わたしの袖を引く 古いものたち。
街で出逢った古い古い土蔵。
最早、時間の問題かな・・・。
修繕されて甦ったらいいな。
それにしても、ここまでよくぞがんばりましたね!と声を掛けてあげたいね。
この土壁のぽろぽろ具合をみていたら
昔話の「ねずみのよめいり」を思い出した。
ものごころついた頃、買ってもらった「ねずみのよめいり」の絵本。
あの絵本はもうないけれど、とてもすきだったので
絵の持つ温度は今もわたしの中に残っている。
ちぎり絵のようなタッチで、マットな深いねずみ色が印象的。
とてもかわいい挿絵だったなあ。
あの絵本にまたどこかで巡り合えたらいいな。
ちなみに、あらすじは・・・
ねずみの親が、世界で一番強い者に娘を嫁がせたいと思い
太陽やら雲やら風やらを廻ったのち、
「土壁さん」に娘を嫁にもらってくださいと言うと
「いえいえ、なにをおっしゃいます。
ねずみさんは簡単にわたしを齧って穴を開けてしまいます。
世界で一番強いのはあなたたちねずみさんです。」
ということで、娘はやっとだいすきなチュウ吉さん(だったか?)
との結婚を認めてもらえる。 めでたしめでたし というお話。
子どもたちが通った幼稚園の舞踊劇にも
「ねずみのよめいり」の演目があって
うちの次男坊も「雲さん」の役をやったものだ。
あれは、10年前なのねえ。
いやはや~。
この古い土蔵に積もった時間の長さに想いを馳せてみれば
小さいわたしが伊丹のつり池の家で
あの絵本をひらいていたあの時間も
今はムズカシイ次男坊が
幼稚園でカワイイ舞踊劇を演じていたその時間も
すべてほんの一瞬の、そしてついこの前の出来事。
時間はフシギだ。
ここで流れる時間。そこで流れる時間。
どれも同じ時間のはずなんだけれどね。
たまたま出逢ったひとつの土蔵が
わたしに授けてくれる こうして想いを廻らせる時間・・・
これもまた、フシギなエニシを感じます。