付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「フリーランチの時代」 小川一水

2009-10-13 | 宇宙・スペースオペラ
 発売後1年してやっと購入。読むのに3ヶ月……。
 いや、読み始めたらあっという間なんだけれど、最近は積ん読が多く、今買うと積ん読になるからと買うのをためらうと瞬間で店頭から消えるんですよね。

 時間を超えて侵入してきた侵略者との戦い、ファーストコンタクトをきっかけに変化してしまう人類の姿、あるいは対人恐怖症の引きこもりによる太陽系開拓時代、平均寿命が伸びていくうちに事実上の不老不死社会になってしまった世界の混乱など、人間がどう変化していくのかという人類テーマの作品が5本の短編集です。
 「おれたちのピュグマリオン」がもう一歩進むと『Live me ME』になると思い、 『アルワラの潮の音』を読んでいたら、セイバーヘーゲンの『バーサーカー皆殺し軍団』も再読したくなりました。軽いノリで人類が変化していく『フリーランチの時代』には恐怖。フリーランチというのはハインラインがタンスターフルで言及しているやつですね。モーニングサービスで満足しておけばいいのに……。
 個々の短編も面白いですが、作品集として同じテーマでどこまでが「人間」なのか、いろいろなケースを試行錯誤していくところも面白いですね。

【フリーランチの時代】【小川一水】【Slowlife in Starship】【千歳の坂も】【Live me Me.】【アルワラの潮の音】【火星やまと基地】【時砂の王】【幼年期の終り】
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「世界の中心、針山さん(3)」 成田良悟

2009-10-13 | その他SF(スコシフシギとかも)
「まずは疑え。相手の言葉を否定しろという意味じゃない。まずは、考えるんだ。相手の言っている事の意味を、その裏側にあるだろう本心を、ただ、考えるんだ」
 息子をひたすら疑り深い人間に育て上げた霊英二の言葉。

 その町ではひたすら不思議な事件が起きている。宇宙人が攻めてきたり、ゾンビが涌いたり、魔法少女が降臨したり……。
 ただ、頻発に発生しながらも互いに無関係に見える事件には、いつでも冴えないデザイナーの針山真吉さんがかかわっている。彼は何もしないし気づいてもいないけれど、彼こそが世界の中心なのだ。

 高校生の長男に「電撃の発売日だから本屋に連れて行って欲しい」と頼まれ、近所の本屋までひとっ走り。
 いろいろ買い込んだようだったので「面白かった?」と訊ねたら「いやあ、成田良悟はやっぱ面白いや」……待て、おまえはそれは買ってないはずだぞ。
 他もつまらないというほどではなかったけれど、やはり成田良悟は別格なんだそうです。
 針山さんの短編シリーズも3冊目。今回は、竹やりを持った宇宙人と野良パンダが死闘を繰り広げる話と、町工場が巨大ロボットを完成させる話の2つをメインに構成されています。正直、前の巻まではたいして面白いとは思わなかったけれど、この3巻はなぜかツボにはまりました。やはり別格なのかな。ここから読んでも面白い話だと思いました。
 表紙イラストはヤスダスズヒトですが、中のイラストはカラー口絵も含めてほとんどエナミカツミが描いています。それでまた印象ががらりと変わるのも不思議なものというか、読み方がいい加減なのか。

【世界の中心、針山さん】【成田良悟】【ヤスダスズヒト】【エナミカツミ】【かぐや姫】【野良パンダ】【UFO】【MIB】【巨大ロボット】【竹やり】【棺原ラディ】【ぬらりたん】【エタノール様】【オレオレ詐欺】【ガイアシャフト】【37564】
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