イギリス人が航海で漂流しても、戦車の中でもまずお茶を飲み出すように、日本人がイースター島だろうとどこだろうと寿司屋を開くように、中国人が鍋1つで世界中にチャイナタウンを築いていったように、異世界!というと日本料理が出てくるのはお約束。日本人が書いた異世界もので、日本人か元日本人が登場人物にいれば日本食が出てくるのはあたりまえなのです。逆に日本人なのに日本食にこだわるフシがないのが珍しいかもです。
そんな中、拠点は現代日本にありながら、なぜか異世界に繋がっていて、日本のインフラと流通ルートに依存しながら異世界人に食事を提供する話を幾つか。
『異世界居酒屋「のぶ」』蝉川夏哉(2012)
京都にある寂れた商店街の一角でオープンしたはずの居酒屋「のぶ」だったが、なぜか店の表口が異世界のアイテーリアにある古都の路地裏に繋がっていた。それはともかく店主の矢澤信之は何処の誰であろうと客は客だと誠心誠意料理を作り続けるのだ……。
いろんな悩みや苦労を抱えた人が居酒屋で食事をし、酒を呑み、語り合っているうちに問題解決の糸口をつかむという、食堂・居酒屋話の基本フォーマットなのだけれど、その相手する客が仕事帰りのサラリーマンやOL、年金暮らしの老人ではなく、異世界の貴族や兵士たちというのが違いで物語のバリエーションを広げています。なろう発、書籍化され、コミカライズされ、テレビドラマ化された、このジャンルの代表作。
『異世界食堂』 犬塚惇平(2013)
商店街の雑居ビル地下にある老舗の洋食店「洋食のねこや」は、オフィス街の客足が途絶える週末は定休日。でも、その土曜日にこっそりこの店が営業していることを知る者は、この世界には多くない。それを知り、土曜日の特別営業を待ちわびながらトレジャーハンターの少女に旅のエルフ、孤高の賢者、老サムライ、ドラゴン。生まれも育ちも種族さえばらばらなお客が異世界から訪れる名店なのだ……。
物語の基本スタイルは「のぶ」と同じなのだけれど、その入口が大魔法使いによって世界各地に設置された扉でつながっており、その扉は週に1回、1組しか開かないという制約がキーワードとなっています。これもアニメ化されてます。
『おでん屋春子婆さんの偏屈異世界珍道中』 紺染幸(2021)
偏屈な老人、春子婆さんのおでん屋は、4人も座ればいっぱいの木の椅子で営業しているただのおでん屋なのだが、いつの頃からか、いつも立ち寄る稲荷に二度柏手を打つと、知らない世界に行くようになってしまった。地下の洞窟だったり、誰かの書斎だったり。でも、そんなことは春子婆さんには関係ない。いつものようにおでんを出し、酒は1人2合まで。希望すれば握り飯か甘い稲荷を出しながら、無愛想に適当な相づちを打つだけだ……。
稲荷の神様の都合で異世界で営業させられる婆さんの話。といっても、意外に婆さんが出てこないエピソードも多くて、とある王国での代替わりの時期に次期王の推挙に悩む上級貴族から当事者、閑職に回された薬師や鉱脈が見つからない鉱夫、進路に迷う子供やその家族などさまざまな登場人物のターニングポイントに出現する謎の屋台という扱いで、こっそり神様の使い扱いされることになります。そしてエピックファンタジー的な王道のクライマックス。作者曰く「ピタゴラスイッチ」。なるほど!
日本人だか元日本人が異世界で日本というか現代地球の食事を再現しようとする話は多すぎるので省略。正直、マヨネーズの開発で一山あてるエピソードはリバーシと合わせて禁じ手にして欲しいと思うくらい。
そんな中、拠点は現代日本にありながら、なぜか異世界に繋がっていて、日本のインフラと流通ルートに依存しながら異世界人に食事を提供する話を幾つか。
『異世界居酒屋「のぶ」』蝉川夏哉(2012)
京都にある寂れた商店街の一角でオープンしたはずの居酒屋「のぶ」だったが、なぜか店の表口が異世界のアイテーリアにある古都の路地裏に繋がっていた。それはともかく店主の矢澤信之は何処の誰であろうと客は客だと誠心誠意料理を作り続けるのだ……。
いろんな悩みや苦労を抱えた人が居酒屋で食事をし、酒を呑み、語り合っているうちに問題解決の糸口をつかむという、食堂・居酒屋話の基本フォーマットなのだけれど、その相手する客が仕事帰りのサラリーマンやOL、年金暮らしの老人ではなく、異世界の貴族や兵士たちというのが違いで物語のバリエーションを広げています。なろう発、書籍化され、コミカライズされ、テレビドラマ化された、このジャンルの代表作。
『異世界食堂』 犬塚惇平(2013)
商店街の雑居ビル地下にある老舗の洋食店「洋食のねこや」は、オフィス街の客足が途絶える週末は定休日。でも、その土曜日にこっそりこの店が営業していることを知る者は、この世界には多くない。それを知り、土曜日の特別営業を待ちわびながらトレジャーハンターの少女に旅のエルフ、孤高の賢者、老サムライ、ドラゴン。生まれも育ちも種族さえばらばらなお客が異世界から訪れる名店なのだ……。
物語の基本スタイルは「のぶ」と同じなのだけれど、その入口が大魔法使いによって世界各地に設置された扉でつながっており、その扉は週に1回、1組しか開かないという制約がキーワードとなっています。これもアニメ化されてます。
『おでん屋春子婆さんの偏屈異世界珍道中』 紺染幸(2021)
偏屈な老人、春子婆さんのおでん屋は、4人も座ればいっぱいの木の椅子で営業しているただのおでん屋なのだが、いつの頃からか、いつも立ち寄る稲荷に二度柏手を打つと、知らない世界に行くようになってしまった。地下の洞窟だったり、誰かの書斎だったり。でも、そんなことは春子婆さんには関係ない。いつものようにおでんを出し、酒は1人2合まで。希望すれば握り飯か甘い稲荷を出しながら、無愛想に適当な相づちを打つだけだ……。
稲荷の神様の都合で異世界で営業させられる婆さんの話。といっても、意外に婆さんが出てこないエピソードも多くて、とある王国での代替わりの時期に次期王の推挙に悩む上級貴族から当事者、閑職に回された薬師や鉱脈が見つからない鉱夫、進路に迷う子供やその家族などさまざまな登場人物のターニングポイントに出現する謎の屋台という扱いで、こっそり神様の使い扱いされることになります。そしてエピックファンタジー的な王道のクライマックス。作者曰く「ピタゴラスイッチ」。なるほど!
日本人だか元日本人が異世界で日本というか現代地球の食事を再現しようとする話は多すぎるので省略。正直、マヨネーズの開発で一山あてるエピソードはリバーシと合わせて禁じ手にして欲しいと思うくらい。