原作はジュリアン・バーンズによる小説『終わりの感覚』(2011年)。人は得てして、自身の人生を編集して記憶していることがあり、思わぬ誤解がそこに挟み込まれている、ということを描いています。
舞台はロンドン。
主人公は年金生活者のアンソニー・ウェブスター(ジム・ブロードベント)。中古のカメラ屋(ライカ)を趣味でもち、熟年離婚した元の妻とも時々会い、シングルマザーで出産が近い娘のケアをしながら、穏やかな時間を過ごしていました。
ある日、大学時代(約40年前)に交際していた女性・ベロニカ(シャーロット・ランプリング)の母親が亡くなったと通知があり、そこには遺贈として500ポンドと書きためていた日記を渡したい、としたためられていました。
遺品の日記はトニーの学生時代の親友のものらしいのです。しかし、遺産相続人の弁護士は、ベロニカが保有している日記を渡してくれない、とトニーに伝えます。
トニーは過去の記憶をたどり、謎をひも解いていこうとします。
ベロニカと再会したトニーは、若くして自殺した親友、初恋の秘密など、長く忘却していた青春時代の記憶たどりますが、記憶は曖昧で、そこには思いもよらない誤解が・・・。