シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

周防正行監督「カツベン」(東映、2017年、127分)☆☆☆★

2022-04-15 13:19:19 | 日本・2000年~
映画は当初、サイレントで映像のみ、せいぜいオーケストラの生演奏がバックにあった程度でした。日本では映画はかつて「活動写真」(シャシン)と呼ばれていました(映画会社「日活」は日本活動写真株式会社の略)。楽士の奏でる音楽に合わせ、活動弁士(活弁、カツベン)と呼ばれる語りの専門家が、うなりながら説明していました。

人気俳優に匹敵するエンターテイナーの活弁士がいて、それぞれにファンがついていました。

本作品は大正時代の活弁士を抱えた映画館とそこに生きる人間たちを喜劇的に描いています。

主人公は活弁士の染谷俊太郎(成田凌)。小さい頃から活弁士に憧れ、物真似から入って活弁技術を身につけたものの、ニセベン士として窃盗団の片棒を担がされます。

それでも一流の活弁士になることを目指す俊太郎。隣町のライバル映画館に客も人材も取られ閑古鳥が鳴く映画館・青木館に流れ着く。人使いがあらい館主夫婦(竹中直人、渡辺えり子)、傲慢で自信過剰な弁士・山岡秋聲(永瀬正敏)、気難しい職人気質の映写技師・浜本祐介(成河)といった曲者ばかりが残った青木館で、雑用にふりまわされる俊太郎。

そんな彼の前に、大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活弁士を追う警察、そして幼なじみで女優になった梅子(黒島結菜)が現れ……。
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