小湊鐵道 馬立駅発行 往復乗車券

小湊鐵道ネタが続きますが、もう少しお付き合いください。


平成22年3月に馬立駅で発行された、上総牛久までの往復乗車券です。


   


青色JPRてつどう地紋のB型券で、山口証券印刷で調製されたものと思われます。
復券部分の地紋が反転している、私鉄では比較的一般的な様式であると言えますが、当時同社には硬券の往復乗車券の設備例は他になく、唯一の往復硬券となっていました。


同社では社線完結区間について往復割引制度があり、往復乗車をする予定のある一般の旅客は、駅または車内で予め往復乗車券を求めます。そのため、往復乗車券の需要はそこそこあるようです。
しかし、同社の往復割引乗車券に硬券の様式はなく、駅では設備区間については桃色地紋の常備軟券が使用され、それ以外の区間では緑色地紋の往復専用車内補充券が代用で使用されます。そして車内では緑色地紋の往復専用車内補充券が使用されます。


馬立駅も他駅と同様の扱いでありますが、上総牛久ゆき往復のみ硬券の設備がありました。しかし、他に桃色地紋の常備軟券もちゃんとあります。

じつは、硬券は往復割引制度が導入される前から設備されているもののようで、320円という運賃は割引されていない運賃になってしまっています。そのため、別に往復割引が適用された常備軟券があるというわけです。


ではなぜ割引が適用されていない往復乗車券が存在しているのかと言いますと、窓口女史の話では、往復割引があるので従来の往復券は各駅本社に返納されたとのことですが、「良く分からないけど、なぜかこれだけが返納されずに残った」ということで、この券が設備されている理由は特にないのではとのことでした。なので、「きっぷ集めてる人しか買わないよ」とのことで、事実上「きっぷ蒐集家用」の券となってしまっているようです。


こんな貴重な券を発売していた馬立駅ですが、このたびの里見駅有人化に伴って無人化されてしまい、今では購入することはできなくなってしまいました。

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