時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

ユリノキのハナ

2024-05-16 | essay

なんてかわいい!ユリノキの花。
実は毎年見ているのに花が咲いているところは初めて見た。
よっぽど時期が短いのだろうか。

不思議な南国フルーツのようなムードの大きなお花。

ユリノキはどの季節に見ても存在感あるなぁ!






鹿の木と積もった時間

2024-05-09 | essay


きみに出逢ってからもう30年になるんだ。
わたしのすきな木。
近年は「鹿の木」と呼んでいる。
長く伸びた幹が鹿の後ろ姿みたいだから。
春過ぎて、きみが緑の葉に包まれるのを見るとほっとする。
今年も元気そうだ。

たくさんの想い出が沁み込んでいる木。
子どもたちが小さい頃、ここで母が握ってきてくれたおにぎりを皆で食べたよね。

子どもたちが木登りをすきになったのはあなたのおかげ。
(約20年前の子どもたちと鹿の木)

いつも変わらずそこにいて
わたしたちを迎え入れてくれた。
わたしには特別な木。

そして、驚いたことに
この木の話をしたこともなかったのに
亡き父のパソコンの中に
一枚のこの木の写真があったのだ。
10年程前、父が大阪から弟の家に泊まり掛けで上京した時のもの。
そういえば早起きして公園を散歩したと言っていたことがあったなあと思い出す。
大きな公園の中の何百本何千本とある木の中で
父が足を止めてシャッターを押す…なんという奇遇。
これは偶然というより木に呼ばれたとしか思えない。
木のこころが「わたしはあなたの家族のともだちなんですよ」と
袖を引いたに違いない。
と、万年ドリーマーなわたしは確信している。

ここは管理されている公園。
今までにも知っている木が何本も伐られていった。
ヒトに危険が及ばないよう樹木の専門家が病気の木や老木を見定めて伐採を決めているようだ。

永遠のものなど何も無いと
わかってはいるけれど
ずっとそこにいてほしい…と願う。
想い出と時間を共有してくれているたいせつなともだちだから。

子どもたちは皆大人になり、今はひとりでこの木に会いにいく。
昔はまだ細くしなっていた枝も、今ではわたしの力ではびくともしないほど太く逞しく育っている。

会いに行くたび、幹に手を当てる。
木は冬の寒い日でも驚くほど温かい。ちゃんと日々を生きている。

以前、うつくしい木の写真を撮る写真家マイケル・ケンナ氏の個展のインタビュー映像で、氏が語っていた言葉を思い出す。
「木とひとは同じ。会えば会うほど親しくなり、知れば知るほど関係は深さと複雑さを増す…」

ひととひと
ひとと木
ココロのつながりは同じなんだなぁ。




Ray-Ban

2024-05-05 | essay

早起き恒例朝さんぽへ。


暦がぐるりと巡って
父が旅立った朝から一年。

一年前の前夜、新幹線に飛び乗って夜中に病院に着いた時
「なんだ、来たんか」とちょっと嬉しそうに苦笑いした父。

「死ぬんはムズカシイなぁ」と父らしく軽口。

「大丈夫だよっ」と言うわたしに「だいじょうぶ 言うな」となだめるように静かに笑った。。

姉とふたり、朝まで父の手を握って過ごした。
だんだん、だんだん、遠くへいくのがわかった。

最期に自分の口から出る言葉は
ありがとう しかなかった。
何度も何度も ありがとう

父の最期を思い出しながら朝の緑の空気を胸いっぱい吸い込む。
公園のすきな場所をぐるりと歩いて
自転車を停めたベンチまで戻ると…
えっ?
ベンチにぽつんとレイバンのサングラス。
目を疑う。
レイバンは父の代名詞ともいうべきサングラス。
さっきはなかった。よね?
それとも気づかなかっただけか。

父のすきだったレイバンとはカタチが違うし、そもそも誰かの落とし物には違いないけれど
レンズにはRay-Banの文字。

これは、やっと届いた父からのサインだと思っておこう。

あっちですきな映画でも観てるかな〜









預かり亀の亀吉

2024-05-02 | essay

新婚さん長男夫婦が可愛がっている石亀の亀吉。

彼らのイタリア旅行中、うちでお預かり。
可愛くてつい水槽から出して遊んじゃう。
今は世界のどこにいても簡単に連絡ができる。

珍しく息子からLINE。イタリアの様子でも知らせてくれるのかなと開いてみたら、一言「亀吉げんき?」

亀吉溺愛されています。笑

亀吉は心配いらないよー!それより写真でも送ってと返信したら
ローマでにっこり微笑む可愛いお嫁さんの写真が送られてきた。
しあわせねぇ。

それにしても世界はホントに近づいたんだな。
30年前、丁度息子たちと同じ歳にわたしたちもヨーロッパを40日余り旅をした。
いろんな街の郵便局から、いつ届くとも知れない絵はがきを両親や友人に書き送ったものだ。
街から街へ列車で移動し、あんなに毎日疲れることもなくたくさん歩けたのは若かったからなんだなぁ〜。

同じ街を彼らが今歩いていると思うととても感慨深い。
あの時、10年後にまた来ようと話していたんだけどなぁ。
30年、つくづく早いものです。

ふたり、濃い時間を楽しんできてね〜



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