
この作品を「架空戦記」とか「戦記シミュレーション」と思ったらいけないのだと思う。
自分とは違う別の誰かになりたいという変身願望というのは、誰でも一度は通るような道だろう。特に「子供が大人になる」というのは物語の基本。「大人」というのは別に本当の大人とは限らず、スーパーマンでもウルトラマンでも自分にない力を持った超人という理解で良いと思う。
昔は魔法少女がプロフェッショナルな職業の大人に変身したり、少年2人が合体して正義の超人になったりした。今は魔法とか超能力が無くても電脳世界に入ったりすることで小学生でも超人になったりロボットやモンスターと合体できたりする。
それがたまたま青い正義のロボットとかではなく、連合艦隊司令長官や海軍大臣っていうだけなんです。かなり間違っていると思うけれど、基本的理解としてまったく間違ってもいないと思う……。
国家公認の第二次大戦バーチャルシミュレーション・ゲーム“セカンド・ウォー・リアル”。次世代リーダーの育成が目的ということで少年少女に推奨されているけれど、ミリタリーマニアの大人やら実際に戦争を経験し今は現役を引退している老人たちも参加して戦いが繰り広げられている。
連合艦隊「山本五十六」のアバターにカリスマ女子高生を迎えた日本軍は、連合軍プレイヤーの傲慢によるミスもあって連戦連勝。しかし、内政から彼女を支えてきた海軍大臣「米内光政」の“中の人”が海外出張で長期不在に! しかもアメリカ軍はまともなプレイヤーを中心に盛り返し始めていた。
この危機に、「米内光政」の“中の人”の代理として選ばれたのは、メイド喫茶を経営する女子大生にして美貌のデイトレーダー、米田輝だった……。
「GFに諸葛孔明は必要ない。必要なのは、筍攸であり片倉小十郎でありオクセンシェルナだ」
司令長官に代わって作戦を仕切りたい参謀への宇垣参謀長の言葉。これに応える参謀の言葉もいかす。
神栗コンビはあいかわらず元気でした。彼らに限らず新谷ネタが多いなあ。あと今回は『沈黙の艦隊』。今回のポイントは「これはゲームにすぎない」んだということ。ゲームだから勝たなくてはいけない、だから辛く厳しいのも楽しさの内……というのも考え方だし、たかがゲームなんだから好きこのんでやりたくないことをやり、やりたいことをやらないのはバカらしい……というのも考え方。どちらが正解ともいえないというのが面白いし、今までいろいろなゲームをプレイしていて感じたことです。
ところで、この作品世界で湾岸戦争を指揮した統合参謀本部議長として搭乗するのは、コリン・パウエル……ではなくコリン・フィッツウォレス。それ、『The West Wing』の方だーーーーっ!
【女子高生=山本五十六 リローデッド】【志真元】【平井久司】【富沢和雄】【鷲尾直広】【チェス】【チハ改】【航空戦艦】【戦艦大和】【マネージメント】【東京空襲】【マッカーサー】【鉄ちゃん】【絶望的な撤退戦こそ戦の華】【闇将軍】【チェンジ】