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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「YAMATO ICONICS」 むらかわみちお

2025-04-30 | ミリタリーSF・未来戦記
 TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』放送から50周年を口実に、庵野秀明による企画・プロデュースで出版されたむらかわみちお画集。発売直後からAmazonではテンバイヤーによって定価の3倍の値段がつけられてますが、まだAmazonでも定価で買えるから!(2025/04/14)
 コミカライズ関連だけかと思いきや、テレビ放映時のエンディングクレジットからコミックのラフ、同人誌用の寄稿イラストから模写まで見たい絵がぎっしりきっちり詰まってます。ぜんぜん見覚えのないイラストがあると思ったら『萌えよ!戦車学校』掲載だったので、これはびっくり。あれ、ガミラスのタンクガールだったっけ? かなり初期の同人分まで収録されていてお得感たっぷりです。
 巻末のデータ部分の活字が小さすぎて初出とか確認しづらいのが(老眼乱視には)ツラいくらい。

【YAMATO ICONICS~むらかわみちお 宇宙戦艦ヤマト画集】【むらかわみちお】【KADOKAWA】【庵野秀明企画・プロデュース『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念特別出版】
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「極東救世主伝説2~極東ロシア救出編~」 仏ょも

2025-04-21 | ミリタリーSF・未来戦記
「首だ! 首を置いていけ!」
 強化外骨格〈黒天〉を装着した啓太は、自分から魔物の群に突っ込んで剣で切りまくる。それを目撃したロシア人たちは、その行為に恐怖した。

 九州戦線の救世主となった川上啓太と魔装機体〈御影〉だが、それを面白く思わないのは第三師団であり、最上重工の開発を妨害したい財閥系企業だ。まだまだ〈御影〉の試験と改良を続けたい最上重工に対し、新たな強化外骨格(パワードスーツ)を開発しろという正式な命令が下る。〈御影〉の開発を先送りさせ、開発途上の強化外骨格の実戦テストであわよく川上特務中尉を戦死させられたら儲けものという嫌がらせだ。
 正式な命令は拒めないが試験場は選べると、最上社長は敵の大規模侵攻が予想される九州を遠く離れ極東ロシア大公国へと飛び、期待される最大戦力を奪われた第六師団と第八師団は第三師団閥に対して激怒した……。

 決して博愛主義者ではないし、大事なのは妹の安全と生活という主人公と会社第一の社長による、打算に満ちあふれた極東遠征記。
 襲ってくる悪魔の軍勢の目的が人類の殲滅ではなく、人間を苦しめることだという縛りが戦線の均衡を生み出します。イメージで言うと『エリアル』のゲドー社みたいなもんですね。戦力を出し過ぎて人類側の被害が大きくなりすぎると、魔族が悪魔に怒られるの。それがギャグ展開にならないさじ加減が上手いよね。

【極東救世主伝説2 少年、北の地を駆ける。~極東ロシア救出編~】【仏ょも】【黒銀】【カドカワBOOKS】【小説家になろう】【カクヨム】【アーマードコア】【10万円】
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「悪役令嬢、宇宙を駆ける」 甘味亭太丸

2025-03-24 | ミリタリーSF・未来戦記
 リリアン・ルゾールは高慢で無能な悪役令嬢だった。その彼女の行動が艦隊壊滅を招き、生き残ったものの左遷され続けて60年、異星人の大艦隊の前に捨て石にされ戦死したと思ったら60年前にタイムリープしていた。
 もう愚かな真似はしない。少なくとも軍にすがり続けた60年分の経験と年齢相応の分別はある。かくして79歳のリリアン・ルゾール少将は、まだ18歳の若く高慢なリリアン嬢として人類の存亡を賭けた戦場に立つ。味方は1艦のみで敵勢力圏に孤立無援。そして艦内には工作員が存在する可能性が……。

「来るなら来いってもんよ。やれるところまでやってやるさ。それが、アタシの贖罪なんだからね」

 最近スペオペは多いけど、ここまでしっかり美女とメカを描いたイラストが満載なのは希有。イラストだけ見るとマクロスっぽいけれど、艦隊戦から白兵戦までいろんなスペオペの要素がたっぷり。1巻はマクロスとかバイファムとかリヴァイアスみたいな孤立した艦に乗り込んだ少年少女を主役にした宇宙艦放浪記になりますが、ウェブでは完結してますので続きが気になった人はそちらでどうぞ。

【悪役令嬢、宇宙を駆ける~二度目の人生では宇宙艦隊を率いて星間戦争を勝利に導きます】【甘味亭太丸】【ヨシモト】【ドラゴンノベルス】【人類敗北を招いた艦隊提督が死に戻り――最強の提督令嬢誕生】【小説家になろう】【カクヨム】【ファーストコンタクト】
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「極東救世主伝説~九州大規模攻勢編~」 仏ょも

2024-06-14 | ミリタリーSF・未来戦記
「しかも上半身が人型で下半身が四脚ですよ? 整備士さんは自分でこれを万全に動かすイメージが湧きますか?」
 川上啓太は自分に与えられた機体について、メーカーの整備担当者にダメ出ししまくった。

 第二次大戦末期の1943年。敗局濃厚になった国の元首が起死回生の策として行った悪魔召喚の儀式を契機に、欧州は悪魔の軍勢に支配されてしまう。悪魔は悪魔を呼び、人を魔人に変え、魔物を産み、人類と悪魔の戦争が続いて100年。人類が未だ滅びていない、世界が完全に支配されていないのは、悪魔がより強い敵との戦いを求めて加減しているだけだからだともいう。
 両親を失い、中学生の妹を守っていくために軍学校に進学した少年、川上啓太は入学した軍学校で新型の魔装機体に適合してしまう。それは従来の機体とはコンセプトが異なる異形の機体であり、とても人が乗りこなせるとは思えなかったが、啓太はそれを周囲の期待以上に乗りこなしてしまい、テストパイロットにとどまらず実戦投入されてしまう。
 彼は前世持ち。アーマードコアの操作方法を思えば、この機体にも十分対応できたのだ……。

 ウェブでたまたま読んでいた作品が面白く、同じ作者の作品が書籍化されたというので購入。
 第二次大戦末に出現した謎の敵が世界中で人類を駆逐している中、反撃を賭けた人類は九州戦線に異形の期待を投入するという話。あれー?と思って手に取ったら「芝村裕吏氏推薦!!」の帯が。メインとなるコンセプトとアウトラインだけだと『高機動幻想ガンパレードマーチ』にかなり似ているのだけれど、ここで芝村推薦が付いたら誰も文句言えませんよね。

【極東救世主伝説 少年、異形の機体で無双する。~九州大規模攻勢編~】【仏ょも】【黒銀】【カドカワBOOKS】【小説家になろう】【カクヨム】【機動戦士ガンダム】【アーマードコア】【パンジャンドラム】
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「デューン 砂の惑星2」 原作:フランク・ハーバート

2024-04-04 | ミリタリーSF・未来戦記
 砂の惑星デューンは産出されるスパイス「メランジ」の価値から、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われている。
 アトレイデス公爵家はデューンの統治を任されていたが、ハルコンネン家と皇帝の策略と武力侵攻により殲滅されてしまう。その生き残りで公爵の息子であるポールは、閉鎖的な砂漠の民フレメンに受け入れられ、彼らと共にハルコンネン家とゲリラ戦を繰り広げることになるのだが、彼の母親であるレディ・ジェシカへのフレメンたちの態度がおかしい。レディ・ジェシカに彼らの宗教的指導者、教母の後継者となれというのだ。
 彼女は銀河系における最大の政治勢力のひとつ、女性修道会ベネ・ゲセリットのメンバーだが、なによりポールの母親であり、ポールが予言の救世主ならば、彼の母親も教母であるはずだというのだ。さもなくば死を……。

 確定申告が終わったタイミングだったので、家族3人で初日のレイトショーで観てきました。劇場の大スクリーンで観て正解。逆光のシルエットとか、たびたび砂の中から無数の兵士が湧き出るシーンはカッコいいですね。この作品ならでは。
 個人用シールドが発達しすぎて携帯火器が使い物にならなくなり、ガンシップみたいなオーニソプターとかロケットランチャーみたいな兵器も脅威だけれど、結局最後は剣戟による白兵戦が有効なので乱戦になるという世界の物語。なんとなく剣と魔法の世界みたいですが、カムラン・ブルームの核弾頭15発よろしく、ガーニイ・ハレックの核弾頭92発とかあれこれビックリドッキリを挟みつつ、サンドワームが暴れ回るクライマックスへと突入します。ひとことでまとめると「ポウルのミラクル大作戦」。
 ストーリー的には1984年のデイヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』のラストシーンに追いつきましたね。こちらはまだまだ続けられる状況というか、さすがに『砂漠の神皇帝』まではいかなかろうとか思いつつ、さらなる修羅場(複数)が生まれたところでのエンディング。大団円ではあるんだよ。ただ、その大きな輪っかがどこに向かって転がっているか分からないだけで。
 小ネタの感想としては「おにいちゃん大好き妹が存在感ありすぎ」「砂虫からの降り方がわからない」「あっという間に煙の中に消えていった皇帝親衛隊」「鬼の形相のゼンデイヤ」といったところか。ゆっくりとした語り口に反して意外とストーリー展開が速いのも魅力です。ただ、やっていることは派手なのに印象は地味。『スターウォーズ』のような英雄譚ではなく、叙事詩的に語られているからでしょうか。

【デューン 砂の惑星2】【ドゥニ・ヴィルヌーヴ】【ワーナー・ブラザース】【レジェンダリー・ピクチャーズ】【ティモシー・シャラメ】【レベッカ・ファーガソン】【ゼンデイヤ】【ジョシュ・ブローリン】【オースティン・バトラー】【フローレンス・ビュー】【デイヴ・バウティスタ】【クリストファー・ウォーケン】【レア・セドゥ】【スエイラ・ヤクープ】【ステラン・スカルスガルド】【シャーロット・ランプリング】【ハビエル・バルデム】【アニヤ・テイラー=ジョイ】【地雷】【核弾頭】
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「プライベートな星間戦争」 森岡浩之

2024-02-25 | ミリタリーSF・未来戦記
「生まれたときから、目的が決まっているなんて、つまらないだろう。人生はもっと汎用性があるんだ」
 平成生まれのタルルティア国王こと2-4C4368AA。

 人類がテクノロジーの力によって「半神」に進化した近未来、神を守るために人工子宮で生まれ育った天使は、集団ごとに家族となって生活し、神を狙う悪魔との決戦に備えて訓練を繰り返し、戦いにあっては家族単位で立ち向かうのが常だ。
 天使候補生エスクは厳しい訓練を乗り越えて新人天使となり、エスケルの名を与えられた。そのエスケルたちに襲来する悪魔と戦うという指令が与えられたが情報が錯綜し、ついには上との通信が絶たれる状況に陥ってしまう。これはいつもの訓練なのか、それとも実戦が始まっているのか、不可解な神の命令に言い知れぬ違和感を覚えていたエスケルだったが、あきらかに悪魔と認識される敵の中にかつての仲間や家族の姿を見いだした……。

 戦うために生まれ、育てられてきた天使たちの戦いを描く第一部と、そこまでの経緯を悪魔から俯瞰した第二部から構成された、タイトルままのスペースオペラ。ファーストコンタクト的な宇宙戦争と、仮想現実空間にまで広がってなお狭い人類の未来史が描かれます。

【プライベートな星間戦争】【森岡浩之】【木野花ヒランコ】【星海社FICTIONS】【人間が半神に進化した未来、神を守り悪魔と戦う戦闘天使たちの新しいスペースオペラ】【人格アップロード】【仮想世界】【テラフォーミング】【群体性情報生命】【半神ネメシス】
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「『宇宙戦艦ヤマト』大クロニクル」 監修:松本零士

2023-04-28 | ミリタリーSF・未来戦記
 1974年に放送開始のTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』を、1作目を中心にまとめたムック本。時期で言うと、西崎VS松本の権利裁判が決着仕掛け、そこでキムタクの実写版ヤマトが公開間近という2010年。
 企画当初の豊田有恒版「コスモシップ」から藤川桂介版「宇宙戦艦コスモ」、そこからの「宇宙戦艦ヤマト」への変遷も分かります。さいとうたかを風のクルー原案とかまでフォローされてたので購入。
 「宇宙戦艦ヤマト完結編」あたりまで網羅はしていますが、松本零士不参加の復活編は入っておらず、8割は1作目の企画から完成までのプロセスを緻密に語っていくという、「松本零士が参加したからこの形になったんだ」と暗にアピールしている形の資料集。
 好きだったのは「さらば」までなので、この構成に何の不満もなし。ただ、このタイミングでこんなムックを出して良かったのかという不安はあります。もう詮無きことですが。
 
【『宇宙戦艦ヤマト』大クロニクル】【松本零士】【グライドメディア】【伊藤秀明】【ヤマト松本メモ】【松本零士氏インタビュー】
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「デューン 砂の惑星」 原作:フランク・ハーバート

2021-10-30 | ミリタリーSF・未来戦記
 有力諸侯の筆頭であるレト・アトレイデス公爵が、皇帝より砂漠の惑星アラキスへの転封を命じられた。アラキスは宇宙航行に必須のスパイス「メランジ」の唯一の供給源であり、その管理は膨大な富を約束されていたが、同時に反抗的な原住民勢力や過酷な環境によって統治が極めて難しい星でもあった。
 アトレイデス公爵はこの仕置きに皇帝の陰謀を察知していた。デューンの前統治者であるハルコンネン男爵との軋轢を生み出し、争わせることで両者を疲弊させようというのだ。しかし、ハルコンネン男爵側もそれを理解しており、この機会を利用して公爵家を滅ぼさんと陰謀を画策していた……。

 『デューン』は日本では古いSFファンのバイブル程度だけれど欧米では何作も映像化が試みられていて、『スターウォーズ』の製作の際にもあれこれインスパイアされている、そっちのジャンルではメジャータイトル。日本でいうと『銀河英雄伝説』あたりに位置するのかな?
 とりあえず二部構成の1作目ということで、作品を見終えてテーマ曲を口ずさみながら帰路につく……というような爽快感はなく、ただただ砂の世界とそこに生きる人々の生き様、生き馬の目を抜く銀河帝国内部の権力闘争にズーンと打ちのめされて、ただ「早く続きを!」という飢餓感に駆られての家路でした。
 同行の家族には一様に好評。けれど、「この重要な設定については、このシーンの台詞と描写でサッと説明するから、あとは察しろ」みたいな構成が日本の一般的な観客に受けるのかなあと不安がってました。代表的なのは、銀河系をまたにかけた文明なのに戦争が剣と格闘でけりがつくのはなぜ?というあたり。あれは、個人シールドが普及しちゃって、銃弾なんかの高速の物理攻撃は弾くし、ビームを使うと誘爆して敵も味方も吹き飛ぶので……という設定を映像だけで説明するんですよね。見て、主人公がなにをしているか理解した上で分かれと。
 あと、すぐ間違えるのだけれど「デューン」って星の名前じゃないんだよね。星の名はアラキス。英語で砂丘の意味だから、直訳すれば砂球というあたりかな。地球が水の星ならアラキスは砂の星なのだ。

 主人公のポール・アトレイデスを演じたティモシー・シャラメがかつてのイタリア映画を彷彿とさせる美男子で妻は喜んでいたけれど、剣士ダンカンが『アクアマン』のジェイソン・モモアで、男爵の甥のラッバーンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のデイヴ・バウティスタで、フレメンの謎の少女チャニが『スパイダーマン』のゼンデイヤでと脇を固める役者がなんとなく見たことある個性派ぞろいなので、なんとなく『マイティ・ソー』のトム・ヒドルストンの若い頃に見えてきてしまって困りました……。

【デューン 砂の惑星】【ドゥニ・ヴィルヌーヴ】【ワーナー・ブラザース】【レジェンダリー・ピクチャーズ】【ティモシー・シャラメ】【レベッカ・ファーガソン】【オスカー・アイザック】【スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン】【チャン・チェン】【ジョシュ・ブローリン】【ジェイソン・モモア】【ゼンデイヤ】【ステラン・スカルスガルド】【デイヴ・バウティスタ】【ハビエル・バルデム】【シャロン・ダンカン=ブルースター】
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「メカオペブック」 園田健一

2021-05-22 | ミリタリーSF・未来戦記

 連休の大掃除シリーズ。
 園田健一が『GunSmith Cats』の漫画を描く前、『ガルフォース』『バブルガムクライシス』『ウォナビーズ』などの企画やキャラクターデザインに参加する以前の同人活動時代に「STOL」に描きためた、美少女キャラクターやメカニックが描かれたイラストエッセイ「メカニカル オペレーション ルーム」をまとめ、それに模型店「ムサシヤ」のラムロイドの設定を載せた体裁。
 イラストエッセイは宇宙機やパワードスーツのデザイン考で、ここでの女性型アンドロイドから、複眼のラムロイド、模型店「ムサシヤ」のラムロイドへと変遷していった過程が見て取れます。ラムロイドは黒目のある方がオリジナルなのね。スーツ系はアンダーウェアや付属パーツから運用まで図解化されているのが、いかにも設定向き。シンプルな線ではっきり引かれて構成された宇宙船は、今見ても格好いいですね。

【メカオペブック】【園田健一】【FIVETH.PRINT】【ラムロイド】【メカニカル オペレーション ルーム】
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「この地獄の片隅に」 編:J・J・アダムズ

2021-04-09 | ミリタリーSF・未来戦記
 パワードスーツをテーマにしたSF短編のアンソロジー。昨今では珍しく、各作品毎に加藤直之のイラストが付いてます。
 「パワードスーツ」というと「=未来の戦場で活躍する兵器」みたいなイメージになりますが、20世紀初頭から未来まで時代も用途もさまざまなスーツが登場します。日本だって、快傑ズバットからゴレンジャー、特警ウインスペクターにデルパワーX、さなだ十勇士、ナイトセイバーズまで用途や機能や物語のカラーがいろいろあるんで、SF短編に限ってもミリタリーからスチームパンクっぽいものまでよりどりみどりです。

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「デスペレーション・アンド・ガントレット」 TEX-MEX

2020-09-22 | ミリタリーSF・未来戦記
「我は……篭手とならねばならぬ。パンドラより絶望を搔き出す為の、灼熱の篭手に……!」

 PSゲーム「ガンパレードマーチ」の実質的最終ステージである、特別大演習「銀杏」こと「杏一号作戦」こと熊本城攻防戦を題材にした、2001年刊行の同人誌。この熊本城攻防戦ネタは小篇が他にも幾つか発表されていて、アンソロジー集とかで読めるものもありますが、まとまったものはないようですし、このDAGも前編。後編は……。
 長田馨の「アナザー・プリンセス」を読んでいて、これはこれで最高に面白いガンバレのコミカライズではあるけれど、最終章の熊本城攻防戦がやや駆け足気味でもの足りなくて、そのまま古い本を引っ張り出しました。全4巻だけれど、本当なら攻防戦をしっかり描いて全5巻にしないといかんだろう!と憤りながらDAGを読み、「あー、こっちも前半だけだったあ!」という嘆き節。
 うん。20年前のゲームの20年前の同人誌でも、たとえ前半だけであっても、面白いモノは面白いのだ。学園祭ノリの学生のドタバタと、その友達や周りの人間がちょっとしたことで死んでしまって戻ってこないシビアな戦争が同居しているのが魅力なんですね。

【熊本城攻防戦】【DAG】【デスペレーション・アンド・ガントレツト】【DESPARATION AND GUNTLET】【TEX-MEX AND AGUA-VELDE】【広江礼威】【絶望作戦】
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「起きたらマ・クベだったんだがジオンはもうダメかもしれない」 Reppu

2020-07-14 | ミリタリーSF・未来戦記
 また、しばらく隔離状態。街に出たいよー……ということで、まだ書籍化されていないウェブ作品を読み返しています。ウェブ小説投稿サイト「ハーメルン」は二次創作が多めで、あまり興味が無かったのだけれど、たまたま目にした「起きたらマ・クベ」が面白かったのです。

 久しぶりの連休に浮かれて酒を飲みながらガンダムのBOXを見ていたのが最後の記憶、次に気が付いたらマ・クベだった、訳が分からない。時に宇宙世紀0079、4月15日のことである。
 ガンダムが大地に立つまであと6ヶ月……。

 陰気で気障な政治家気取りの鉱山基地司令が、如何に清濁併せ持って重力戦線の要となり、ザビ家からは信頼され、前線の兵士たちからは支持され敬愛を受け、女性兵士からは思慕の情を寄せられる一方で、連邦軍からは「オデッサの怪物」と蛇蝎のごとく忌み嫌われるようになったか……の物語。
 RPG世界や乙女ゲー世界転生ものというのは、つまり「あらかじめ決まっていたバッドエンドを後知恵で回避し、不幸な運命に陥るはずのNPCを救う」のが目的であり、醍醐味なんだけれど、その元となる作品を読者はそもそも知らないのね。そこを面白く読ませるのがテクニックではあるけれど、元ネタは知っていた方が面白い……のは確かなのです。
 いろいろ報われない人生で鬱屈していたり、才能を見いだされないまま埋没していたり、生真面目すぎて思考が硬直したりしていて破滅していったキャラクターたちに救済が与えられていく真面目な戦場コメディ。
 果たしてアッザムやアッグはトンデモ兵器なのか、シャア・アズナブルの性根はたたき直せるのか、宇宙世紀におけるラプラスの箱の存在意義は?……等々、オリジナルキャラに、オリジン・外伝OVAやゲーム・小説版まで加わっての大長編を(ファースト世代に)飽きさせずに読ませます。
 いやあ、ガンダムのパロ小説を読むのなんか「ムーミン谷の赤い彗星」以来だわ……。

起きたらマ・クベだったんだがジオンはもうダメかもしれない】【Reppu】【ハーメルン】【機動戦士ガンダム】【オデッサ・ファニーズ】【MS igLoo】【THE ORIGIN】【0080】【0083】【サンダーボルト】【THE BLUE DESTINY】【コロニーの落ちた地で…】【ミッシングリンク】【アッガイ博士】【若き彗星の肖像】【機動戦士ガンダム戦記】【パワードール】
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「無双航路03」 松屋大好

2019-07-30 | ミリタリーSF・未来戦記
 ローマ帝国はオクタヴィアヌス帝が掌握した。
 ソハイーラは失脚し、すべての記録が抹消されて存在しなかったものと扱われ、その“名前をいえない女”に似ているというだけで女たちは捕まり処刑されていく。
 アサガヤシンは事態を打開すべく皇帝の暗殺さえ試みるが、皇帝の人格は電子化され、暗殺されても次の肉体にデータが転送されて蘇るだけだ。憑依による事実上の不老不死だった……。

 ノンストップのジェットコースターアクションSFだけれど、このジェットコースターって全然停まらないんだ。停まったかと思うとまたすぐに動き出して急降下するのです。

【無双航路03】【転生して宇宙戦艦のAIになりました】【松屋大好】【黒銀(DIGS)】【レジェンドノベルス】【月の興亡】【仮想世界】【小説家になろう】
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「彷徨える艦隊ジェネシス」 ジャック・キャンベル

2019-06-12 | ミリタリーSF・未来戦記
 新コロニー設立をめざす移民団に加わった退役士官ロバート・ギアリーは、近隣のスカザ星系との防衛戦に駆り出されていた。スカザの戦闘艇は、ここに植民するなら自分たちに保護料を払えというのだ。
 しかし、まだ到着したばかりの移民団の防衛隊は20名。防衛隊長に任命されたギアリーは、救命服と殺傷力のない麻酔銃だけを武器に戦闘艇に立ち向かわなければならなかった……。

 あっちのギアリー大佐がまだ少佐で脱出カプセルの中で凍結していた頃の物語。ギアリーの名を継いだ者は、誰でも大なり小なり逆境に追い込まれるのが常なのです。

【彷徨える艦隊ジェネシス】【先駆者たち】【ジャック・キャンベル】【寺田克也】【ハヤカワ文庫SF】【戦争SF】
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「モニュメントの謎」 高橋昌也

2019-05-18 | ミリタリーSF・未来戦記
 ひとことでいうと、『S.F.3.D』に登場するマシーネンクリーガーのようなパワードスーツが活躍するSFシミュレーションゲームをゲームブックでやりたい!というもの。
 1頁1パラグラフで80年代パソコンゲームのモニターを彷彿とさせるイラストと選択肢が掲載されていて、ミリタリーSFのバトルゲームが体験できるという、当時のゲームブックとしても異色で、今となっては家庭用コンシューマでもっと高度なことができるよ、という時代の徒花的な1冊。

【モニュメントの謎―撃突!第7機装兵団】【ハローチャレンジャーブック(6)】【高橋昌也】【横山宏】【朝日ソノラマ】
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