昨日(4月3日)は、池袋の立教大学に会場をお借りして、「第3回ジオメディアサミット」が開催された。
ジオメディアサミットは、昨年1月の「ジオメディア新年会(別名;ジオメディア押しくらまんじゅう」からスタートしたのだが、参加者数はまさに鰻登り。今回は170名の登録者という、過去最高のイベントとなった。しかもテーマは「盛り上がるジオメディアとは」。少なくとも参加者規模という点では盛り上がっている。
会場の立教大学は、私には初めての訪問。池袋駅の至近にあって、いかにも私学のキャンパスらしい風情がある。全然知らなかったのだが、行ってみたら何と入学式の当日で、学生で溢れているではないか!!
入学式だった!
正門から入ると、怒濤のようなサークルの勧誘風景に出くわす。どういう訳か私には誰も一瞥すらしてくれず、チラシももらえない。まるでスパムフィルタリングにかかったような気分orz...
こんなに人がいたら、参加者が迷ってしまうのでは、ということで、運営スタッフの小山さんによる案内標識が掲示された。
ジオ部 マネージャー大募集
立教大学に、急遽ジオ部が設立されたのだ。男ばかりの集団には、やっぱマネージャ(♀)が必要、ってことで...
さて、肝心のジオメディアサミットであるが、講演内容は(懇親会を含み)どのセッション共に高品質で示唆に富み、かつエンタテインメント性あふれる(これは大事!)もので、今回このイベントに参加しなかった「ジオ関係者」は、相当な損失だったと思う。特に、「FOSS4G/OSGeo財団のライトニングトークbyかやまさん」を聞けなかった人は、一生差をつけられるだろう。
セッション風景
テーマである「盛り上がるジオメディアとは」だが、この裏には、事業ベースで見た場合にまだまだ課題を抱えていることがある。ジオ系が好きな人は、何も今に始まった話ではなくて、「鉄」が好きな人が今も昔も多数いるように、「地図」とか「地理」とかが好きな人がずっといる。特にここ2~3年、ジオ系のフリーのAPIがポータル各社から提供されるようになって、注目度が高まっているという流れが背景にある。
時空間と言われるように、位置情報(空間情報)は、人間の営みそのものの一要素なので、「ジオ」だけに絞り込んだ事業はそもそも広がりという点で無理がある。故に、Googleやヤフーのようなポータルが、「ジオも当然。生活を全部カバーしますよ」、と巨額の資金を投入してくる流れが正解である。
じゃあ、趣味でやっている人は別だけど、事業性を追いかける人たちはどうすりゃぁいいの?ってところが悩みどころなのだろう。まずは無償でサービスやAPIを公開してから事業モデルを考えるやりかたが多いが、マスを相手にするのかニッチを相手にするのか、技術を売るのかサービスを売るのか、メディアを目指すのか業務系に徹するのかなど、選択肢はありとあらゆるだけあり、論じ始めたら切りが無さそうである。
1つだけ言えることは、ジオそのものは以前のようなニッチではない、ということだ。生活の一部なのだ。今は生活自体が「IT化」していて、この流れがどんどん進んでいくので、IT分野で強力な存在であるものがジオの分野でも強力な存在になり、そこを筆頭に様々なレイヤで事業を展開していく中小規模の事業者が発展していくだろう。
10年前くらいまでは、ジオ=地図会社or測量会社みたいな時代が長く続いていたのだが、もはや昭文社やパスコのような会社自体が「ジオメディア」の世界でメインプレーヤーとなりうることはあり得ない。この世界でプレーができるのは、ITを基盤にするポータルが頂点に君臨し、続いて生活系メディア、業務系サービスプロバイダ、システムインテグレータそしてコンサルタントやプロデューサなどの専門職となるだろう。
と、そんなことを考えながら、懇親会へ...すると
「ジオ部」新歓コンパ
ここまで徹底した小山さんには脱帽。
懇親会はかなり広い会場なのだが、昨年の「新年会」を彷彿とさせるほどの込みようにびっくり。立教大学でのライトニングトークとは違って、こちらでやる(裏)ライトニングトークの方が、個人的には楽しみである。何と言っても、みんな聞いていないし酔っぱらいだし、まるで街頭で演説をするような度胸というか、カオスの中でつかみをとる話術というかが要求される。
最後まで参加していたかったのだが、最寄り駅までの終電の都合で23時前に早くも新歓コンパから撤退。あ~あ残念。翌日に用事がないのなら、次回はホテルを手配しておこうかと思う。
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>私のここでの言及は、対象をジオメディアとしています。
了解いたしました。
私のここでの言及は、対象をジオメディアとしています。私自身、地図会社からスタートしたキャリアであり、基盤としての重要性をきちんと理解していますし、愛着があります。
測量、地図は、ジオの基盤部分として今後も位置づけられることには変わりないと思いますが、以前はその「基盤」が圧倒的に大きな比率を占めていたのですが、今やそれは広いジオの世界では一部分に過ぎないと言うことです。ジオメディアとは、ジオ的要素のあるメディアです。私はその部分はどんどん大きくなって、「基盤」部分をいずれは越していくと思っています。その傾向はさらに進み、測量、地図といったジオの基盤技術自体が、巨大なITの一部として組み込まれていくと思います。
>この世界でプレーができるのは、ITを基盤にするポータルが頂点に君臨し、続いて生活系メディア、業務系サービスプロバイダ、システムインテグレータそしてコンサルタントやプロデューサなどの専門職となるだろう。
「ジオメディア」もしくは「メディア」と言われる世界ではそうかもしれません。
ただ"実業"としての測量、地図作りは「ジオ」と言われる範疇の基幹であることに変わりはないと思います。
私の「ジオ」「ジオメディア」という言葉の不理解からかもしれませんが、違和感を感じます。