時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

内側で。

2014-09-29 | essay



自分のうちがわで。

ねがう。
おもう。
いのる。

それは きっと 目にはみえないルートで
ちゃんと そこに 届く。

届いたあと それをどう扱うか。

それは  そのヒト次第。


そしてまた 今日も
い、想い、祈る。





 (撮影:娘k・12歳)






「楽園としての芸術」展

2014-09-28 | 展覧会・アート のこと

 「Art as a Haven of Happiness」

招待券を友だちに頂いたので、先日久しぶりに娘とふたりで上野へ。

中学に上がってからというもの、週末も部活!
一緒に絵を観に行くのは本当に久しぶり。



展覧会から日を置いて、振り返ってみると
どの作品の上にも、きらきら光る小川の上を渡るそよ風のような・・・
どろんこで遊んだころの、草や土の匂いを感じるような・・・

どんなコトバでも追いつかない、「清々しさ」が思い出されます。


「時間」の持つ本当の自由を本能で知っている人々にしか紡ぎだせない作品の数々。

時間に囚われずに、出し惜しみなく表現されたモノの潔さは、強く、うつくしい。


芸術を学ぶ若いひと、そして
障害のある子どもの心理を学ぶ若いひと には特に
この展覧会をお勧めしたいな。

机上の勉強より、どんな偉いひとのコトバより
作品たちが多くのことを流暢に語っています。


「楽園としての芸術」展 Art as a Haven of Happiness
2014年10月8日まで。東京都美術館にて。


 


 


湯船の魔法

2014-09-25 | essay



子どもの頃から
おふろだいすき。

湯船に浸かっておもちゃであそんだり
長いこと空想に耽ったりしているコドモだった。

とてもすきだったフシギな遊びがあるんだなあ。
それは・・・
手を変身させる魔法。

しらうおのような細い指のおねえさんになってみたり
ぽっちゃり短い指の赤ちゃんになってみたり。

これが不思議で不思議で!

大きくなってから、水の屈折の錯覚なんだと知ってしまったけれど

小さい頃は本当の魔法だと思っていたんだよねえ。

水面ぎりぎりに両手を沈めて垂直に立てれば短く、
平行に横にすれば、細長く変化する。

きっと誰かがちいさいわたしに教えてくれたのね。

幼い頃、一緒に暮らしていた だいすきだった伯母かもしれないな。
チャコのおばちゃんは、こどものココロを持つとっても愉快なひと。
小さい頃、伯母の家のひのきの湯船に一緒に入るのが一番すきだったんだ。。。


自分の子どもたちが幼い頃にも
この魔法を教えてあげたのはついこの前のようだけれど・・・。

子も成長し、いつの間にか
またひとりのお風呂の時間。

ふと気づくと、我知らず
いろんな角度に手を沈めて、ひとりで魔法で遊んでいます。

どこまで細くできるかいろんな角度で実験してみたら
ガイコツくらいにもなっちゃう!オモロ~。

湯船の魔法。
知らなかった方は、今夜お試しください (^ ^)/

 



 


立原道造の沼

2014-09-22 | 本 のこと


先日、古本市で久しぶりに道造さんの本を見つけた。

小川和佑著「立原道造論」と
弥生書房 世界の詩シリーズの42 「立原道造詩集」

 


昔、高校生の頃に背伸びしてこのシリーズの「中原中也詩集」を買ってはみたものの
なんだかちっとも入っていけず、門前払い気分を味わったものです。

もっとオトナになってから、中也の世界を再びちょっとのぞいてはみたけれど・・・。
やっぱり、なんだかちっとも入っていけない。
時に、開きたくなるこころに響く詩は、一遍だけ(笑)
その一遍のために今も本棚に並んでいますが。

立原道造氏はだいすきな詩人。(すきなのは詩+イキザマ?佇まい?かな)
出逢ったのは、20代後半ごろだったかな。

またまた「ひとり道造ブーム」に突入しそうです。

ヒヤシンスハウスへもまた訪れたいな。
以前一度だけ行ったのは真冬の晴れた午後。

秋のあの沼のほとりも きっとすてきなことでしょう。

 

 

 

 


雲にのって。

2014-09-21 | essay



近くにいるのに通じない。

近いからこそ通じない。

解ってくれて当たり前 なんて
きっとどこかで互いに思ってしまっているんだな。

通じなくて当たり前。
だって
まったく別のココロとカラダを持つ別のニンゲンなんだから。

 通じたらラッキー!

そう考えれば ハラも立たない。 かな?


大昔のひとなら、人生五十年。

わたしもそろそろ
人生を達観できる仙人の域に足を踏み入れたいものである。

まだまだ。 道はとおいなあ。
急こう配の長い長い坂道の下にいるみたい。

こころ穏やかに暮らせるように

いろんなコトを、まずはちゃんと受け止めて

ひとつひとつ。

アセラズ アワテズ。 

自分の歩幅で。

上手にこころに風を通しながら 歩いていこう~。 


と、自分に言い聞かせる。

仙人への道はきっとこの山の向こうの谷の先。の先の先辺り?

いっそ雲にでも乗ろうかな~?


           

 

 


ビルの谷間の路地の奥

2014-09-20 | 古い建物 のこと

 ほんとにここ? 

 と、路地を進んでいくと。

ありました。東欧雑貨のお店「チェドック」さん。



ともだちのカフェの達人Kさんは、雑貨屋の達人でもあります。
わたしと違って地図が脳内に内蔵されているので
初めていく場所でも一発で到着。
方向音痴のわたしとしては、「ブラボー!」拍手ものです。

「CEDOK」さん、以前は馬喰町のアガタ竹澤ビルに入っていなかったっけ??
あの魅力的なビルもしばらく行ってないなあ。

このビル、全体の外観はまったく見えないけれどこじんまりとかわいらしい。
昭和40年代くらいな感じの作り。

魅惑的なこの階段!いいですねえ。アールデコな香り。

 


ほぼ正方形の螺旋(?)階段。コンパクトなかわいさ。あまり見たことないのない形状です。


店内にはチェコスロバキア時代のアンティーク家具や絵本、雑貨などなど
魅力的な品々で溢れています。東欧雑貨、だいすき。

路地の奥にひっそりと佇むかわいいお店。また迷い込みたい~。

 「CEDOK」 所在地は東京都台東区駒形です。





「確かな光」

2014-09-19 | MUSICのこと



先日、隅田川沿いのビルの中にあるお店で行われた
高野寛さんの「RIO発売記念トーク&ミニライブ」へ。


ブラジルへは行ったことがないけれど、
写真とトークで束の間リオの空気を擬似体験。

高野氏のおんがくは、わたしはまだ初心者マーク。
ともだちにCDを聴かせてもらった数年前からのお気に入り。

ひとつ前のアルバムの中の「GLOW」 わたしには特別な曲。

一番すきなのは「確かな光」というあたたかな曲。

この曲は、なんだかいろんな場面で
すうっとからだに沁み込んで
こころの波がだんだん穏やかに凪いでくるような唄です。

それもそのはず。。。知らずに聴いていたけれど
この曲は9・11のあとに書いた曲なのだそうです。レクイエムでもあったのですね。

今回
の、ブラジルで録ったという「確かな光」も
ここちよい空気と光が融け込んでいるようなきもちのいい音。

ミニライブ。
ちいさな部屋の中、アコースティックで生で聴く「確かな光」は、
耳からだけじゃなく髪や皮膚からも沁み込む感じ。
おんがくの全身トリートメント!?

たいへん貴重な、たのしい時間でありました。



 

 


雲に映るひかり

2014-09-15 | essay

 

スカイツリーの夜景を近くでみるのは初めて。
しかも光が雲に反射してフシギな光景。
一緒に見ていたともだちに、「雲に光が映ってるよ」
と言われてはじめて気付いたのですが!

 雲が動いたら反射光はなくなりました。

雲って光を映すんだねえ。

雲のある夜限定のスクリーンとして
いろんな光を映すアートとか、いいかも!?
雲にプロジェクション・マッピングとかね。みてみたいなあ。



久しぶりの、たっぷりと水のある場所。
こころまで ひたひたに満たしてくれるようです。
やはり。。。つり池の水の上の家で生まれたからなのかもしれません。

 

 


笑ってる。

2014-09-14 | essay

 目が合っちゃった。



 

なんてかわいいんだろう。こやつら。

 自転車置き場の金具なんだけれどね。

ネジ一本で表情が違うよ。これはもうアートです。

 

 ここのカフェオレ、すんごく美味しかった。

厩橋のそばにある「Nui Hostel」1Fのカフェです。

ここは外国人旅行者に人気のホステル。
いいねえ~。しばしガイコクジン旅気分に便乗です。

 

 

 


存在感のある本

2014-09-11 | 本 のこと



どど~ん、「奈良の大佛さま」 
キョーレツな色合いがなんだか懐かしい。
古本市でつい手にとってしまったこの本。

左端の控えめな鹿がいいわ~。

わたし、宗教はとくに持っていないのだけれど
奈良に住んでいた子どもの頃から「奈良の大仏さん」だけは
なぜか特別な存在。

しばらく訪れていないと
なんだか・・・逢ってほっとしたくなる。

いつでも大きく腕をひろげて待っていてくれる奈良の大仏っさん。
(ひろげてないけどね)

十年振りに、娘を連れて訪れたのは去年の春。
次はいつ行けるかな~。



この絵本の発行元は「東大寺」
発行年はどこにも書いてないけれど
このイラストにある、鼻の突き出たバスが走っていた頃なのは確かね。
昭和30年代くらいかな。

手づくり感のあるカラー印刷がとても味わい深い。
こんな面白い貴重な絵本なのにたったの200円。

大仏さん、子どもの頃から ただ本能的にスキなだけで
深くはちゃんと知らないんだよなあ、そういえば。

ばったり出逢えたこの子ども向け絵本で
改めて大仏さんの歴史をお勉強することにいたしましょう。

今すぐにでも行きたくなって困るかも?

 

 




 


茶色い古本の魅力

2014-09-07 | 本 のこと



古本市で、おもしろい本を見つけた。

「日本色名大鑑」発行は昭和25年。
これはすごい。いろんな日本の色の名前がそれぞれの色と共に詳しく解説されている。



この青の名前はなんと、「納戸」 なんど??



こちらは「ベンガラ」色。言葉としては聞いたことがあるけれどこういう色だとは知らなんだ~。
黄土を焼いて造った人造の赤土である。 と記されている。
印度のベンガラ地方から多く舶載されてきたことから生じた名前なのだそうだ。

これはこれは。読み物としても興味深いね。



傷みがあるせいか破格の値段。
中はとてもきれいなままなのになあ。
昭和25年で六百円。そのころの600円って他には何が買えたのかしら。

それにしても茶色い古い本の匂いってすきだなあ。
しかもこの本は、なぜか古い紙の匂いに混ざって白檀のお香のような・・・?
発行された昭和25年からこっち、いったいどんなひとの手を渡り
どんな本棚を旅してきたのだろう。

探していたわけではなくとも
わたしを呼びとめる古本の数々・・・。

こういう すてきな本との出逢いがあるから
古本市にはついつい 足を運ばずにはいられません。(^^*)

 

 

 

 



 


モネのオレンジ色

2014-09-05 | 展覧会・アート のこと

春に上野で開催していた「モネ展」へは特に行こうとは思わなかったのに
このモネの「黄昏、ヴェネツィア」を
すごく観たくなって、ブリヂストン美術館「絵画の時間」展へ。

この絵は、すてきだったなあ・・・。
印刷物には到底表すことのできない深い深い色。

空の濃いブルーからだんだんオレンジへ変わる微妙なグラデーションに
心底ホレボレと観入ってしまった。。。

海に映る黄昏の色と海のグレーのいい感じの混ざり具合。

モネの絵と言えば、以前も海を描いた「マヌポルト」を観た時に
すごくこころを魅かれたのだったなあ。

モネの絵にホレるのは、人生これで二度目だ。


ひとりの画家の展覧会もいいけれど
こういう所蔵コレクション展もわりとすき。

いち時にさまざまな画家のいろんな絵に出逢えるのが
コレクション展の醍醐味ですね。

特に印象に残ったのは・・・

ピカソ 「生木と枯木のある風景」の中に浮かぶ空の雲。
レンブラント 「聖書あるいは物語に取材した夜の情景」の蝋燭のひかり。
ルノワール 「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」の肌の中の青い色。

ゴッホ 「モンマルトルの風車」
藤田嗣治 「ドルドーニュの部屋」
コロー 「ヴィル・ダウレー」  などなど。

彫刻では、ロダンの「立てるフォーネス」がよかったなあ。
ほんとに大理石?って疑ってしまうほどのやわらかなフォルム。
ロダンは、こんな柔らかな作品も遺しているのねえ。

そして、コンスタンティン・ブランクーシ「接吻」 これはめちゃかわいい。

そして、突如現れる古代美術の部屋に足を踏み入れると。
しんとした小部屋にぐるりと配置された紀元前エジプトの大きな神像や
レリーフ、聖猫の像、木棺などに囲まれてひとりきり・・・。


積もった時間のあまりの悠久さに暫し圧倒されてしまいました。



さまざまな時代の偉大なアートに
時間を忘れてすっかりこころをゆだねる。。。
こういう時間って、わたしはとてもすきです。

いろんな鎧を脱ぎ棄てて「ただのわたし」になる時間。

ヒトには、誰にでも
自分に合った方法で「ただの自分になる時間」ってものが
きっと必要なんだろうな と、感じます。 


ブリヂストン美術館「絵画の時間」 は 至福の時間でありました。


 

 


呼びとめるモノ

2014-09-04 | 古い建物 のこと



わたしの袖を引く 古いものたち。

 

街で出逢った古い古い土蔵。

最早、時間の問題かな・・・。
修繕されて甦ったらいいな。

それにしても、ここまでよくぞがんばりましたね!と声を掛けてあげたいね。

この土壁のぽろぽろ具合をみていたら
昔話の「ねずみのよめいり」を思い出した。

ものごころついた頃、買ってもらった「ねずみのよめいり」の絵本。
あの絵本はもうないけれど、とてもすきだったので
絵の持つ温度は今もわたしの中に残っている。
ちぎり絵のようなタッチで、マットな深いねずみ色が印象的。
とてもかわいい挿絵だったなあ。
あの絵本にまたどこかで巡り合えたらいいな。

ちなみに、あらすじは・・・

ねずみの親が、世界で一番強い者に娘を嫁がせたいと思い
太陽やら雲やら風やらを廻ったのち、
「土壁さん」に娘を嫁にもらってくださいと言うと

「いえいえ、なにをおっしゃいます。
ねずみさんは簡単にわたしを齧って穴を開けてしまいます。
世界で一番強いのはあなたたちねずみさんです。」

ということで、娘はやっとだいすきなチュウ吉さん(だったか?)
との結婚を認めてもらえる。 めでたしめでたし というお話。

子どもたちが通った幼稚園の舞踊劇にも
「ねずみのよめいり」の演目があって
うちの次男坊も「雲さん」の役をやったものだ。
あれは、10年前なのねえ。

いやはや~。
この古い土蔵に積もった時間の長さに想いを馳せてみれば

小さいわたしが伊丹のつり池の家で
あの絵本をひらいていたあの時間も
今はムズカシイ次男坊が
幼稚園でカワイイ舞踊劇を演じていたその時間も

すべてほんの一瞬の、そしてついこの前の出来事。

時間はフシギだ。

ここで流れる時間。そこで流れる時間。
どれも同じ時間のはずなんだけれどね。


たまたま出逢ったひとつの土蔵が
わたしに授けてくれる こうして想いを廻らせる時間・・・

これもまた、フシギなエニシを感じます。

 

 

 


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