「１人でダンジョンは頭がおかしい」ユミエラの半生はあっさり否定された。
１人でダンジョンに入って、魔物寄せの笛を吹けば、レベルなんかどんどん上がるのに。
ドルクネス伯爵家令嬢ユミエラ・ドルクネスは５歳にして覚醒した。自分がＲＰＧ要素の強い乙女ゲーム「光の魔法と勇者様」通称「ヒカユウ」の世界での悪役令嬢に転生していたことに気がついてしまったのだ。
そこで、インドア派の女子大生だった前世のゲーマー魂に火がついてしまった。
黒髪を厭われて両親から放置されていたのを幸い、書庫で書を読み、野山で魔物を狩り、ゲームの舞台である学園に入る頃にはレベル99となっていたが、これは理論上のレベル上限。魔王討伐の推奨レベルが60である。
一方、勇者パーティーとなるはずのヒロインと攻略対象たちは、イチャつくばかりでレベルがまったく上がっていかなかった……。
バランスブレイカーの裏ボスに転生した主人公が、ゲーマーの血が騒ぐままにレベル上げしていくうちに、なにが常識でなにが非常識か分からなくなってしまい、自分の基準で周囲を引っ張り回す話。彼女の「ちょっと危ない」は普通の人の「命の危機」。
【悪役令嬢レベル99～私は裏ボスですが魔王ではありません～】【七夕さとり】【Tea】【カドカワBOOKS】【魔王（ラスボス）よりも強いけど、平穏に暮らしたいんです。】【自動車事故転生】【人間戦略兵器】
エムロード王立魔術学院に臨海学校の季節がやってきた。
「自分で世界を守れるんだから、守れないよりいいに決まってるよ」
「小清水さん、想い出は想い出なんだよ。心の中にとっておくべきもので、幸せは自分で未来に見つけていくしかないんだよ」
「まったくあんたって、どこまでもお人好しで、ヘタレで、絵に描いたようなロクデナシのラッキースケベ野郎なのね……」
魔王の生まれ変わりであるガーラスは、世界征服を夢見て、勇者学園での暗躍を目論んでいた。だが、彼の力の源である「負の感情」をぶつけてくる者が次第に減り始め、ガーラスはエネルギー補給に腐心する。
『どこの世界に女と二人、田舎でのんべんだらりと暮らす魔王がいるのだ』
生活魔術とは日常生活に必要な、ちょっと物を片付けたり、料理したりするのに便利な魔法だが、それをわざわざ専門に学ぶ者は少ない。
書いたはずの１巻感想が見当たらないので再記。
魔人の襲撃を撃退し、凱旋するシンたち。いろいろ失敗もないではなかったが、人類の総力を結集しての勝利を祝う中では些末時に過ぎない。
魔人の脅威に対抗すべく、史上初めての世界連合による軍の集結が始まった。魔人領侵攻作戦である。
魔人たちとの戦いが迫っていた。戦力を増強した世界各国が協力したとしても勝利が難しい敵ではあったが、シン達アルティメット・マジシャンズは既にその半数を撃破しており、期待は否が応でも高まっていた。
「女心か。私にとっては世界最大に謎に等しい」
「……流通させる気なのかい」
魔法学院が長期の夏期休暇に入った。
