JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
近畿日本鉄道 ドットインパクト特急券の乗車券一葉券
前々回エントリーで、近畿日本鉄道(近鉄)のドットインパクト用券紙を使用した特急券を御紹介いたしました際、裏面のご案内文を御紹介いたしました。
こちらが再掲になります。
『⑷ 「乗車券」の表示があるときは、表記の区間および期間に有効な普通乗車券と特別急行券とが1枚で発行されています。』とありますので、今回は普通乗車券と特別急行券を1枚で発行例を御紹介致しましょう。
京都駅で発行された、京都駅から大和西大寺駅までの普通乗車券(乗車券)と特別急行券(特急券)の一葉券になります。
様式としては特急券単独で発行されたものと殆ど変わりませんが、右上の備考欄に「乗車券(乗車当日限り有効)」というゴム印が捺印されています。これが乗車券と特急券が一葉で発行されたことを表しています。
かつて、同社の乗車券は「営業キロ101km以上乗車券」というわけではないようですが、ある程度の金額以上の乗車券については有効期間が2日間となっておりましたが、京都から大和西大寺までの営業キロは34.6kmでしたので、「ある程度の金額」に達していないのでしょう、有効期間は1日間です。そのため「乗車当日限り有効」という文言になっています。また、運賃の右隣に「1込」と印字されていますが、これが乗車当日限り有効の乗車券運賃込みである符号になります。
つぎは、大和八木駅で発行された、大和八木駅から五十鈴川駅までの普通乗車券(乗車券)と特別急行券(特急券)の一葉券になります。
こちらは営業キロ104.3kmになりますので「ある程度の金額」以上なのでしょう、有効期間は2日になります。そのため「乗車券(乗車日から2日間有効)」というゴム印が捺印されています。また、運賃の右隣に「2込」と印字されており、これが乗車日から2日間有効の乗車券運賃込みである符号になります。
近鉄の乗車券の制度は、往復乗車券の有効期間についても往路1日復路2日と変わっていたり、特徴的な規則になっています。現在ではIC乗車券の導入を機に途中下車制度そのものが無くなってしまっていますが、制度のあった時は「ある程度の金額」以上になると2日間有効であったり、指定駅では有効1日の乗車券でも途中下車ができたりしていました。
記憶が曖昧になってしまっている点もありましたが、ある御訪問者様から、この頃くらいだと「800円くらい程度」と情報を戴きましたので追記させていただきます。