛剃ったらみんな同じ顔でAでもGでも同じサイズにしかならないイラストレイターさんもいますが、こういうきちんとした絵を描ける人がイラストを担当していると、迷わず表紙買いできるのです。
 みんなイチャイチャしていて幸せそうです。

【目指せ豪華客船! 異世界で手に入れたいのは優雅で気楽な勝ち組生活】【たむたむ】【西E田】【宝島社】【めざせ豪華客船!!】【小説家になろう】【スライム】【チャーター船】【奴隷】【イカダ】【風呂】【昆布だし】【鶏ガラスープ】
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「伊賀の影丸」 横山光輝

2021-10-20 | 時代・歴史・武侠小説
 忍者マンガの古典で、江戸幕府を影から守る伊賀忍者の頭領、五代目服部半蔵の切り札で凄腕の美少年忍者影丸の活躍を描く1961年作品で、これは1995年復刻の文庫版。全11巻らしいけれど、我が家にあるのは7巻まで。
 毎回毎回、幕府転覆を企む陰謀を巡って、獣や鳥を操ったり、他人の顔を奪ったり、死んでも死なないなどの異能の忍者たちが相争い、たいてい伊賀丸以外は敵も味方もみんな死んでしまうのがお約束で、それを思うと日本の忍者の層は厚いですね。腕利き7人が全滅しても、またすぐに次の取って置きが出てくるんだから。しかし、必殺技が至って地味な木の葉がくれという影丸が生き残るのは、汎用性がある技という面と同時に彼自身の体力も理由がありそう。毎回、他の忍者なら死んでる怪我で生き残っているもの。
 この時代、忍者物がブームになっていて、時系列で言うと、

1954 『猿飛佐助』(杉浦茂)
1959 『甲賀忍法帖』(山田風太郎)
1961 『サスケ』(白土三平)
   『伊賀の影丸』(横山光輝)
1963 『少年忍者部隊月光』(吉田竜夫)
1964 『カムイ伝』(白土三平)
   『忍者部隊月光』(TVドラマ)

という流れ。
 ちなみに今のマンガとは話の構成が全く違っていて、主人公「影丸」の名前が出てくるのは60頁目、本人の登場は72頁目となります。
 なお、不死身の邪鬼の初登場が2巻。幻也斎が登場するのが7巻です。

【伊賀の影丸】【横山光輝】【秋田文庫】【半蔵暗殺帳の巻】【若葉城の巻】【甲賀七人衆】【影丸旅日記】【由井正雪の巻】【七つの影法師の巻】【阿片】【吊り天井】
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「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す4 (下)」 Schuld

2021-10-19 | 異世界転生
『それに彼女はちょっと楽しかったのだ。いつだか見た演劇。お忍びで街に出たお嬢様が旅の勇者に救われて面白おかしく遊び回り、めでたしめでたしと締めくくられる有り触れたお話に似ていて』

 意に沿わぬ結婚を強いられ、絶賛家出中の修道女ツェツィーリアと彼女を助けて逃走中のエーリヒとミカ。なんとか3日間の時間を稼ぎ、帝都に到着予定の新兵器である航空艦に辿り着けばミッションクリアなのだが、追っ手に禁軍、近衛猟兵が加わってくるとなると生半可な手段は通用しない。
 なのに、エーリヒらのパーティは、剣士寄りの魔法剣士1人、支援妨害型魔法使いで学舎兼業1人、そして非戦闘型僧侶1人と、シティーアドベンチャーのシナリオとしては、はなはだバランスが悪かった。斥候も野伏もいないのだ……。

 ゲームで一番愉しいのは、リザルト発表なのだ。
 今回のエピソードは上下巻となり、しかも下巻は上巻の3割増しくらいの分厚さで「厚すぎるなあ」と思ってしまったけれど、世の中には上下セットにしても敵わないほどの本は他にあるのだ。

【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す4 (下) ~ヘンダーソン氏の福音を~】【Schuld】【ランサネ】【オーバーラップ文庫】【異色にして王道の転生譚】【WEB発データマンチ冒険譚】【小説家になろう】【水没オチは生存フラグ】【吸血種】【長命種】
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「異世界帰りの大賢者様はそれでもこっそり暮らしているつもりです」 木野二九

2021-10-18 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
「全ての学問はつながっており、人は繰り返して同じ過ちを起こす。歴史を学ぶとはそういうことじゃ」
 大賢者サイトーの師匠、ケイト・モンブランシュットはそう教える。

 異世界に転移し、大賢者ケイトに拾われ師事した斉藤達也こと大賢者サイトーは、長い旅路の果てに魔王を討ち果たす事で元の世界への門を開いて帰還した。しかし、空間座標は指定できても時間までは指定できず、懐かしき日本へと帰ってきてみれば19年の歳月が経っていた。かつての可愛い同級生女子も、一児の母の未亡人になっていた……。

 ウェブ小説では最近ちょこちょこ見かけるようになった、異世界帰りのチート持ち主人公の物語。いろいろあるのだけれど、『一人だけの軍隊(ランボー)』みたいな鬱展開からの爆発にならないのは、平和な日本の作品だからかもしれません。
 そして、異世界帰りの大賢者の前に現代日本で立ち塞がるのは、マフィアな地上げ屋、いろいろ抗争を繰り広げている複数の退魔士集団、妖怪やらモンスターやら、一般人の知らないところで日本も随分と物騒になっています。そこにメイドさんやら巫女さんやら猫娘に狐娘にエルフといろいろ盛り込みすぎで、ちょっととっちらかった感はありました。

【異世界帰りの大賢者様はそれでもこっそり暮らしているつもりです】【木野二九】【日下コウ】【Kラノベブックス】【隠遁(できない)ファンタジー】【温泉宿】【洋品店】【チェス】【鈍感系主人公(呪付き)】
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「亡びの国の征服者4」 不手折家

2021-10-17 | 異世界転生
「考える気になれば、空ほどもでかい理想を描くこともできる。だが、実際になんとかできるのは手の届く範囲だけだ」
 ユーリはリャオに理想と現実の違いを説く。

 ユーリは王女キャロルと共に学生からなる観戦隊を率いて、隣国のキルヒナ王国の戦場に赴く事になった。人種の異なるクラ人の遠征軍、“十字軍”との戦争がついに始まろうとしていたのだ。しかし、クラ人たちに言わせると彼らこそが「人類」であり、ユーリたちシャン人は「魔族」ということらしい。それゆえの十字軍なのだ。
 観戦隊が学生主体であることから想定されるように、あるいはユーリが女王の要請により事前に下見も行い、観戦も王鷲による上空からの視察。この旅路には本来、王女を危険にさらすような大きな危険など無いはずだったが、何が起きるか分からないのも戦場であった……。

 ファンタジーではよくある人類と魔族の戦いを、魔族の側から描く物語も4巻。まだ……まだ、「亡びの国」にもなっていませんし、「魔王」も生まれていませんが、その端緒が少しずつ見え始めています。
 少しばかり地軸のずれが地球とは違う世界で、地球で言うところの北欧を舞台にして戦いが繰り広げられます。この地図がほとんど地球と同じだからこそ、ユーリが新大陸発見に着手することを決めたわけですが、地図が同じというと平行世界っぽさがあって、これぞ異世界という気になります。

【亡びの国の征服者4~魔王は世界を征服するようです~】【不手折家】【toi8】【オーバーラップノベルス】【超本格戦記譚】【小説家になろう】【観戦武官】【逃避行】
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