シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

池端俊策「あつもの 杢平の秋」(1999年、122分)

2024-05-22 19:45:51 | 日本・1990年~
 


タイトルの「あつもの(厚物)」とは、数百枚の花弁が花芯の中央一点に向けて高く盛り上がった菊の花のことです。

原作は中山義秀の小説。

厚物と呼ばれる菊を作ることで確執するふたりの老人と、彼らを相手に援助交際をしかける女子大生を描いた人間ドラマです。

消防士として勤めあげた馬野杢平(緒方拳)。余生を、それまでに趣味として続けてきた大菊のあつもの(厚物)の栽培に専念します。彼は厚物を仕立てることで名人と呼ばれるほどの腕前を持っていました。それは幼少の頃、北陸に疎開してきた黒瀬玄一(ヨシ笈田)が作った厚物を見たことが切掛でした。

妻・夏美(大楠道代)の精神病院入院を期に北陸の田舎町から東京近郊に暮らす息子夫婦の元に身を寄せます。そして茨城県で開催された菊花品評会で自作の厚物を出品し優勝。

菊同好会のその祝賀会のおりに黒瀬の噂を耳にし、老人相手に援助交際(プリクラ撮影を切掛にして老人から金銭的援助を受けてつき合うというもの)をしている音大生のミハル(小島聖)を紹介された杢平。彼女が隣町に住む黒瀬の家を知っているというので、案内を依頼します。

偏屈で強欲な黒瀬は杢平を冷たくあしらったものの、側にいたミハルに欲情し「ミハルを紹介すれば、とっておきの肥料を教える」と杢平にもちかけますが・・・。
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