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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「俺、悪役騎士団長に転生する。」 酒本アズサ

2025-05-10 | 異世界転生
 スタンピード鎮圧に功績を挙げた第三騎士団に与えられた新しい任務は、ジェスの母ドラゴンの探索と仲間に引き入れること。魔王軍の襲撃が現実の物となった今、味方に引き込める可能性のあるものは引き込んでおきたいのだ。
 しかし、そんな国王にも信頼されるようになったジュスタン団長に、王太子エルネストは焦燥感を募らせていた。あんなにふざけた男が別人のようではないか……。

 団長が仲間を増やし、意に反して聖女との仲を深め、ふかふかパンを開発し、死に別れの弟と再会し……といろいろある巻ですが、個人的にはエルネストのいろいろこじらせて転落し、そこから綺麗なエルネストとなって浮上した回という印象。さすが主人公!

【俺、悪役騎士団長に転生する。2】【酒本アズサ】【kodamazon】【カドカワBOOKS】【小説家になろう】【カクヨム】【お兄ちゃん力】【従魔契約】
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「ダンジョンマスター班目2」 有山リョウ

2025-05-09 | 異世界転生
 ダンジョンマスターの頂点に君臨したマダラメのカジノダンジョンは、すでに冒険者ギルドでさえ手出しできなくなっていた。あまりにも地場の利権とがっつり結びつき、カジノの存続が地域の繁栄に直結してしまったからだ。攻略どころではなく、むしろカジノ運営に協力する方だ。
 しかし、そのマダラメを追い落とそうと密かに画策するマスターは未だ少なくない。そこでマダラメはランキング低位の弱小マスターへのテコ入れで数の勝負に打って出た……。

 カジノ経営でダンジョンを繁栄させようというダンジョンマスターもの。今回は邪悪な勇者、班目の弟であり、協力者であり、最大の敵であるサイトウが登場。共栄とか秩序とか関係なしに破壊の限りを尽くします。

 いきなり転生や召喚でダンジョンマスターにされた主人公の物語は、いかにダンジョンを強くして冒険者を撃退するかというゲームの『AZITO』っぽいものと、いかに攻略する必要がないものとして人間社会に受け入れさせるかの2パターン。いろいろ変化球を愉しみたいですね。

【ダンジョンマスター班目2~普通にやっても無理そうだからカジノ作ることにした~】【有山リョウ】【Genyaky】【TOブックス】【異端のギャンブラーが巻き上げるダンジョンロワイヤル】
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「かませ役から始まる転生勇者のセカンドライフ3」 佐遊樹

2025-04-29 | 異世界転生
「自分で自分をいつか許すための過程こそが、人間の生きる道筋、……人生である」
 魔族の村長にアイアスはそんな言葉をかけたらしい。

 ゲームの悪役として落ちぶれる前に引退した勇者ハルートに、イヤな噂が耳に入ってきた。学校卒業以来顔を合わせてもいないハルートの元同級生、世界トップクラスの魔法の腕前を持つ吟遊詩人アイアス・ヴァンガードが、ハルートの個人情報をまとめた冊子を作成し、大規模な同人誌即売イベント「オミケ」で売りさばこうとしているというのだ。
 なんとかそれが世に出る前に阻止しなくてはいけないが、確実に抑えようというならイベント直前、会場に入り込むしかない。しかし、オミケの運営委員会は常に公明正大、勝手に開場前の会場に潜り込むことはできない。ならば出店者として入り込むしかない!
 かくしてハルートは教え子3人を動員して同人誌作成に取りかかった……。

 勇者の血を引く末裔で、剣からビームを出して魔族魔物の軍勢をなぎ払うことはできても魔王だけは倒すことはできない設定になっている男が、ゲーム通りに魔王を倒せる勇者パーティーを育て上げるべく奮闘する学園コメディ。
 今回は個人情報流布を阻止するべく同人誌即売会に突入する前半と、そのきっかけとなった同級生が企んでいる計画を阻止するべきかと火山の麓に殴り込む後半で、一応書籍化としては3巻できりがついたとのこと。ウェブ版はまだまだ続いて面白いのだけれど、まとまりはある山場のポイントなのでちょうど良い区切りと言えば区切りかな。残念ではあるけれど。
 今回も世界のはるか彼方からピンポイントで魔法を当ててくる聖女とか、死んでも強くなって蘇り二度と同じ攻撃が通じない魔族殺しとか見所盛りだくさん。

【かませ役から始まる転生勇者のセカンドライフ3~主人公の追放をやり遂げたら続編主人公を育てることになりました~】【佐遊樹】【柴乃櫂人】【オーバーラップノベルス】【引退した勇者が未来を切り開くドタバタ教導ファンタジー】 【入稿明け】【開場ダッシュ】
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「ゲーム世界転生〈ダン活〉12」 ニシキギ・カエデ

2025-04-24 | 異世界転生
 学園の一大イベント〈クラス対抗戦〉が幕を開けた。2組以下のクラスにとっては下剋上で評価を上げる格好の機会だ。しかし、ゼフィルスたち1組にとってもここでしか手に入らない賞品をゲットしたいから負けられない戦いだ。絶好調の1組に対して他のクラスは互いに同盟を組むなどして包囲網を敷いてくるが、ゼフィルスは〈天下一大星〉や〈マッチョーズ〉まで使いこなして他クラスを翻弄していく。
 戦いは次第に「1組には勝てないから、いかに2位ポジをキープするか」の段階へと移行していくが……。

 今回の表紙はルルとミサトかな?
 要するに仲間を集めてレベルを上げてスキルを獲得しダンジョンを攻略していく……だけの話なのだけれど、ダンジョン攻略に熱すぎるゼフィルスの暴走とそれに振り回される周囲の混乱という勢いだけで10冊以上の話を読ませます。本当に学園外の動向とか恋愛要素とか、ほんのさわりで触れるか触れないかだけなんですね。熱意は大事。
 登場するキャラクターの紹介イラストが丁寧なのもプラス要素かな。

【ゲーム世界転生〈ダン活〉12〜ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を〈はじめから〉プレイする〜 】【ニシキギ・カエデ】【朱里】【TOブックス】【ダンジョン攻略ファンタジー】【小説家になろう】【カクヨム】 【ハリセン女子】【微笑みの筋肉部隊】
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「全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。2」 雨糸雀

2025-04-20 | 異世界転生
「言葉にしなくても伝わる、なんていうのは幻想さ。相手が女性ならなおのことね」
 女性遍歴が豊富なロッシュは、この期に及んで1人でうじうじ考えたあげく、いざとなったら身を投げ出して飛び出すウォルカを叱る。

 ダークファンタジー漫画の世界に転生したウォルカは片目と片足を代償に、本来のストーリーならっさり全滅していたはずのパーティーを救ったが、それは仲間たちにとって難の慰めにもなっていなかった。
 そんな彼らが聖都へ帰る道すがら、あるパーティが病気で抜けたメンバーの穴埋めで商人護衛の協力を持ちかけてきた。その彼らの言動に、ウォルカはクソッタレな『原作』の悪辣なエピソードを思い出していた……。

 未だに周囲が自分にかける激重感情をそれほどまでとは認識していない主人公に、原作キャラの4聖女が興味を抱く回。そもそもは、ランクはそこそこ高いけど男性メンバーが片目片足を失ったウォルカだけで、あとはいかにも可愛らしい少女3人というパーティーが悪い連中に甘く見られたところから話は始まります。

【全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。】【ウォルカが死の淵から目を覚ましたときの話】【ウォルカが聖女全員から包囲網を敷かれる話】【雨糸雀】【kodamazon】【エンターブレイン】【ハッピーエンド至上主義な転生者の「曇らせ」異世界譚】【ハーメルン】【カクヨム】【居合】【抜刀術】
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「路地裏で拾った女の子がバッドエンド後の乙女ゲームのヒロインだった件」 カボチャマスク

2025-04-12 | 異世界転生
 王立魔法学院の下級貴族クラスに通うアッシュ・レーベンが雨の中、びしょ濡れの姿で路地裏で蹲っている少女を拾った。それが乙女ゲーム『絆の魔法と聖なる夜会』(キズヨル)のヒロイン、フィーネ・シュタウトであることに気づいたアッシュは、ゲームが既にバッドエンドに到達していたことを知る。
 フィーネが周囲から「悪女」と罵られ、学院の四騎士や友人だったエリーゼからは退学を迫られていることを聞いたアッシュは、彼女を救済すべく動き出した……。

 乙女ゲーム世界に転生し、どうせモブキャラだからとストーリーに拘わらずに生きてきた男が、同じく転生者によって罠にはめられバッドエンドに陥っていた少女を救うべく反撃し、結果彼女と同居することになる学園小説。
 乙女ゲームの結末ひっくり返しのいわゆる「ざまぁ」展開は、意外にもあっさり序盤で終わり。その後はゲームではフレーバー程度だった敵対勢力との暗闘やら、情勢を裏と表から掌握しようとするエルゼス王太子とのかけひきなどがメインとなっていきますが、今回はウェブの2章が終わったあたりまで。

【路地裏で拾った女の子がバッドエンド後の乙女ゲームのヒロインだった件】【カボチャマスク】【へいろー】【角川スニーカー文庫】【バッドエンド後のヒロインを救済する学園ラブコメディ】【カクヨム
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「悪徳貴族の生存戦略3」 わんた

2025-04-06 | 異世界転生
 隣領のデュラーク男爵はジャックのジラール領に対する野心を捨てず、暗殺者を送り込むだけではなく、境界線ギリギリにまで兵士を送り込んできた。どう見ても侵略間近だが、ここで王家は頼りにできない。もとより魔物の多い辺境の話だ。それくらい自力で守れない領主に用はないのだ……。

 主人公がゲーム世界の主役の親友・モブ・悪役・中ボス・ラスボスに転生しているのに気づき、破滅しないように奔走するテーマの話が昨今は非常に多く、ウェブで読んで書籍化して買って読んでいてもどれがどの話か思い出せないこともしばしば(年齢による機能低下かも)。だいたい波瀾万丈の序盤以降は似たような展開になりがち。つまり能力があって、慢心せずに努力したらみんな普通に主役になるんだから。
 この話にアンカーを打ち込むとしたら「ゲームデザイナーが勇者に転生していて世界を滅ぼしたがっていて、特異点となる主人公を自分がプログラムしていない存在=自分と対等な唯一の存在として執着している」というあたり。破滅フラグだらけのゲーム『悪徳貴族の生存戦略』をデザインした勇者セラビミアは自分の創ったとおりにしか動かない世界で孤独にうんざりして狂いかけているのですね。
 獣人のアデーレや婚約者の女騎士ユリアンヌも魅力的ですが、この話はやはりこの壊れかけた勇者がいちばんのポイント。

【悪徳貴族の生存戦略3】【わんた】【夕薙】【DREノベルス】【悪徳貴族の領地運営ファンタジー】
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「中ボスさんレベル99、最強の部下たちとともに二周目突入!」 猿渡かざみ

2025-03-31 | 異世界転生
『上司より強い部下なんて』
 実は魔王より強い中ボスはいる……。

 勇者の拠点にもっとも近い〈しじまの洞窟〉に中ボスとして配置された千手のナルゴア。捨て石同然だが気にせずダンジョン改革を始めたナルゴアは1年にして難攻不落の大迷宮への立て直しに成功! しかし、そこに攻め寄せてきたのは先に魔王を倒した伝説級の勇者パーティー。
 愛すべき従業員(モンスター)たちを守るため単身勇者に立ち向かったナルゴアは、奸計にはまって倒されたかと思いきや100年後の世界に人間の少年として転生していた……。

 100年後の世界で意識を取り戻してみれば、かつての従業員たちもそこそこ健在……どころかナルゴアの教えを守っているうちに伝説級のモンスターとなっているみたい。ならば、もう一度……と魔王軍再建の冒険が始まります。

【中ボスさんレベル99、最強の部下たちとともに二周目突入!】【猿渡かざみ】【天瀬晴之】【角川スニーカー文庫】【痛快中ボスファンタジー】【中間管理職と頼れる部下たちの、壮快リビルドファンタジー】【小説家になろう
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「剣と魔法と学歴社会5」 西浦真魚

2025-03-28 | 異世界転生
 今度の人生こそ青春を謳歌するぞ!と意気込むアレンだったが、後期最大の青春行事である林間学校はそれどころではなくなっていた。騎士団では〈百折不撓〉とも呼ばれた学園理事にして今はAクラスの担任、ゴドルフェン翁が本気を出して軍事訓練さながらのミッションを押し込んできたのだ。
 限られた時間内に大量の物資を山頂まで運んで城塞跡を奪還、その合間に伝令を遙か彼方の駐屯地まで送り、防衛拠点を構築しながら周辺をパトロールして間諜を捕縛……という無理難題を次々にクリアしていくうちに難易度がどんどん上がり、最後は不眠不休の20名で正規軍一個師団相手に防衛戦を繰り広げることとなった……。

 明るく愉しい異世界学園ライフ。何も考えてなさそうなアレンの言動がちゃんと先の先まで考えているところがポイントですが、周囲がさらにその先まで勝手に想像して感心しまくるあたりはギャップコメディ。アレンくん、さすがにそこまでは考えてないよ?
 そして見せ場見せ場をきちんとイラスト化してくれてますが、今回唯一、フェイとジュエの後ろ姿が描かれなかったことについては遺憾の意を表せざるをえません。

【剣と魔法と学歴社会5~前世はガリ勉だった俺が、今世は風任せで自由に生きたい~】【西浦真魚】【まろ】【カドカワブックス】【小説家になろう】【カクヨム】【コイバナ】【温泉】
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「バスタード・ソードマン5」 ジェームズ・リッチマン

2025-03-22 | 異世界転生
「名誉を軽んじたらいけないぜ。それさえ奪っちまったら……自分の命をかけて戦った兵士に、何も残らなくなっちまうからさ」
 戦争はクソだしムダの塊で、人を殺すのはいけないことだけれど、戦った兵士は誇るべきだとモングレルは戦場帰りのライナに言う。だから今は無事に帰れたことを喜んで呑めと。

 ハルペリアと隣国サングレールとの戦いが始まった。戦いが近付いていることはモングレルたちも気がついていた。依頼が保存食になるようなものが増えていたのだ。
 当然、ギルドマンたちにも招集がかかり、シルバー級以上の者は前線に投入されることとなった。モングレルがブロンズ級に甘んじている理由の1つだ。ブロンズ冒険者の仕事は兵站の手伝いと警備だ。しかし、ライナたち〈アルテミス〉は最前線の要塞に配置されることになっていた……。

 決して表舞台には出ないのだけれど、それでいてなんとなく大きな流れに影響を与えていたのかも……というさじ加減が面白いバッソも5巻。今回は戦争の予兆から戦後処理までとけっこう展開はスピーディーというか、主人公が前線に出ないから戦いの大きな部分かはサクッと流されるのね。

【バスタード・ソードマン5】【ジェームズ・リッチマン】【マツセダイチ】【エンターブレイン】【カドカワの新文芸】【中途半端な適当男の、あまり冒険しない冒険譚】【ハーメルン】【小説家になろう】【サウナ】
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「辺境モブ貴族のウチに嫁いできた悪役令嬢が、めちゃくちゃできる良い嫁なんだが?3」 tera

2025-03-15 | 異世界転生
「間違えてはならない、私はそう自分に言い聞かせて生きてきた--」
 エドワード・グラン・エーテルダムはすべての国民の模範にならないといけないと己を律し続け、周囲が賢者と呼んで自身を見なくなり、鬱屈したものを抱えていたことを認めた。
 ブレイブ領で全身大火傷を負って死にかけ、九死に一生を得たエドワードの人生観は一変したらしい……。

 夏季休暇が終わった。中間試験が終われば二学期最大のイベント「賢者聖祭」だが、成績優秀者として1年生徒会執行部にエドワードともども抜擢されたラグナやアリシア、マリアナはイベント企画に大わらわ。しかも、そんなところに舞い込んだのは、いつの間にか姿を消していたパトリシアが、敵対している公国の聖女として賢者聖祭の来賓で出席するという報せだった……。

 苛めからの決闘騒ぎも瞬殺ですが、それでも一筋縄ではいかないトラブルが頻発するのが飽きさせない理由かな。
 ひたすらコーヒーを煎れているかコーヒー愛を語り続ける(聖女予定)マリアナが良い感じにキャラ立ちし始めてますが、火傷から復活したエドワードの変貌っぷりも良い感じに転がってます。もともと能力は高かったのに、周囲からの期待で歪み、聖女もどきの誘惑に蕩けてしまったのが、巧い具合に流れて固まった感じです。
 そして転生者らしいパトリシアの目的が垣間見えましたが、これまた面倒くさく迷惑な話ですね。

【辺境モブ貴族のウチに嫁いできた悪役令嬢が、めちゃくちゃできる良い嫁なんだが?3】【tera】【徹田】【ドラゴンノベルス】【乙女ゲー世界の悪役令嬢(可愛い嫁)と織り成す夫婦バトルファンタジー!】【カクヨム】【イケメンコンテスト】【まろみ】【学園祭】【十徳ナイフ】
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「辺境モブ貴族のウチに嫁いできた悪役令嬢が、めちゃくちゃできる良い嫁なんだが?2」 tera

2025-03-14 | 異世界転生
「坊ちゃん、誰かに頼って手に入れた力なんて待ち受けているのは破滅ですよ」
 執事セバスはイグナイト家の悪魔憑きをそう評した。

 夏季休暇を利用してブレイブ領に帰省したラグナとアリシアに付いてきたのは、本来なら聖女になるはずだったマリアナ。貴族が怖い内気なメガネっ娘だが実は魔物好きで極度のコーヒーマニアという、こいつこんなに濃すぎるキャラだったっけ?という少女。
 ともあれ、この夏期休暇を利用して2人をレベルアップさせようと領内のダンジョンに向かうラグナだったが、彼はそこでお忍びでやって来ていた王太子エドワードと出会う。エドワードは愛するパトリシアを聖女にするために必要な聖具がダンジョンの奥にあるはずだから、そこに連れて行って欲しいと頼んできた。
 アリシアとの婚約を破棄したエドワードだし、そもそもこのダンジョンは蟻の巣みたいなものなので奥まで行っても何もないことをラグナは知っていたのだが、そこまで言うのならと……。

 とりあえず何があっても「ブレイブ領だから」で済ませてしまう天丼ワールド。なにかというと醜聞に陥れられたり、暗殺者や悪魔が襲ってきたりするのだけれど暗く鬱にはならず、ラグナは常に無敵モードで暗殺者の20や30は無手で「時間がないのになあ」とかいいつつ返り討ちにしちゃうし、ドラゴンとタイマンするし、でもそんなラグナを生暖かく追い詰めるセバス執事は底が知れません。ラグナとアリシアは土魔法で地面掘り返そうとしているし、なんでこんなに厳しい状況のはずなのに軽くスルーしちゃうのかしらん?という痛快展開。
 典型的な男をたぶらかして自分の思うがままに動かしているパトリシアに惚れ込んでしまった王太子の転落の軌跡。愚かとは言え、一途な姿には涙を禁じ得ません。胸くそキャラが一周回ってバケましたよ?

【辺境モブ貴族のウチに嫁いできた悪役令嬢が、めちゃくちゃできる良い嫁なんだが?2】【tera】【徹田】【ドラゴンノベルス】【乙女ゲー世界の悪役令嬢(可愛い嫁)を破滅ルートから救えるのは俺だけ!】【カクヨム】【恋は戦争】【ブートキャンプ】【無詠唱魔術】【土質改善】
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「オルクセン王国史4」 樽見京一郎

2025-03-05 | 異世界転生
「やはり火力。火力は全てを解決する」
 アルトリア攻囲戦を振り返ってのオルクセン総軍司令部の感想。

 エルフィンドの王都への交通の要衝、アルトリア要塞での戦いが始まった。
 攻め手のオルクセン第三軍を指揮するのはシュヴェーリン上級大将。一方、守るエルフィンド軍を指揮するのはダリエンド・マルリアン大将。容姿が若いうちに固定される白エルフの中でも珍しく12歳かそこらの少女にしか見えないマルリアンだが、120年前のロザリンド渓谷会戦の時にはオルクセン軍をさんざんに打ち破った猛将である……。

 「エルフの森を焼くオーク」というネットミームから生まれ、しじつやなどのエピソードを換骨奪胎しながら再構成した異世界戦記。
 エルフもオークも長命種は子供が少ないという特徴があり世代交代に時間がかかるので、戦死者が大量に出ると勝っても負けても戦後は人口減から回復できずに社会構成がぐちゃぐちゃになります。そこでオルクセンが選択したのが砲戦力の重視。兵隊同士がぶつかる前に、いかに敵の数を減らすかが鍵となります……ということで前半はほとんど互いの砲撃の応酬でした。

【オルクセン王国史4~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~】【樽見京一郎】【THORES柴本】【サーガフォレスト】【重厚にして胸アツ!空前絶後の異世界軍事ファンタジー】【小説家になろう】【河川輸送船】【塹壕戦】【長距離砲】
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「闇堕ちラスボス令嬢の幼馴染に転生した。俺が死んだらバッドエンド確定なので最強になったけど、もう闇堕ち【ヤンデレ化】してませんか?1」 オーミヤビ

2025-03-03 | 異世界転生
 転生者アルクス=フォートは自分が乙女ゲー〈セレスティア・キングダム〉の世界に生まれていることに気がついていたが、自分には関係ないことだと思っていた。なぜならゲームは貴族たちの学園が舞台で、庶民しかも孤児院育ちの自分には縁があるはずもないからだ。
 しかし真面目に修練を積み、武芸に秀でて人格的にも問題ない少年に育ったアルクスを、院長は知人である貴族の令嬢の友人役に推挙してしまう。その令嬢は嫌われる黒い髪と瞳と呪われた力を持っており、母親でさえ見捨てたらしい。
 だが、アルクスはその少女を知っていた。ゲームの悪役、起こるイベントほとんどの原因であり、ヒロインたちの前に立ち塞がり、最後は悲惨な最期を遂げるエレオノール・アンシャイネス。学園入学前に幼馴染みが死んだことによって闇堕ちしたという設定だ。
 その死んだ幼馴染みって……?

 悪役令嬢の闇堕ちを回避しようとしてヤンデレ化させてしまう話。続き物で「1」とかタイトルについているけれど、1巻完結ものとしても読めるので手に取りやすいですね。
 コピー能力というのはかなり初期からのチートスキルの代表格でしたが、こういうバランスの取り方もあるんだと納得させられました。

【闇堕ちラスボス令嬢の幼馴染に転生した。俺が死んだらバッドエンド確定なので最強になったけど、もう闇堕ち【ヤンデレ化】してませんか?1】【オーミヤビ】【ヨ剤】【ブレイブ文庫】【試練の儀式】
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「定年後は異世界で種馬生活(2)」 街のぶーらんじぇりー

2025-02-26 | 異世界転生
 ルッツことルートヴィヒ・フォン・フロイデンシュタットとベアトリクス王女、そして侯爵令嬢マルグレーテの結婚式の日となった。第二王女でありながら次期王女が内定しているベアトに敵対する第一王女派閥の仕掛けは衰えず、命の危機もしばしば。
 そんな第一王女派を抑え、切り崩したり、外部から使える配下を集めていくのがベアトらにとってのやるべきことだが、そこで活躍するのがルッツの子種だ。生まれてくる子供の
 だが、問題はグレーテルに子供ができないということだった。英雄の再来とも言われるSクラス光属性なため、抱いた女は確実に孕ますルッツでさえ子種を障壁で防いでしまうのだ……。

 抱かれるのがご褒美と敵対派閥を引き込んだり、敵国の捕虜を配下にしたりと、王配として頑張ってる種馬少年の物語。ちゃんと背景に敵国との衝突とか、次期王位を巡っての抗争とかあっての種馬無双で、話が単調にならずに楽しめます。

【定年後は異世界で種馬生活(2)】【街のぶーらんじぇりー】【武藤此史】【モンスター文庫】【異世界子作りハーレム無双物語】【カクヨム】【モバイルバッテリー能力】【仁】【錬金術】【緊縛用ロープ】
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