内田監督は吉川英治による同名小説を5本の宮本武蔵シリーズとして映画にしています。その第二番目の作品がこれです。他の4本の作品も順次、鑑賞します。
本作品は武蔵が白鷺城を出てから、奈良の般若坂で素性の知れぬ牢人衆と果たし合いに臨むまで。浪人となった武蔵のひとり旅です。
白鷺城の暗黒蔵に三年こもった武蔵(たけぞう;中村錦之助)は名を「宮本武蔵」と改め、剣のみに頼る旅に出ました。お通(入江若葉)が同行を願い出ます。武蔵は彼女を置き去りにして立ち去ります。
三年後、京都での吉岡清十郎(江原真二郎)門下での道場破り。清水坂で武蔵に果し合をいどんだのは本位田家のお杉婆(浪花千栄子)とのトラブル。奈良奥蔵院での阿巌(山本麟一)との果たし合い。武蔵の剣術は冴えわたります。
その武蔵に「強さをためねばならぬ」と戒しめたのは日観(月形龍之介)。その頃、奈良には素性の知れぬ牢人衆が流れ込み、町を荒らしていました。武蔵に恨みを抱く牢人たちは宝蔵院の荒法師たちを煽動し、武蔵を襲います。武蔵は敢然と立ち向かい・・・。