いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

女子サッカーとインタビュー・・・豪州戦、敗戦後のインタビューは最悪でした。勉強してませんね。

2016年02月29日 22時22分07秒 | 日記


 女子サッカーのリオ五輪の最終予選が、29日、大阪で始まりま
した。
 日本は、大事な初戦、オーストラリアに1-3で敗れました。
 どうにも点が取れる雰囲気がなく、残念ながら、完敗だったよう
に思います。
 あとは、残る4試合、全部勝ってほしいですね。

 きょうは、それよりなにより、試合後のインタビューのひどさを
指摘しておきたいと思います。
 スポーツの試合後のインタビューが拙劣なことは、このブログで
も2回ほど指摘したことがあります。また同じことを書きたくはな
かったのですが、きょうのインタビューはひどかった。

 放送はNHKでした。インタビュアーも、NHKのアナウンサー
だと思います。

 若手のアナウンサーなのでしょう。
 1-3で完敗して、選手も監督も、観客席も、テレビで見ていた
私たちも、みんながっくりしているのに、インタビュアーの声が妙
に明るく、軽いのです。
 それが、第一の問題です。
 もっと悲しい感じで聞くとか、そうでなければ、静かな落ち着い
た感じで聞くとか、工夫するべきでしょう。
 このアナウンサーは、なんだか、体育会のノリで、明るく、軽く、
敗戦後というのに、気合いが入っているのです。
 これはもう、それだけで、最悪です。 

 次に、インタビューの質問が、これまた、最悪でした。
 質問の内容が陳腐なのです。
 インタビューに応じたのは、佐々木監督、宮間選手、大儀見選手
の3人です。

 冒頭、陳腐も陳腐、佐々木監督に、いきなり
 「厳しい試合でしたが、どうだったでしょう」
 というような質問をしました。
 こんな負け方をした後、「どうだったんでしょう」と聞かれても、
答えようがありません。
 せめて、「監督、残念でした」ぐらいにしておけば、佐々木監督
も、「うーん、本当に残念でした」ぐらい答えていました。
 佐々木監督は、明らかに、いろいろ話したそうな雰囲気でした。
 マイクさえ向けておけば、もっと話してくれたのではないでしょ
うか。
 それなのに、このアナウンサーは、試合の内容にはほとんど触れ
ません。
 試合を見ている私たちとすれば、後半、日本がずっと押し気味に
進めていたのに、点が入らないもどかしさがありました。せっかく
インタビューしているのですから、監督に対して、「後半、ずっと
押し気味でしたが、点、入りませんでしたね」ぐらいのことを聞い
てほしかった。そう聞かれたら、佐々木監督も、「そうなんですよ。
点が入らなくて、私も、どうしようかと」ぐらいのことは答えてく
れて、もしかすると、もっといろいろ話してくれたかもしれません。
 ところが、このアナウンサーは、それもせず、やおら、「1日お
いて韓国戦ですが、どんな試合を見せてくれますか」と聞いたので
す。
 どんな試合もこんな試合も、もう、次は勝つしかないでしょう。
 それなのに、「どんな試合を見せてくれますか」と聞いたら、聞
かれた方も、答えようがありません。
 そして、最後は、おきまりの「お疲れさまでした」です。ところ
が、佐々木監督は、この「お疲れさまでした」を受けて、自分から、
「みなさん、せっかく応援していただいたのに、期待に応えられず、
申し訳ありません」と話してくれました。
 そうなんです。佐々木監督は、この敗戦に納得がいかず、いろい
ろ話したくて仕方なかったんだと思います。
 それなのに、このNHKのアナウンサーは、インタビューで、佐
々木監督が話そうとしているところを、ことごとく、邪魔してしま
いました。
 これほどひどいインタビューは、ちょっとないでしょう。

 次に、宮間選手と大儀見選手のインタビューです。
 このアナウンサーは、いよいよ、とんちんかんな質問をしていま
した。
 最初に、やはり、おきまりの「どうでしたか」というつまらない
質問をした後、もっとひどい質問をしました。
 なんと言ったか。
 宮間選手には、「この試合、物足りなかったですか」と聞いてい
ました。
 大儀見選手には、「この試合、物足りないところがあるとすれば、
どういうところでしょう」と聞きました。
インタビューの部分は、録画していなかったので、正確な言い方
は覚えていませんが、この二人の選手に対し、「この試合、物足り
ない」という言い方をしていたことは、間違いありません。
これはまた、なんというひどさでしょう。
 1-3で負けたんですよ。
 それなのに、「物足りない」とはいったい、何ということでしょ
う。
 物足りないとか、そんなことではないでしょう。
 そんなことではなく、選手にしてみれば、いや、私たちも、悔し
くて悔しくてしようがないというところでしょう。
 それを、「物足りない」と言葉を使って質問するというアナウン
サーは、もう、失格でしょう。
 
 この質問に、宮間選手も、大儀見選手も、むっとした顔をしてい
ました。とくに、大儀見選手は、怒ったような雰囲気でした。

 そして、この二人の選手にも、判で押したように、「1日置いて
韓国戦、どんな試合を見せてくれますか」と聞いていまいした。
 このアナウンサーには、大阪弁で「あほか」と言いたい。
韓国戦のことを聞くのは、100歩譲って、まだ、よしとしまし
ょう。しかし、「どんな試合を見せてくれますか」とは、いったい、
なんという質問でしょう。
どんな試合もなにも、勝つしかないでしょう。
 
 ここで、このアナウンサーが聞いた質問は、試合を見てなくても、
聞けた質問です。
 アナウンサーは、インタビューをするために、大阪のキンチョウ
スタジアムで、一番いい場所で、試合を見ていたわけです。
 それなら、その試合を、間近で観戦した人ならではの質問をしな
さい。
 
 今夜は、日本が完敗し、がっくりしました。
 そして、その後のインタビューで、インタビュアーの稚拙さに、
情けなくなって、敗戦の痛みが倍加してしまいました。

 NHKも、民放も、試合後のインタビューを、もっと訓練しない
といけません。社内で、指摘する人はいないのでしょうか。
 こんなことやっていると、せっかくのスポーツ中継が、台無しに
なってしまいます。
猛烈に反省してほしいですね。