三十数年を経て、久しぶりに飲む此の酒は、初めの一啜りを口に含みますと。
舌が泡盛酒の味を覚えていたことにですよ、わたしはなんだかね、嬉しくなりました。
以前は、此の泡盛独特の風味がね、わたしには馴染めませんでしたよ。
だけど今ね、改めて飲んでみますとそぉじゃぁなかった。
たぶんね、たぶんですけども、わたしの舌はあれから、色々な味を経験しましたからね
自分を主張しなくなったのかな。
泡盛は、口に含みますと、柔らかいですよ。
口蓋と、舌と、喉の奥までと、粘膜を優しげに洗いました。
飲み込んだら、心が温かくな感覚を憶えさせます。
お腹の中で、熱きものが広がってきますから、熱さが温もりにと為るのかな。
たぶん、昔の人の想いがかな、温もりから教えてくださるのかも。