閉館後のルーヴル美術館で、館長の死体が発見された。死体の周りに残された、不可解な暗号。その暗号の中には、その夜、彼が会う約束をしていたハーバード大学教授ラングドンの名前が含まれていた。
殺人の容疑者として現場に連れて来られたラングドンだったが、館長の孫娘で暗号解読官のソフィーに助け出される。暗号の謎をときはじめる二人。しかしそれは、歴史的真実を覆す謎解きのはじまりに過ぎなかった…。
原作は、ダン・ブラウンの世界的ベストセラー小説。監督は、ロン・ハワード。ラングドン役に、トム・ハンクス。その他の配役に、オドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン、ジャン・レノ、ポール・ベタニーなど有名な役者が勢ぞろい。それに加え、テレビを筆頭にマスコミの宣伝や特集で、大騒ぎ。そのせいか、館内は平日というのに超満員状態だった。
この映画は、大ベストセラー小説の映画化だけあって、原作を読んでいる人と呼んでいない人とでは、感じ方が全然違ってくるかもしれない。僕は、たいがい映画を見る前は、初めてその内容を知った感動が薄れないように、原作やその映画についての前知識は全く仕入れずに見るほうなので、今回も全く予備知識なしで見に行きました。
まず最初に感じたのは、展開が非常に速いということ。普段から映画をよく見ている人ならともかく、この映画流行っているから見に行こうという、いわゆるミーハーな人には、ストーリーのスピーディーさについていけないのではないだろうか。
あと、それと同時に最低限のキリスト教の知識が必要だということ。これがないと、途中で理解できないことがたくさん出てくる羽目におちいりかねません。
そこら辺がクリアできれば、それなりにサスペンスとして楽しめる映画ではあると思います。ただ、ソフィーのオチがすぐに想像できてしまうのは何とかならんかったんかなと思いますが。
あと、サイラスと司教の関係も少しの映像だけで済まされているし(司教が撃たれた時のシーンがなんとなく消化不良)、ジャン・レノ扮する刑事やイアン・マッケラン扮するリーの人物像も、もっと深く掘り下げて欲しかった気がする。そう考えると、この作品は2,3時間で無理やりまとめないといけない映画ではなく、ドラマとして映像化したほうがもっと楽しめる作品になったのではないだろうか。