長野電鉄 屋代線経由の連絡急行券

3月31日に廃線となった長野電鉄屋代線ですが、かつては上野から湯田中までの直通の連絡急行列車「志賀」号が走っていました。


昭和48年の時刻表を見ますと、下り急行「志賀」は上野駅9番線を0753の急行「妙高」に併結されて出発し、大宮・熊谷・高崎・軽井沢を経て1125に屋代駅に到着し、妙高から切り離されて1128に屋代駅と出発して河東線(のちの屋代線)に入り、途中須坂・信州中野に停車して、1222に湯田中駅に到着します。
その後、上野駅を1253にも、今度は急行「信州」に併結された列車が出発し、1714に湯田中駅に到着します。

上り急行「志賀」は湯田中駅を1321と1820に出発し、屋代駅でそれぞれ「妙高」および「信州」に併結され、上野駅に1553と2253に到着するダイヤで運転されていました。

 

   


昭和49年4月に湯田中駅で発行された、上野までの連絡急行券です。

桃色長野電鉄自社地紋のA型券で、乗車券同様日本交通印刷調製のものです。経由駅は屋代となっており、屋代線を経由して走っていた急行「志賀」用に設備されていることが分かります。

 

   


こちらは見本券ですが、1枚目のものとは逆に、国鉄線側から湯田中へ向かう連絡急行券です。

国鉄地紋のA型券で、東京印刷場調製によるものです。発駅が大宮駅のため、急行券が200kmまでとなっておりますが、基本的に長野電鉄発行のものと同じ様式となっています。

 

   


こちらは昭和52年10月に新橋駅で発行された、屋代から湯田中までの連絡急行券です。

国鉄地紋のA型券で、東京印刷場調製によるものです。長野電鉄線内のみという特殊な連絡急行券になっています。

 

   


裏面です。

屋代までの急行券を所持した場合のみ有効となっており、単独での利用はできないようになっています。

敢えて「急行・指定席券」という表記になっており、自由席利用の旅客に対しては一葉の連絡急行券を発売し、屋代まで指定席利用である旅客のみにこの券が発売されたものと思われます。

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