
「本当ね。節税は大事よ」
自分が探索者としてかなり稼いでおり、ニュースにもなった恐ろしいモンスターを倒したのも自分だと告白した時、両親がまず心配したのは税金のことだった。
どこからかやって来た謎のゆるキャラ生命体、ダンポンによって世界各地にダンジョンが生み出され10年。ダンジョン探索は成功すれば高収入が得られるスポーツの一種として受け入れられるようになっていた。
大学進学を控えた高校3年の壱野泰良は、友人の青木につき合って探索者になるべく大阪梅田ダンジョンに出かけたが、商業施設のように連日長蛇の列ができる賑わい。初心者は1階層で弱いスライムを倒してレベルをあげないといけないが、そこは人がブルーシートを敷いて陣取りしては獲物を取り合ってごった返しで、2階層に降りられるレベル10に上がるのに必要な何千匹というスライムを狩れる状況にはない。
諦めて早々に帰宅した泰良だったが、いつの間にか彼には「PD生成」、自分にしか入れない専用ダンジョンを生成できるスキルが生えていた……。
通常5前後という幸運値が最初から100あることですべてに補正がかかるようになった主人公の冒険記。レベルアップ時の成長率も上限いっぱい上がっているっぽいし、アイテムも常に上振れ。ただ、それでもトップレベルの冒険者は遥かに上にいるし、出現するモンスターだって強くて数が多い。それにアイテムも常にいいものが出過ぎて、逆に欲しいものが出なくなるとか禍福はあざなえる縄のごとしでバランスが取れてますので、主人公がズルいという感覚なく愉しく読了。
【幸運の初期値が異常に高かった高校生が、缶詰ガチャで手に入れたスキルを使って現代ダンジョンで最強になる物語 1】【時野洋輔】【さす】【ブシロードノベル】【缶詰ガチャ】