付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「レトルトカレー★図鑑」 水野仁輔

2008-07-31 | 食・料理
 とにかく市販されているレトルトカレーのパッケージを集め、分類し、並べた1冊。コメントもちょこちょこ入っているけれど、本当に図鑑。昆虫図鑑や植物図鑑と同じ。
 昔懐かしのボンカレーから、イベント限定のCHAGE and ASKAスープカリー、ご当地ものの馬刺しカレーやら、ポケモンカレーまで徹底的に集めてます。
 それでも校正段階でさらなる新作が追加されるなど、レトルトカレーの世界も果てがないようです。

【レトルトカレー★図鑑】【水野仁輔】【ジョー&飛雄馬】【海軍カレー】
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「風前の灯!冥王星ドーム都市」 野田昌宏

2008-07-30 | 宇宙・スペースオペラ
 冥王星で頻発する通信施設破壊の犯人は冥王星原住民なのか、それとも目撃者が語るようにミイラ怪人なのか!?
 惑星警察機構の捜査官エズラ・ガーニーとジョオン・ランドールは事件が通常の捜査方法では解決できないことを確信し、太陽系政府主席はキャプテン・フューチャーを召喚する。
 だが、捜査に乗り出したキャプテン・フューチャーらの前に、火星の魔術師ウル・クォルンが立ちふさがる!

 シリーズの訳者であり、『銀河乞食軍団』を代表作とするスペースオペラ作家・野田昌宏が、原作者ハミルトンの遺族の了承を得て書きあげたオリジナル長編で、これを以て創元推理文庫のキャプテン・フューチャー全集は完結します。

 月の研究所を隠れ家とし、小型の万能宇宙船を駆って正義のために戦う科学冒険家! 宇宙服のヘルメットは金魚鉢型で、光線銃からはミニラみたいな輪っかの光線が発射され、敵は悪の魔法科学者、異星人!
 やはりスペース・オペラの金字塔であり代表作。これを読まずにスペオペを語るな!と言いたくもなります。

【風前の灯!冥王星ドーム都市】【野田昌宏】【キャプテン・フューチャー】
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「七本腕のジェシカ II」 木村航

2008-07-29 | 破滅SF・侵略・新世界
 やっと出ましたよ。『七本腕のジェシカ』の2巻目。やはり、ここは2冊続けて読みたいところ。ちょっと間隔空きすぎですね。ここは文句言いたい。わかんないよ。で、せめて巻頭に登場人物紹介を付けてくれい。口絵のキャライラストだけでは思い出せず、結局1巻から読み直しだよん。
 まあ、それはそれで文句はありませんが(文句つけてるけど)。

「三次元世界で生きるには、正直者でいるのがいちばん楽だし、強いわ。モチベーションの方向が明確になるの。やりたいことを、やりたいようにやるのが長生きするコツ」
 貴族ヘルマの言葉。正直は美徳という話かと思ったら、ジャイアニズムの推奨だった(笑)。

 日本SFでは少ないとも言われたことのある「文明世界破滅後の異形な社会」を舞台にした物語は、なんのことはない。ヤングアダルト、ライトノベルでは普通に舞台となっていて、重いテーマを一見軽そうなキャラクターで取っつきやすくしているのだ。そういう視点で見ると、木村航はポスト・ホロコーストものが多い作家ということになるかもしれません。
 美女美少女がわーっと出てきて暴れ回り、その渦中で語り手の少年が右往左往することが多いようなイメージだけれど、実際はキャラクターよりストーリーに比重が傾いているので、ぐっと重い。
 ほぼ不老長寿の貴族/吸血鬼に支配された世界。貴族の支配する街に現れては、刈取りをしていくジェシカの物語。誰よりも強いだろうはずなのに、周囲の思惑に翻弄されているだけのように見えるのはなぜ?
 なんとなく主人公が頼りないところと、異様な世界観の息吹が感じられるあたり、ティム・パワーズの『奇人宮の宴』を連想してしまいました。他に似ているところはないのにね。

【七本腕のジェシカ】【木村航】【魔王】
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「妖殺鬼行」 菊地秀行

2008-07-28 | スポーツ・武道
 いやあ、バイオレンスノベル・ポーカーままなタイトルですねえ。
 もとは祥伝社から発行されたというし、米ソなんて言ってるからかなり前かな。一頃は、月刊菊地秀行、週刊吉岡平というくらい、追いかけている作家の新刊が矢継ぎ早に出てさじ投げた時期がありまして、その頃なのかな。

「悪魔が語ろうと真理は真理だ。正しいものはやはり正しい」
 内原陶二の言葉。

 闇の暗殺者集団となった新興空手団体を叩き潰さんと、本家が怒ってやってきて、妖魔のカケラも出てこないけれど、もう一歩でそっちの世界に入り込みそうな武闘家たちが殺し合うという話。
 とりあえず表紙買いですが、最初は単なるドサンピンと思われていた陶二くんが最後まで頑張ったのは良かった。でも、人妻・直子さんは最後までアイテム扱いでぽんぽん陣営をたらい回しにされてましたね。困ったものです。

【菊地秀行】【妖殺鬼行】【空手】【空中浮遊】
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「懐かしのアメリカTV映画史」 瀬戸川宗太

2008-07-27 | エッセー・人文・科学
 なんとなく70~80年代を回顧する本が目立つなあと思いつつ、購入。寝る前にぱらぱらと読み続けやつと読了。
 アメリカを中心にしたTV番組製作、日本での放映、その当時の世相を56年から67年にかけて調べたもので、最後に日米テレビ映画史年表が付いていてちょっとお得。SFとかはそこそこあるけど、一般の番組まで網羅した本ってあんまりないもんね。「ズバリ!当てましょう」なんて聞くと懐かしいぎりぎりの世代です。

【懐かしのアメリカTV映画史】【ルーシーショー】【スーパーマン】
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「ドレスデン・ファイル 魔を呼ぶ嵐」 ジム・ブッチャー

2008-07-26 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 魔法は命そのものであり、この世を作っている要素と自然の交わりから生まれたものであり、あらゆる生き物、とりわけ人間のエネルギーが作り出したものだ。
 ハリー・ドレスデンの言葉。

 シカゴのあるビルの一室に、失せ物探しと超常現象調査を看板に掲げた事務所があった。ハリー・ドレスデン、イエローページに名前が載る唯一の魔法使いだった。
 そのドレスデンのもとに疾走した夫を捜して欲しいという依頼の電話が入るが、依頼主が事務所に現れる直前に警察に呼び出されてしまう。ホテルで発生した不可解な殺人事件について参考意見が欲しいというのだ……。

 21世紀のシカゴ。ドレスデンは魔法使いを名乗っており、大半の人は冗談だと思って相手にしないけれど、彼は本物の魔法使いなのだ。彼に専門家としての意見を求めてくる警察も、多くの者はイカサマ師と思いこんでおり、現実に魔法使いやフェアリイや吸血鬼が存在していることを知っている者はその恐怖の記憶を押し込めようとしている。
 そんな状況下で、ドレスデンはハードボイルド探偵のパターンに違わず、事件に巻き込まれ、命を狙われ、しかも周囲には彼自身が犯人と思いこまれてしまう。果たしてドレスデンは生き残り、かつ真犯人を捕らえて無実を証明することができるのか……。
 読み始めたら一気に読んでしまいました。正統派のハードボイルドでした。

【ハードボイルド】【ファンタジー】【依頼人の裏切り】【冤罪】【嵐】【麻薬】
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「純情感情エイリアン~地球防衛部と僕と桃先輩」 こばやしゆうき

2008-07-25 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 部活紹介で壇上に立った少女に心引かれた新入生、赤城雄太は、友人たちの制止も振り切り地球防衛部への入部を決意する。
 この変な名前のサークルは、運動部顔負けのトレーニングをするとか死人が出たという噂もあったけれど、実は本当に地球の未来を守るサークルだったのだ……。

 高校部活の延長で侵略宇宙人と対決するという、「怪奇大作戦」+「究極超人あ~る」といった感じ。
 面白かったけれど、この主人公赤城くんのどこが桃先輩や転校生の天野さんに気に入られるような取り柄があるのか、最後までよく分からなかったです。
 男女の仲は、第三者には理解しがたいものがあるなー。

【地球防衛部】【こばやしゆうき】【UFO】【純情感情エイリアン】【寄生】【OB】
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「とてつもない日本」 麻生太郎

2008-07-24 | エッセー・人文・科学
 麻生太郎……論旨に賛成のところも反対のところもあるけれど、首尾一貫して理路整然としていて、根拠を持ってポジティブな視点を提供しているのは良いね。
 なんか、あやふやに言葉を誤魔化したり、いつも豹変していたり、ジコチューネガティブな政治家ばかり目立つので、好き嫌い別として貴重な存在です。

【とてつもない日本】【麻生太郎】
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「レインツリーの国」 有川浩

2008-07-23 | その他フィクション
 気まぐれに、昔好きだった本の書評をインターネットで検索していた伸之は、自分と同じような感想を書いているサイトを見つける。
 でも、自分とまったく同じ意見でもない。男と女の感覚の違いだろうか。自分が忘れられない本を、同じように好きな相手だと感じた伸之は思わず感想を書いて送り、それをきっかけに「伸」と「ひとみ」のメール交換が始まった。
 やがて、リアルで会って話をしようということになるのだが、現実の「ひとみ」はインターネット上での文章から受ける印象とどこか違っていた……。

 「伸」の忘れられない本について、極めて大雑把なあらすじを読んでいて、どこかで読んだことがあるような気がした。痛快な高校生たちの波瀾万丈の冒険と一転して物悲しい結末……笹本祐一の『妖精作戦』みたいだなあと思ったら、その本のタイトルは『フェアリーゲーム』。あ、もしかして、これのことかな……?
 だったら、自分にも言いたいことがある。
ありゃあ、ないだろう!?
 大義名分を振りかざし、権威を頼みに少女を追い詰める大人たちを、少年少女がはねかえす冒険活劇。でも、最後は大人の論理に負けるんだよねえ……。(08.07/23)

 あ、WEB本の雑誌「作家の読書道」第68回のインタビューで作者自ら「妖精作戦」と言い切ってら。(08.09/10)

 ……というか、巻末に参考文献で名前があがってるじゃん……。

【レインツリーの国】【有川浩】【聴覚障害】
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「遠すぎた星 老人と宇宙2」 ジョン・スコルジー

2008-07-22 | ミリタリーSF・未来戦記
「遺伝子が肉体を夢見て、そこに魂が住まうのだ」
 ララエィ族の哲学者のことば。

 銀河宇宙へ進出した人類を待っていたのは、過酷な生存競争だった。
 タイプの似通った生命体は、当然好む生息環境も似てくる。すなわち、同じ星の奪い合いであり、少しでも弱みを見せれば、他種族に滅ぼされてしまうのが銀河の常であった。
 兵器の科学力では何とか銀河勢力と対抗しうるレベルに達していたものの、それを扱う兵士の肉体は遙かに劣り、彼らと互角に戦うために、人類のコロニー連合は遺伝子操作とクローニングとナノテクをフル活用して最強兵士を生み出していた。
 ジェレド・ディラックは地球人のクローンから生み出されたゴースト部隊の隊員であったが、同時に1つの大きな秘密を背負わされていた。
 彼は人類の裏切り者、天才科学者ブーティンの思考を調査するために生み出されたのだった……。

 前作『老人と宇宙』にちらりと登場したゴースト部隊を主役にした物語。
 年老いた老人たちが自分の若いクローン体(能力強化済み)に意識を移すという一般兵士と異なり、ゴースト部隊は最初から兵士として促成栽培された存在。人間にとってはフランケンシュタインの怪物。埋め込まれた補助脳ブレインパルをフル活用して仲間同士でのデータ共有する、個にして全の兵士たち。
 そんな彼らが資料として、いろいろ過去の小説や映画を鑑賞するわけですが、ハインライン『宇宙の戦士』、ホールドマン『終わりなき戦い』、ウエルズ『宇宙戦争』、カード『エンダーのゲーム』……ってみんな読んでるよ。ちなみに『スターウォーズ』鑑賞後、「イウォーク族は皆殺しにすべきだという意見には全員が賛同した」そうです。

【老人と宇宙】【遠すぎた星】【ガメラン】【スコルジー】【クローン】【意識転送】【補助脳】
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「KLAN[X] 宿敵編」 岡崎裕信

2008-07-21 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「虎の血族は中国大陸に多く生息しとるけれども、ホームグラウントいうたらまた話は別やったんや。虎のホームグラウントいうたら、それは日本の……そんなアホな」
 さあ、そこはどこでしょう?

 クランと呼ばれる獣人、ハムランムルの血族があった。
 その数は4つ。虎、熊、狼、そして獅子。
 それぞれの血族は互いに干渉しないという、太古からの掟を破り、獅子の血族が動き出した。その総帥、リンフォード伯爵の目的は世界に5万人ほどはいるという全クランの統一のみならず、太陽系第三惑星をその手に掴むことだった。
 その伯爵の行く手にふさがるのは日高虎ノ介。霧のロンドンで、獅子と虎の戦いが始まる!

 田中芳樹が書き始めたものの、すぐに中断し、やがて他の若手作家が「原案・田中芳樹」で書き継ぎ始めるようになったKLANシリーズもいよいよ最終章のようです。
 とはいえ、まともに読んだのは最初の1冊。続く霜越かほるも好きな作家だけれど、なんとなく手を出さないまま放置していましたが、岡崎裕信が書くとなったら読まずばなりません。
 シリーズそのものは田中芳樹の原案に依るところが大きく、巻末の著者紹介も田中芳樹のみ。でも、岡崎裕信はまだまだ構成に難はある気はしますが、迫力ある個対個の戦闘を描写させたらピカイチです。というか、放っておくといつまでも戦い続けるような作家。それをまた飽きさせずにぐいぐいと読ませちゃうんですよね。
 今作でも期待を裏切られることはなく、ロンドン塔での獅子対虎の一騎打ち、大阪廃ホテルでの虐殺と、たっぷり魅せてくれました。
 残る2冊も楽しみです。

【KLAN】【田中芳樹】【獣人】【岡崎裕信】
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「メイルゲーム完全ガイド」 光栄ゲームパラダイス外伝

2008-07-20 | エッセー・人文・科学
 干支を一回りした、もう骨董品である。
 本書は「メイルゲーム」はチェスの郵便対戦を含めた「PBM」から派生したジャンルと定義し、その遊び方や内容紹介、解説等をおこなったもの。
 1995年発行の本であり、メインの特集に組まれているPBMはいずれも過去の作品となってしまったが、今読んでもけっこう面白い。面白いというのは、そこでの作り手側の問題意識の焦点がインタビューや寄稿などから読みとれるからですね。

 「PCの行動成果がハッキリしていることが、初心者に優しいということだ」「いつでも新鮮に、常に変わっていきたい」「ゲーム性を売りにしたゲームがあってもいいじゃないか」という遊演体。
 「シナリオやメッセージ性よりも、プレイヤーのやりたいことをやらせることが重要」「相手を蹴落とさないと勝利できないゲームはつくりたくない」というホビーデータ。
 「テーブルトークRPGの感覚を持ち込みたい」「PCの成長を演出したい」というコスモエンジニアリング。
 「しっかりした作品を作れば、どんなメディアにも通用する」「プレイヤーがシナリオに及ぼす影響は凄い」というエム・ツー。
 「絵を豊富に、視覚に訴えていく」「入りそうな要素はすべて詰め込む」というガデスレーベル。
 語った人間が今も同じ会社にいるとは限らないし、会社の方針も常に変わっているかもしれないし……今となっては大半が消えたか撤退しているわけです。
 でも、まあ、一見当たり前のこうした事柄について、この時期に彼らが“それ”を語ったということが重要なのです。
 そして最後に門倉直人氏による寄稿が掲載されています。
 「大人数を扱うのでシナリオのコントロールが難しいし、個々のキャラの描写も希薄になるという声もあるが、ネットゲームにおいては大人数であること自体が強みであり存在価値なのだ」「物語が“与えられる”ことと“創られる”ことは違う」「リアクションを読んだときに、“自分自身が参加し体験した、もう1つの現実である”と感じられることが理想なのだ」…。

 PBM、メイルゲーム、ネットゲーム、郵便遊戯について語ろうというなら、この最後の寄稿だけでも、古本屋の立ち読みでも良いから一読しておいて欲しいと思いますね。

【光栄ゲームパラダイス外伝】【メイルゲーム】
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「妖獣都市 黒天使」 菊地秀行

2008-07-19 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 美少女は、ある日突然、急に、覚醒する。
 そういうものである。


 だよね~?
 闇ガードの新作の、学園バイオレンス。

 36人のはずのクラスに38人いると気づいたときから、三ツ森たきの世界は変わった。
 クラスメートが、サークルの仲間が、先生が、家族が……なにかおかしい。どこかおかしい。
 人間じゃないのが、混ざっている!?

 シチュエーションとしては面白いし、闇ガード+女子高生で、クラスメイトの箕輪明日美と清水紀美子もなかなか良いキャラだよねえ。
 ただ、作品としてはかなり粗いんでないかな。
 細切れの雑誌連載だったようだけれど、いろんなエピソードやキャラが雑然と配置されてるような気がします。雑誌で読んでたら気にならなかったかも知れないけれど、まとめて一気読みすると数を数えたのはいつなんだよとか、手紙ってなんだったんだとか、気になるなあ……。
 特に伏線も何も関係無しの、最後の契約がらみの応酬が興ざめ。
 でも、表紙で許す。

【菊地秀行】【妖獣都市】【黒天使】【闇ガード】【女子高生】【偽りの記憶】
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「ラブコメ今昔」 有川浩

2008-07-18 | その他フィクション
初っ端で首輪をかけにいくような女は引かれる可能性が大だ。狩りの基本である。

 有川浩がデビュー以来、主に書き続けてきた「ミリタリー+ラブストーリー」路線そのままに展開する6編の恋愛小説集。いきなり「習志野空挺」と出てくるように、すべて自衛官のエピソード。
 まあ、ハードSFも科学者が読めばアラを見つけるように、自衛隊を部隊にした恋愛小説も現職自衛官が読めばアラを見つけるかも知れませんが、科学者が科学論文書いたって他の科学者がアラを見つけますから、一般読者が読む分には十分マニアックです。
 表題は「ラブコメ」だけれど、旦那のストーカーの話とかもあるんで、全部ラブコメというわけではない気がするけど、結局は甘ったるい恋愛小説集ではあるよね。
 他人の恋愛沙汰を横から見ていて笑えるかどうかは読み手次第。私は笑えましたが、基本に「プロフェッショナル」な職業人の姿勢があるので気持ちが良いです。
 恋愛も良いけれど、それで周囲に迷惑をかけて無責任に突っ走る話はキライですが、そのあたりのプロの矜恃が前提なのでバカなやりとりも安心して愉しめます。

【ラブコメ今昔】【有川浩】【海外派遣】【ブルーインパルス】【ワンフェス】
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「楽園の日々」 アーサー・C・クラーク

2008-07-17 | エッセー・人文・科学
「強制収容所で何が起こっているかは知らなかった。だが、薄々は感づいていたし、わたしの地位にあれば突き止めることができたと思う。そうはしなかったが、そのことで自分を軽蔑している」
 ヴェルナー・フォン・ブラウン。

 クラークが自分が初めてSFに触れたときから晩年までを振り返り、出会った作品や作家や編集者や科学者たちについて語り尽くした1冊。

 餓えたSF作家にとって、超空間はいつも天の賜物だ。それはスイスのアーミーナイフぐらい多くの目的に使える。

 しかし、今では名を知る者もほとんどいないパルプ雑誌のスペースオペラを、いかにもSF者らしく「これは科学的に正しくない」と切り捨てたり、宇宙空間を宇宙服無しで渡るのは不可能ではないと指摘(危険なのは真空でも低温でもなく、空気の欠乏だ)したかと思えば、ラブクラフトの作品群に賛辞を送ったりと、クラークも懐が深いや。 

【楽園の日々】【キャンベル】【ドゥーリトル】【宇宙開発】【ロケット協会】
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