時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

モネのオレンジ色

2014-09-05 | 展覧会・アート のこと

春に上野で開催していた「モネ展」へは特に行こうとは思わなかったのに
このモネの「黄昏、ヴェネツィア」を
すごく観たくなって、ブリヂストン美術館「絵画の時間」展へ。

この絵は、すてきだったなあ・・・。
印刷物には到底表すことのできない深い深い色。

空の濃いブルーからだんだんオレンジへ変わる微妙なグラデーションに
心底ホレボレと観入ってしまった。。。

海に映る黄昏の色と海のグレーのいい感じの混ざり具合。

モネの絵と言えば、以前も海を描いた「マヌポルト」を観た時に
すごくこころを魅かれたのだったなあ。

モネの絵にホレるのは、人生これで二度目だ。


ひとりの画家の展覧会もいいけれど
こういう所蔵コレクション展もわりとすき。

いち時にさまざまな画家のいろんな絵に出逢えるのが
コレクション展の醍醐味ですね。

特に印象に残ったのは・・・

ピカソ 「生木と枯木のある風景」の中に浮かぶ空の雲。
レンブラント 「聖書あるいは物語に取材した夜の情景」の蝋燭のひかり。
ルノワール 「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」の肌の中の青い色。

ゴッホ 「モンマルトルの風車」
藤田嗣治 「ドルドーニュの部屋」
コロー 「ヴィル・ダウレー」  などなど。

彫刻では、ロダンの「立てるフォーネス」がよかったなあ。
ほんとに大理石?って疑ってしまうほどのやわらかなフォルム。
ロダンは、こんな柔らかな作品も遺しているのねえ。

そして、コンスタンティン・ブランクーシ「接吻」 これはめちゃかわいい。

そして、突如現れる古代美術の部屋に足を踏み入れると。
しんとした小部屋にぐるりと配置された紀元前エジプトの大きな神像や
レリーフ、聖猫の像、木棺などに囲まれてひとりきり・・・。


積もった時間のあまりの悠久さに暫し圧倒されてしまいました。



さまざまな時代の偉大なアートに
時間を忘れてすっかりこころをゆだねる。。。
こういう時間って、わたしはとてもすきです。

いろんな鎧を脱ぎ棄てて「ただのわたし」になる時間。

ヒトには、誰にでも
自分に合った方法で「ただの自分になる時間」ってものが
きっと必要なんだろうな と、感じます。 


ブリヂストン美術館「絵画の時間」 は 至福の時間でありました。


 

 


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