春日井市の市役所隣で「いのまたむつみ展」が開催。ぜんぜん知らなかったけれど、友人から招待券をもらったので、夫婦でお出かけ。子供も誘ったけれど、アニメはほとんど観ていた世代じゃなくて、ゲームはやっていないし、本も読んでないし、イラストを描く人でもないのでパスなんだとか。もったいないなー。
あ、この人の絵は最初から完成されてたんや!と思わせる、「宇宙皇子」から「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」「テイルズ・オブ」シリーズを軸に約200点の原画に、表紙イラストを担当した小説や雑誌、ゲームあたりまでを網羅して展示。さらに、東京の「いのまたむつみ展」では展示されなかった「幻夢戦記レダ」の原画まで登場し、これを名古屋でも大阪でもなく、春日井でやれちゃうってスゴいなあとスタッフの意気込みを感じました。
そのまま出口に来てしまったので、今度はじっくりもう1周。
最初から完成してた!と思ったけれど、よく観るとだいたい1983年の「宇宙皇子」からのイラストなんですよね。画業40周年と言っても、アニメーターとして79年デビューなんで、最初の数年の版権イラストがほとんどない。そういう目でよく見ると、「宇宙皇子」と同じ年放映開始の「プラレス三四郎」の前後で変わってます。「プラレス三四郎」のイラストは5枚だけだけれど、4枚目までは、いかにも金田フォロワー的なパースの付け方があるし、色使いも蛍光色を多用して華やか。それが5枚目になると、ポンッと変化して、サイバーフォーミュラみたいなキャラクターになってます。もみあげが違うやん。
「戦国魔神ゴーショーグン」はいのまたむつみの作画が印象的でしたが、版権イラストは影山さんが多かったよなあと思って探してみれば、なんと2点のみ。イラスト原画はタイム誌の表紙を飾ったカットナル将軍のみで、あとはイラスト下絵のコピーのみ。ちょっと寂しい。その代わり、「宇宙戦士バルディオス」の着色コンテが並んでいてびっくり。え、バルディオスやってたっけ? 1話だけ猪股むつみ名義で作画監督やってるけど、これ劇場版だよねえ……当時の記憶なし。バルディオスだもの。
ブレンパワードのイラストはみんな病的に痩せてるよね。あばら浮いてるし。そうでないキャラもいるはずだけど、あばら率高し。心に闇を抱えたキャラが癒やされたら良いなとイラストに花を添えて描いたらしいけど、焼け石に水です。
田辺聖子の古典作品の挿絵はショップに本も並んでいたけれど、原画の鮮やかさとか全然再現されてないなと思いました。本だけ見ると「鮮やか」と思うのだけれど、原画を見た後では物足りません。
あと気になったのは、「『ザ・モーションコミック』で漫画家デビュー」とは略歴に書いてあるけれど、「GBボンバー」のタイトルに言及はないし、現物もなし。「パートタイム戦士HIKARI」は書籍が並んでたのに。
とってもお得なイラスト展でした。これが高校生以下無料で見に行けるって、文化的コミュニティのあるべき姿だと思います。春日井市に引っ越したい。
そういや、魔境伝説アクロバンチは1つもなかったなー。
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