国鉄時代のあさぎり号用連絡急行券

前回エントリーでJR東海のあさぎり号用連絡急行券を御紹介いたしましたが、国鉄時代に発行された連絡急行券を御紹介いたします。

 

   


昭和56年3月に御殿場駅で発行された連絡急行券です。

桃色国鉄地紋のA型券で、JR化後のもの同様に名古屋印刷場による調製です。


様式的にはJRになってからのものと同一ですが、JR東海のマークである「口海」マークは当然ありません。

当時の国鉄急行料金には50kmまでの料金設定は無かったため、最短の100kmまでの料金が適用されています。そのため「(国鉄線100kmまで)」ということになります。しかし、乗車キロが25.3kmしかありませんから、100kmまでの料金にお手ごろ感は見られません。

こちらも乗車日・列車名・号車および発車時刻を記入する欄がありますが、国鉄時代は専用のゴム印が用意されており、ゴム印によってすべての欄が記入されています。
列車名についても記入されていますが、「あさぎり〇号」という表記ではなく「2712列車」という列車番号が記載されており、旅客の側からすれば、これがどの列車なのか分かるようなものではありません。

 

   


こちらは国鉄末期の昭和62年3月に発行されたものです。

当時、乗車券印刷場の統合および整理に伴い、静岡鉄道管理局管内に設備される硬券乗車券は東京印刷場に移管されておりましたため、この時期の券は東京印刷場で調製されたものとなっておりました。
上の名古屋印刷場のものと比べると活字が細く、かなり様相が異なります。

また、このころになりますと急行料金に50kmまでの料金が設定されましたので、「(国鉄線50kmまで)」という表記に変わっています。


やはり専用の列車指定印が使用されておりますが、捺印圧が強かったようで、ゴム印の余白部分についたインクが付いてしまっており、これが一体になった専用印であったことが分かります。


この券が発行された25日後には国鉄の最終日を迎え、翌日からはJR各社が誕生しております。JR化後の乗車券印刷場は東京印刷場がJR東日本、名古屋印刷所がJR東海のものとなったため、再び名古屋印刷場調製のものに戻されています。

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