付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

『ダイナ★コン20』 2009.10/24-25

2009-10-26 | イベント・コンベンション
 名古屋のローカル・コンベンション「ダイナコン」が2年ぶりに開催されるというので高校生の長男と参加してきました。
 受付開始直後に到着するくらいのタイムスケジュールで出発しましたが、途中寄り道した本屋の駐車場で車のバッテリーがあがってしまって修理待ち。購入して3年くらいでいかれることが多く、最近のバッテリーはいったんあがったら充電してもあがりやすくなるので交換した方が良いとのことで2万5千円なり。
 それでも、なんとか夕食開始直後には会場入り。会場となった五色園のフロントのおじさんには「最近ご無沙汰ですねえ。イベントはやられませんか? Tさんは?」と話しかけられ雑談しばし。プロはちゃんと顔と名前を覚えているなあ……。以下、敬称略。

 1コマめは「スゴイ科学で守ります」。スーパー戦隊シリーズを中心に、特撮番組の設定のつじつま合わせを他人が勝手にやると言う企画です。ゲストは長谷川裕一、環望、重馬敬、こやま基夫。
 最近は2チャンやmixiでさんざん語り尽くされているし、戦隊シリーズの矛盾も少なくなっているのであまり大ネタはないねということで始まりました。志葉家の出自についてあれこれ詮索。大陸方面にも話が飛び、赤穂浪士にまで波及するなど波瀾万丈な展開でしたが、やはり雰囲気は低調。最近は平成ライダーの方があれこれ矛盾して破綻して、夏の映画は金返せという出来だったけれどまだ冬があるし……と仕切り直し。キーワードは石文明とカード文明。次回は変形合体の系譜について語るというのも面白そうというあたりで幕。

 その頃、PXではダイナコンも20回ということで記念の巨大ケーキがカットされていました。フルーツたっぷりで美味! でもうちの長男はアレルギーだからメロンが食べられないのだ。

 休憩を挟んで2コマめは「マップス・シェアードワールドを語る」というもので、ゲストは引き続き長谷川裕一、重馬敬、環望。『マップス』のシェアードワールドの企画は実はダイナコンのPX(酒場)の呑み話から生まれたもので、SF作家・マンガ家やアニメーターにもファンが多いのです。
 ということで、その執筆陣募集の経緯や原稿の到着順とか今後の展開とか、表に書けない話も含めてアレコレ。やはりあろひろしの「アマニさん」は大ウケ。やはり玉子スライサー最高。ちゃんと本編のストーリーに合わせながら、ギャグでオチを付ける技量に絶賛。
 最後に、6月に亡くなられた中里融司氏は、まだまだマップス小説を企画されていたらしく、どんなマップスを書こうとしていたのか、断片的な情報から全体像を模索しますが、結局、「あの人はいつもみんなの予想のはるか斜め上を行ったよね」という結論。もっと作品を読みたかったですね。

 一方、PXでは名古屋の中華料理店「四川」の麻婆豆腐が振る舞われていて、みんなその辛さにヒーヒー泣いています。
 ぼくはそんなに気にせず「辛いけど、泣くほどじゃないよね」と平らげましたが、これもかなり冷めていたせいかも。その後に食べたカップラーメンが、ただのあっさり醤油味のはずが、口の中で激カラ唐辛子味に変わって困惑。食べ終わったら涙ボロボロ。閉口しました。

 3コマめは架空戦記部屋に行ったのだけれど、雑談・フリートークといいつつ、いきなり日英同盟についての検討が始まり、門外漢には手に負えそうになかったので早々に退散。「おぼろげ絵画教室」へ移動。
 そこは「お題に従って参加者全員に記憶だけを頼りにイラストを描かす」という企画で、プロも一般参加者もテーマとヒント3つだけで5分ほどで絵を描き、全員で合評会をしてテーマ毎に1番を決めるというもの。たとえば『テーマ:金田伊功の決めポーズ。ヒント:すごいパース、キラキラ光る効果、ヘンな方向に顔や手が向いている』という感じで、いちばん評価が高かったものが一番となり、描いた人が次のお題を決めるというもの。今回のテーマは他に「大鉄人17」「沖田艦長」「不思議の海のナディア」「黄金バット」「オスカルのヌード」。ただし巧すぎても「ふうん」「そうそうこんな感じ」であっさりスルーされるので、「ぜんぜん違う」「でも何を描いたか分かる」というのがポイントみたいです。総合優勝の賞品は全員の作品(門外不出)です。ゲストの長谷川裕一、一本木蛮、田中浩一、環望、こやま基夫らの描く「大鉄人17」とかの「沖田艦長」のイラストも当然含まれています(うろ覚えの5分描きだけれど)。

 そのあたりから、腹にたまった四川麻婆豆腐が暴れ始めて七転八倒。あなどりがたし四川!

 あとは特別に観たい企画もなかったので、ナーフとかいう玩具の銃のシューティングにいる長男の見学。それからファミコン時代のクソゲー体験コーナーの見学。3時に寝て7時起き。
 長男は他に2人しかいない大広間で黙々と『マイケル・ジャクソンのムーン・ウォーカー』をプレイしていたら、いつの間にかクロージング参加者が集まってきて羞恥プレイ状態に。
 クロージングも無事に終了。お土産に横山信義先生の「烈日」上下のサイン本をもらってほくほくで帰還。途中、長男のリクエストで新作オンラインゲームのロケテストをやっているというネカフェに寄り道。着いてみれば、昨夜車が故障した本屋のすぐ裏手で苦笑い。つき合ってネカフェで仮眠のつもりが、そのまま週刊誌を読みふけり、3時帰宅。

 今年もみのり多いダイナコンでした。できれば、毎年開催して欲しいものですが、無理は言えないのが残念です。
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「新編 懐古的洋食事情(1)」 市川ジュン

2009-10-26 | 食・料理
「最初は誰でもわからないのがあたりまえでしょ。知らない新しいものと出会うたび、新しい考え方でやっていけばいいのよ。それが“開化”よ」
 岡倉喜介の母の言葉。

 YOUコミックから出ていた『懐古的洋食事情』をエピソードの年代順に並び替えて文庫化した、その第1巻。明治10年冬から大正8年秋までの9編を収録。
 いちばん好きな話は、見栄と勢いで華族による慈善夜会の主催を引き受けてしまった望月伯爵家の七転八倒と若奥様のマイペースぶりを描いた『大夜会始末記』。洋画家紹月と農家の次男坊の物語『西洋野菜主義』も好きだけれど、こいつは先が見えている、作品中では語られなかったその後が容易に推測できる話だからなあ。紹月、かわいいのに……。

【新編 懐古的洋食事情】【市川ジュン】【ビュッフェ】【西洋料理店】【トマト】【洋画家】【西洋野菜】【アイスクリン】【チョコレート】【コロッケ】【カステラ】【ビール】
コメント (2)
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「まぐろ土佐船」 斎藤健次

2009-10-26 | 食・料理
「絶対、人に憎まれんようにしいよ。一度、睨まれたら助かる命も助からんきに」
 甲板長の助言。1回の航海が600日とか800日続き、食べることしか楽しみのない世界で、食べ物で人間関係がこじれたらタイヘンだ。

 刊行されたのは2000年、文庫版は2003年。ところがこの2009年の春に名駅前大型書店で特設コーナーができてたのでびっくり。特にドラマ化とかいう話はなかったと思うし……で、あらためて読み直してみる。

 出版関係の仕事で行き詰まり、なんとなくマグロ船の仕事なら今までと違った生活ができるんじゃないかと思いつきで飛び込んだものの、力仕事の経験もない都会の男がいきなり行って採用されるような世界じゃない。板子一枚下は地獄の航海で、一度船出したら1年は戻れない。そんな航海に生半可な気持ちの役立たずは連れていけないのだ。
 料理を覚えながら港町で待機して1年半。なんとか船員として採用され、シケの日も海に縄を入れて縄を上げる作業を繰り返して1日15時間労働の世界へと飛び込み、1年後に体調を崩したコック長と交代して以後はひたすら美味いと言われるもの作ろうと奮闘する。自分がこの世界で生き残るためにはそれしかなかったのだ……。

 マグロをマヨネーズで食べるのに慣れなくて苦労したり、余った刺身の処分方法にミリン干しを思いついたりと孤軍奮闘しつつの3度の航海1770日の記録です。
 
【まぐろ土佐船】【斎藤健次】【カシキ】【マヨネーズ】【フォークランド紛争】【転落】【排他的経済水域】【漁業権】【いごっそう】【目玉焼き】
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