付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「フライデイ」 ロバート・A・ハインライン

2009-10-07 | 超能力・超人・サイボーグ
「ほんのすこし穴のあいた秘密は、ほんのすこし妊娠している娘みたいなものですわ」
 機密の保持に関するフライデイ・ジョーンズの言葉。

 人類が宇宙の彼方にまで広がり幾つもの植民世界を築いているが、アメリカは幾つもの国家に分断しているし、それ以外の国も国境を越えるのが難しい時代。フライデイ・ジョーンズは戦闘伝書使として各国を飛び回り、妨害者を殺したり捉えられて拷問を受けたりする日々に生きている。
 だが、彼女が遺伝子操作によって“加速度感覚”と“強化筋力”を付与された超人として生み出された人工人間であることは、3人の夫たちにも秘密だった……。

 秘密文書を正確かつ迅速に運ぶことを任務とする戦闘伝書使のフライデイ・ジョーンズの物語。「combat courier」という単語を思いつき、それを「戦闘伝書使」と訳した段階で、この作品はなかば成功したようなものです。確かに「コンバット」は「戦闘」だし「クーリエ」は「伝書使」だけれど、これを組み合わせるとなぜか格好良くなる不思議です。
 話は面白いけれど、長さに見合う面白さかと言われるとちょっと疑問かも。

【フライデイ】【ハインライン】【暗殺戦争】【植民地】【生殖行為】
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「エリアル07」 笹本祐一

2009-10-07 | 時間SF・次元・平行宇宙
「オンナやってるとね、飲まなきゃやってられない日ってのもあるもんなのよ」
 未成年だけれど西島由貴の言葉。

 昔……といっても1973年頃だから、ほんの35年かそこら前のこと、人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』にジャンボマックスという身長3mの巨人(着ぐるみ)がよく登場していたものです。コント劇のクライマックスにこのヒゲの大男が登場すると大騒ぎになって、うやむやのうちに舞台は暗転して終劇という便利なキャラでした。どんな話で、どんな展開になっていても、こいつが出てくるとオチがついてしまうのですね。
 『ARIEL』の合本も7冊目ですが、ジャンボマックスと同様に星壊しセイバーが出てくると、すべてがしっちゃかめっちゃかになってケリがついてしまうなあとあらためて思った次第。
 第39話「昨日の時計と明日の記憶」はSCEBAIの実験が元で混乱した時空を、美亜が時間管制局エージェントのマックスウェルと共に修復する話。
 そして第40話「帝国の脅威」と第41話「戦士の帰還」は、地球近くの星域でなぜか発生した侵略大手フログレンス艦隊と帝国第三艦隊の衝突が、帝国全土を震撼させる大事件の予兆となる話。セイバーの妻ことクレディア・シヴァハーゲンが登場する回ですが、皆がセイバーは1人ではなかったと恐怖する話。もう地球側は出番なしの話が続き、ただ女子高生だけが元気な話となります。
 書き下ろしはシェラが星壊しセイバーと出会う小学校時代のエピソードマイナス7話「戦士と乙女」。艦隊を指揮するハウザーの辣腕ぶりもセイバーの登場テーマと共にかすんでしまうのが可哀想。まあ、善戦はしたらしいです。

 最近やっと「おばば」こと羽那らいてうの元ネタがハンナ・ライチェと気づいて自分の迂闊さを罵ってみたり。

【エリアル】【ARIEL】【笹本祐一】【鈴木雅久】【ぱられルンルン物語】【園田健一】【タイムトラベラー】【マックスウェル】【人工知能】
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