時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

父の撮した時間

2023-08-31 | essay
父が昔仕事でヨーロッパへ行っていた頃の写真。

仕舞い込んでいた大量の古い写真を発掘。
多分これはロンドンだと思われる。

「ヨーロッパから戻ったら俺のことはすっかり忘れててお前に大泣きされたんや〜」とよく父が話してくれた。
わたしが2歳の頃らしいので、1960年代終わり頃の写真だ。
昔のプリントはさすがしっかりしている。
もう50年以上経っているとは思えない。紙質がとても良い。

とても気に入ったこの一枚をTシャツにしてみた。
とても気に入って着ている。
父が元気な頃に思いついたらよかった。
父によく似合いそうなのにな。

5月に父が他界してからもうすぐ4ヶ月。
父の夢をみないのは何故だろう。

以前よく父と夢の話をした。
時々、二人でとてもよく似た夢をみることがあり、夢の世界は大きなどこかの世界と繋がっているに違いないとふたりで話していた。

いつだったか、ふざけて
あっちへ行ったらこっちとコミュニケーションをとれるようサイン送ってよ!と話していたんだけどなぁ。

今のところなんのサインもない。
それとも気付かないだけかな。

お父さん、夢に出てきてこの写真どこの街角だったのか教えてー!笑






映画「君たちはどう生きるか」

2023-08-26 | 映画 のこと
映画「君たちはどう生きるか」監督/宮﨑駿

素晴らしい映像美。。

冒頭の階段を駆け上がるシーンの迫力ある臨場感にすっかりスクリーンに引きずり込まれ、そのまま夢をみているような映画時間でありました。

これはやっぱり映画館で観てこそな映画です。

宮崎駿さん、全部出し切りましたね!
と受け取りました。
この話題の映画は賛否両論あるけれど、
わたしは断然、前者です。

難解だとか言われているけれど、それでいいんです。
ありのままを受け止めて、すっぽり宮崎駿氏の世界観に呑み込まれてしまえばいいのです。

我知らず熱い涙が頬を伝い、清々しくラストを迎える。。。
一緒に長い夢の中にいたような、フシギな気持ち。

この映画は生と死、生き直し、そして深い「母」の愛の物語なのだと感じます。

この特別な空気感を持つ映画の中にまた潜り込みたくなって、実は二度目の映画館。

短期間のうちに同じ映画を観に映画館に足を運ぶなんてわたしには滅多にないこと。数十年振りのことか??
(あれ?クイーンの映画を2度観たっけか)

映画って、観る者の年齢や経験、立ち位置でかなり変わるもの。
この映画、わたしはいつの間にか母目線で観ていることに気づきました。
それ故のナミダだったのでありましょう。

少しでも気になっている方はぜひ、上映中にスクリーンで観ることをオススメします。





新種の傘クラゲ

2023-08-22 | essay

透明傘は
雨が上がるとクラゲになります

あまりにきれいだったので
記念にパチリ
家を出る時にひどい雨だったので前がよく見える透明傘をあえて差して出掛けたものの…
雨の後、透明傘は
日傘にはまったくならないのがざんねんです

せっかくなのでおひさまに乾かしてもらいつつ帰りました。

ゲリラ豪雨、気をつけようがないですがこころ構えだけはしっかりしておきたいですね




デイリークイーンと映画の日々

2023-08-19 | essay


家業の店番。店の外は溶けるような暑さで人影は疎らだ。

アイスクリームが食べたいなぁ。と思考が勝手に巡る。

昔、銀座にあったファーストフード店。
なんて名前だったかなあ。

しばらく考えていたら、
思い出した。

そうだ、デイリークイーン。

コーヒーゼリーにソフトクリームを乗せたやつ。
あれ、絶品だったなあ。

ぽよんとした形のソフトクリームにキャラメルソースのかかったのも美味しかったなあ。

昔々就職したばかりの頃、仕事帰りに学生時代のともだちと「銀座文化」に古い映画をよく観に行った。

いつもデイリークイーンで待ち合わせて映画の前に腹ごしらえしていた銀座店。

そういえば、デイリークイーンってもう見かけない?
と思って調べたら、日本から店舗は全て撤退していた。

そもそもアメリカのチェーン店だから海外では今も人気みたい。

銀座文化ではその頃、2週間周期で古き良きハリウッド映画などを上映していて、お陰様で往年の数々の名作映画をちゃんと映画館のスクリーンで観ることができた。

その銀座文化劇場も、もうかなり前にシネスイッチ銀座に統合されてリニューアルされた。

デイリークイーンに銀座文化。。。

いつの間にか昔を思い出して懐かしく思うようなお年頃になったということか。。。

そのころ新卒で就職した浜松町にあった会社を先日山手線の車窓から見たら、もうビルが取り壊されていた。

転職してからは行くこともなかったけれど、あのビルの窓から線路を見下ろしながら、会社と社会への闘志を燃やしていた若きジブンのキモチは今もまだ思い出せる。

エネルギーの塊を抱えて持て余す火の玉みたいなやつだったなぁ、わたし。

ここから眺めるととんでもなく青い若造だったし、正義を振りかざして闇雲に走るワタシは周りがちゃんと見えていなかったことがよく解る。

それでも、ニンゲン時にはジブンのココロに忠実に闘うことも必要だもの。

いくら青クサくても、見ぬふりをして長いものに巻かれるくらいなら声を上げる方を選ぶ。

今のわたしでも同じことをしそうだな。


あんなことこんなこと、いろんなことを積み重ねて今がある。

どこまで続く道なのかはわからないけれど、まだまだ人生道半ば。

行けるとこまでころころと転がっていきましょかー



先日久しぶりにみたきれいな夕焼け。


あ、冷凍庫の白くまアイスいただくとしましょう。












夏の午後と電車と綿毛

2023-08-18 | essay

いつもは乗らない路線に乗るとちょっとよそゆきな気持ちになる。
乗り換えまでほんの数駅、電車に揺られながら
ぼんやりとものを思う。

眼の前で並んで揺れる吊り革。
いや。もはや「つり革」じゃないし。
しっかり強いポリ塩化ビニール製か。

昔ながらの名称って
改めて考えるとおもしろい。
革製だった吊り革を見たことがある人はもうほとんどいないかもしれないのに、「つり革」で通じてしまうのだもの。


灼熱のホームで電車を待っていたら、線路上を大きな綿毛が次から次へとふわりふわり。
なんの綿毛だろう。直径5センチはありそう。
滑り込んできた電車に舞い上げられて青い空へ悠々と飛んで行った。。
電車を待つ間にも周りの人々は手元の画面しか見ていない。
陽射しをまとった綿毛たちは魔法みたいにきれいなのに、見逃すなんてもったいないことを。
なんて思うわたしはかなり少数派なんだろうな。

ふわりふわり思い思いに風をつかまえてどこまでも。どこまでも。。。

白昼夢をみているような夏の午後の一幕でありました。
(もはや暑さにやられて朦朧としていたのか?笑)





光 テート美術館展

2023-08-17 | 展覧会・アート のこと

テート美術館展 光
ターナー、印象派から現代へ

国立新美術館。
ここを訪れるのは
コロナ禍を経て四年ぶり位かも。
晴れた日のこの建物がとてもすきなのだけれど、この日は変わりやすい天気で薄曇り。
それでもやっぱりこのコントラストとカーブ、うつくしい。

光がテーマのこの展覧会。
ジョン・コンスタブルの空も観れたし、いくつかとても惹かれる絵に出逢った。
ジョン・エヴァレット・ミレイの「露に濡れたハリエニシダ」
この露の光と靄のうつくしさには溜め息…。
ミレイといえばあの「オフィーリア」の!と、後から気づく。
この床に映る光。。。
かなり好み。
(この絵を観ながら庭園美術館の書庫室でみた光景を思い出していました)
カンディンスキーは今まで一度もピンときたことがなかったのだけれど、この一枚はすきだな。

たくさん並ぶ名画の中、
素直なココロですきだと想う絵を見つける。。。
なんて贅沢な時間。

光と影。
以前新美術館が出来たばかりの頃に観た展覧会「陰翳礼讃」を思い出した。
あの展覧会はとても印象深く、滅多に買わない図録も購入。
あの図録、どこやったっけ?
見つけて観てみよう。

「テート美術館 光」
2023年10月2日まで開催中。








贈りもの玉

2023-08-15 | essay

雨上がりの晴れた朝

葉っぱに残る水玉がとてもとてもきれいだ
なによりすてきな空からの贈り物。

グリーンがすきだった母は、今頃あの世の庭でたくさんの植物に囲まれているだろうか。

その庭に、もう父が訪ねて行けているだろうか。

彼の世のことは全て想像でしかないけれど
母が父をにこやかに迎えてあげているといい。
88歳の最期まで青年の心を持っていた父を、母が赦して抱擁してあげているといい。

もう秋の虫が鳴き始めた。
今年のお盆も母の郷にお参りに行けなかったけれど
想いは届いていると
信じたい。









熱気に溶かす。

2023-08-12 | essay

夏雲のハート♡

街の夏はすきじゃないけれど
街の夏空の表情はすきだ。

大きく形を変えながら
いろんな顔を見せてくれる雲。
透けるようなヘブンリーブルーの空。
雲を真似るビルの鏡。

熱気を抱きながら暮れゆく夏の夕空。

大人になるっていうのは
記憶を空気に溶け込ませるのが上手になるってことなんだな
と、唐突に知る。

言い換えれば
いい塩梅に忘却力がついたということか。

濃厚な夏の熱気に上手に溶かして空へ送ってしまおう。













ふしぎなきもちになるアート

2023-08-11 | 展覧会・アート のこと
野又穣 個展
「continuum 想像の語彙」
東京オペラシティアートギャラリー

新宿での女子会前に
初台にヨリミチ。

すこーんと突き抜けるような清々しさのあるアート。





ヒトの作ったものと自然のうつくしい調和。。。
でもどこか廃墟的な寂寥感が漂う。
植物はあるのに人影がないからだ。と気づいて、どの絵の中にもニンゲンを探してしまった。
たくさんの絵の中で、たった一枚にだけ2人のヒトをみつけた。
そして、電燈の灯る絵にヒトの気配を感じてなぜかほっとする。


昇りたくなる階段。
一枚一枚、絵の中に入って中を探索したくなる。
こんなふしぎな建物たち見たことないはずなのに、何故か知っているような懐かしいようなキモチになる。
雲の色のせいだろうか。

東京オペラシティアートギャラリーにて2023年9月24日まで開催中。

東京オペラシティの建物もアートですね












「杉浦非水の大切なもの」川越市立美術館

2023-08-08 | 展覧会・アート のこと

「杉浦非水の大切なもの
初公開・知られざる戦争疎開資料」川越市立美術館へ

日本のグラフィックデザインの魁、三越の看板デザイナーとしての仕事のほか、ポスター、雑誌表紙、装丁など幅広い分野で活躍した図案家・杉浦非水(1876〜1965)の作品展を観てきました。

友だちに誘われて調べてみるまでお名前は知らなかったのだけれど、あの時代のポスターや雑誌の色合いやデザインは大好物。
実際、どれもこれも素晴らしい作品がたくさん!!


地下鉄上野浅草間開通のポスター。
なんともモダンなホームの乗客たち!

そしてとても気に入った一枚!色合いに惚れました。
そう言うわたしに、友人が図録から送ってくれました!
ありがとう〜

見どころいっぱいの展覧会でありました。
小さな缶バッジ買っちゃいました〜。

川越市立美術館にて
9月3日まで開催中です


この日はあまりの暑さに普段ひとの多い川越の街も人影疎ら。。
猛暑故、なるべくバスでの移動がお勧めです。






ハニワににっこり

2023-08-06 | 展覧会・アート のこと
先日古代メキシコ展を観終えた頃、突然の雷と豪雨に見舞われそのまま博物館に足留め。
メキシコ展の後、浅草橋へ革問屋に仕入れに行こうかなと思っていたのだけれど予定変更。
雷雨で足留めついでに、せっかくだから平常展もゆっくり巡って鑑賞することに。

たくさんの埴輪や土偶を堪能〜。
中でも、このヒトの笑顔にやられました。
説明によると
「盾を持ち、大きく耳を開き笑顔で表現されているのは、邪悪なものが古墳に近づくのを払う役割を担った人物」とのこと。

笑顔のチカラは昔も今も偉大です。
笑う門には福来たる ですね。
どなた様も、この笑顔につられてにっこりしちゃってください。
暑さをひと時忘れるかも?
(後の埴輪がカブって、手を振ってるみたいに見える〜笑)





古代メキシコ展

2023-08-03 | 展覧会・アート のこと

東京国立博物館
「古代メキシコ」展へ。

思い返すと一番に瞼の裏に浮かび上がるのは、色。

美しい天然石の青緑、壁画の赤、土偶に塗られた空色。

そして、すばらしい造形美。

それにしても、こういう歴史的な展示を観るたびに突きつけられることは、大昔からニンゲンは常にニンゲン同士で戦っているということ。。。

つくづく、ヒトは戦わずにいられない生物なんだなぁ。。
かなしいことだ。


カタチ的に一番気に入ったのはこの「神に捧げる供物の台」(マヤ文明)
360度どこから観てもすばらしい造形美。

それぞれの神のために争いが起き、神のためにヒトの命も捧げられる。

ニンゲンって
今も昔も何も変わっていない。
ツールは進歩を遂げたものの、根底は少しも進化していないんだな。

そんなことを改めて気づかされた展示でありました。


アステカ文明の「鷲の戦士像」
こんなん着て戦うのは重そうだなぁ。
そして、この像を観た日本人はかなりの確率でガッチャマンを連想することでしょう〜。
ガッチャマンの戦隊服はこの戦士のオマージュだったのかも?








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