シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ケン・ローチ監督「家族を想うとき(Sorry We Missed You)」(イギリス他、2017年、101分)☆☆☆

2022-04-12 23:57:15 | イギリス


イギリスの宅配労働者とその家族の苛酷な生活をリアルに描いた作品です。

舞台はイギリス・ニューカッスル。

原題の「ご不在につき失礼」は、宅配事業者の不在標に記載されているメッセージです。

元建築労働者のリッキー(クリス・ヒッチェン)は、宅配ドライバー。妻アビー(デビー・ハニーウッド)は、パートの訪問介護士です。
マイホーム購入の夢を実現したかったリッキーは正社員希望でしたが、宅配事業者と個人事業主として契約。個人事業主とはなばかりで、理不尽なシステムによる過酷な労働条件をしいられ働き続けるリッキー。アビーは時間外にも働いています。家族のために身を粉にして働くリッキーを、アビーや子供たちは支えようと懸命です。

宅配事業を行うために必要となった車はリッキー本人が調達しなければならず、仕方なく妻の車を売却し、そのお金を自分の車の購入にあてがいます。

コンピュータによってがんじがらめのノルマが課され、すべてのリスクは彼に帰属します。リッキーの借金はじきに嵩み、家族は悲惨な状況に追い込まれていきます。

仕事により家族との時間が奪われ、高校生の長男セブ(リス・ストーン)と小学生の娘ライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)は寂しさを募らせると同時に、喧嘩が絶えなくなります。そんなある日、リッキーが事件に巻き込まれ……。
コメント
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