小国アークイラ王国の王女アルエには８歳になる妹セレネがいた。しかし彼女は忌み子として監禁され、いないものとされている。彼女を思い、なんとかしようと腐心するアルエだったが、セレネ本人はまったく気にしていなかった。実はセレネの中身は現代日本から転生してきたおっさんだったのだ。なまけものの引きこもりなセレネには三食昼寝付きの生活はご褒美であり、監禁されているといっても前世の自室よりは遙かに清潔で快適だったのだ。
ところが、偶然に彼女を見かけた大国ヘリファルテの麗しき聖王子ミラノによってセレネは救い出されてしまうが、セレネにとってイケメンは敵。自分を救ったのは慈悲深さではなく、姉の貞操を狙っての所業と勘違いして、彼女は王子と戦うことを決意する……。
単なる怠け者の勘違い娘が、言葉も覚えられずたどたどしいことから本意が伝わらず、逆に考え深い高貴な姫と誤解されていく……勘違い系成り上がりファンタジー。
こういう物語は大長篇化すると鼻持ちならなくなりそうなものだけれど、本篇３冊ちょっきりに完結していると愉しく読めるんですよね。もし、映像化するなら、セレネ姫の本音は副音声で聞きたいところ。
ネズミの執事バトラーの、忠勤に励む有能ぶりも見所です。
【夜伽の国の月光姫１】【青野海鳥】【miyo.N】【TOブックス】【究極の勘違いファンタジー】【お弁当】
北條家使節団の一員として京へやってきた三田康秀は、現代知識と財力を駆使し、次々と交渉を成功させていく。
『戦記物でもあるまいし、戦争はシンプルに勝てるのが一番いいんだよ。多数に少数で勝てて嬉しいのは読者だけ。いつもそんな危ない戦いで連勝するのも難しいから』
2012年春に角川からハードカバーで出た本の文庫化で、多少の変更を加えて角川文庫と角川ビーンズ文庫から上下巻でダブルリリース。
ギルド“ヤオヨロズ”の宴会に招待されたユン。姉のセイも所属する最大手ギルドなだけに、新たな生産素材や機材、ギルド式レベリングなど目新しいことが多い上に、料理に新薬開発にと頼られっぱなし。
「みんな、おまえのせいじゃない。みんな、おまえの為だ」
迷宮が各地に存在し、ドワーフやリザードマン、天狗や獣人などが普通に生活している日本。そこでは高校野球の代わりに、魔物の巣くう迷宮を探索してポイントを競うダンジョン競技が人気スポーツとなっていた。
「周りは森なのに、なんで水が流れるの？ 電気も？」
『野党が少し考えれば分かりそうな頭の悪い質問をよりにもよってひねってくるのには理由がある。それしかテレビやネットに流れていかないのだ』
「あまり他人を舐めるなよ。孤独が好まれるのはガキまでだ」
「信仰って信じる誰かのために狂うことだから」
やっと５人の婚約者との結婚に漕ぎ着けたヴェンデリンだが、それぞれの出自によって序列が定められていて、ベールの長さから何から決まり事があって大わらわ。その上に貴族やら商人やらが自分の娘を６人目７人目の妻だか側室にと売り込みをかけてくるのだが、それほどヴェンデリンが手に入れたヘルタニア渓谷やその他でその領地が安泰というのは誰の目にも明らかだったのだ……。
ついに新学期。
なんとか再試験なしで期末試験を終え、アコも２年生への進級が決まった春休み。秋山さんの提案で、杏マスターのお爺さんの別荘で春合宿をすることになる。ところが雪山遊びも早々に猛吹雪で別荘に閉じ込められてしまう。
