シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

寺山修司監督「さらば箱船」(1984年、127分)

2024-02-26 23:20:35 | 日本・1980年~
ガブリエル・ガルシア=マルケスによる小説『百年の孤独』の翻案です。監督の遺作。

舞台は沖縄のある村。その村の百年間の変遷のなかでの土俗的社会と近代的社会の葛藤というモチーフが潜んでいます。

沖縄のどこかの森にある小さな村での話。村の本家の時任家のあととり息子の大作(原田芳雄)は、少年の頃、本家の柱時計以外の村中の全ての柱時計を盗み出し、おおきな穴に葬り、本家だけが「時間」を管理するシステムにしてしまいます。

数年後。時任家の女スエ(小川真由美)といとこの捨吉(山﨑努)は相思相愛だったものの、いとこ同士が結婚すると犬の顔をした子が産まれるという迷信ゆえに、スエに貞操帯がつけられてしまいます。捨吉はスエを抱くことができず、捨吉の煩悩は募ります。

ある祭りの日。恒例の闘鶏で、大作のシャモは連戦連勝。そこに、捨吉が自分のシャモを持って現れ、勝利。悔しさのあまり大作は捨吉をバカにし、村人の前で恥さらしにします。怒りくるった捨吉は、包丁で大作を刺し殺してしまいます。

捨吉とスエはその夜、逃亡。途中ようやく辿り着いた空家に泊まりますが、翌朝にわかったことはその家は逃げたはずの自分達の家でした。いつのまにか戻ってきてしまったのです。以来、捨吉は大作の亡霊に悩まされ、ものの名前を忘れてしまう病にとりつかれ・・・。
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