京王電鉄 新宿駅乗換改札に於ける乗車券の発売終了 ~その4

3回に亘り京王電鉄新宿駅乗換改札発行の乗車券についてエントリーさせていただきましたが、あと1回だけおつきあいください。


昭和50年代には精算機による区間変更券の発券等という芸当は技術的にはまだまだの時代であり、区間変更については窓口において精算窓口掛員が都度計算をするのが一般的でした。そのようなときには手書きもしくは駅名式の改札補充券で区間変更券を発行するわけですが、どういうわけか、そんなに区間変更をする需要があったものかと疑いたくなりますが、需要の多いものについては硬券で常備式のものが設備されていました。


   


昭和50年9月に発行された、区間変更券です。桃色こくてつ地紋のB型券で、東京印刷場にて調製されたものです。
前回まで御紹介いたしました券売機券のものと同じ用途のものですが、当時は「区間変更券」ではなく、社線への連絡乗車に関連する区間変更については「連絡区間変更券」という名称でした。昭和50年代後半には連絡乗車に関連するものも「区間変更券」に改められています。

本来であれは改札補充券で発券すべきものですが、需要のあるものはこのような常備式の硬券が設備されており、硬券ではありますが、硬券式の改札補充券に分類されます。


この券は精算口でコレクション用として特別に出して頂いたものなので60円まるまる支払っていますが、本来の発売方法としては差額の徴収に用いられ、領収額欄に実際に領収された差額分の金額を記載して発券されます。


   


裏面です。

一番下に「〇K」と「〇社」の符号があります。「〇社」は社線発行であることを示していますが、「〇K」は社線が多数ある新宿駅ですので、発行事業者を明確にするために京王(KEIO)のKの意味なのではないかと推察されます。


その上にある「6/6」は券面の運賃を表し、ここでは60円の額面のうち、領収額が60円であることを表しています。
この例であると少々分かりづらいかも知れませんが、もっと需要のある口座になりますと領収額が空欄ではなく印刷されているものもあり、例えば領収額が10円である時専用として表面の領収額に10円と当初から印刷されているものであれば、「5/6」となり、60円の額面のうち、50円が原券過剰額分であったため、「60円-50円」の差引10円を領収したという意味になります。

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