シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

イングマール・ベルイマン監督「叫びとささやき(Viskningar Och Rop)」(スウェーデン、1973年、91分)☆☆★

2022-04-09 10:59:03 | スウェーデン


舞台は19世紀末のスウェーデンにあった邸宅。心底にひそむ愛、孤独感、性の衝動、死の恐怖、狂気が、下記のような設定のもと、4人の女性たちの心理的葛藤をとおして描かれます。邸宅のなかはカーテン、カーペット、壁、掛け布団がすべて赤なのが印象的。

スウェーデンのある地方にある邸宅に召使いのアンナ(K・シルバン)とともに、ひっそりと暮すのは37歳のアグネス(H・アンデルソン)。彼女は子宮ガンが悪化しべッドに臥せていました。そのアグネスの見舞いに姉のカーリン(I・チューリン)と妹のマリア(L・ウルマン)が訪れます。

カーリンは既に20歳年上の優秀な外交官フレドリック(G・オーリン)と結婚、5人の子どもがいましたが、結婚後すぐ失敗を悟りました。子どもたちには母親らしい愛情を抱いたことがなく、夫に対する侮蔑と人生への嫌悪を抱いく日々。末の妹マリアは成功した商人ヨアキム(H・モリッツェン)と結婚し、5歳の子どもがいたものの、彼女自身は美しくして人眼をひくことにしか関心を示しません。

召使いのアンナは30歳ぐらいの素朴な田舎女。アグネスに献身的に仕えています。二人の間には主人と召使いの関係以上の性的つながりがありました。

暁方、アグネスの容態が急に悪化。彼女はそのまま息を引きとります。カーリンとマリアがアグネスの死後、彼女の日記を読むと、そこには・・・・。
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