JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
京王電鉄 再収受証明書の顛末
ある日の週末の夜、京王電鉄井の頭線の渋谷駅~吉祥寺駅間を乗車した際、少々お酒の影響があり、渋谷駅で購入した乗車券を紛失してしまいました。
吉祥寺駅で下車する際、有人改札口でその旨を申告すると、改札駅員氏は「それでは190円頂くことになります。」と言いながらPOS端末を操作し、190円の精算券を発行してきました。そして、「本日中に無くしたきっぷが出てきたら、手数料を差し引いて払戻しします。」と言われました。
これがそのときに交付された精算券です。
改札係員氏の「本日中に無くしたきっぷが出てきたら、手数料を差し引いて払戻しします。」という聞き慣れない言葉に酔いが覚めてしまい、こちらから質問です。
私: 「普通、きっぷをなくした時って、再収受証明書が出て、1年間の間にもし元のきっぷが出てきたら手数料を差し引いて戻してくれるのではないですか?」
すると改札駅員氏: 「うちでは昔からこうしています。」
私: 「昔から?」
このタイミングで、このやり取りを聞いていた先輩駅員と思われる別の係員氏が奥から登場です。
先輩駅員氏: 「お客さんの言われるように、JRとの連絡乗車券の場合だと再収受証明書を発行しますが、京王線の安いきっぷの場合は再収受証明は出しません。」
私: 「安いきっぷ?????」
これ以上やり取りしても単なる酔っ払いが駅員に食って掛かっているみたいなので、私は「わかりました」と引き下がりました。しかし、何となく釈然としませんし、もし、後日万が一もとのきっぷがでてきたら、なんとなく悔しいですね。
だいたい、精算券の発券された時間が22時54分であり、終電までのあと1時間程度できっぷが出てこなければなりません。これはかなり無理に近いです。
しかし、先輩駅員氏の言う「安いきっぷ」って何でしょう?
確かに渋谷から吉祥寺まで190円は安いでしょうが、一応、一つの路線の端から端まで乗車しているのです。
後日、京王電鉄のお客様センターに、本当に京王では「安いきっぷ」は無くしても再収受が貰えないのか、また、京王線相互間の乗車券は「安いきっぷ」なのか伺いました。
すると、担当の方は即答で吉祥寺駅の見解がおかしいと言われ、駅へ連絡するので再収受証明を受け取って頂きたい、という回答が返ってきました。
こちらが後日交付された、京王の再収受証明書です。
機番の表記から、精算券と同じPOS端末で発券されたと思われる定期券サイズの券で、大変独特な様式です。この時担当された主任クラスの駅員氏は、「自分も含め、このような基本的なことを理解していなくて申し訳ありません…」ということを言われて再収受証明書を発行されていました。もともとは酔っ払ってきっぷを紛失した私が悪いのですが、ここまで言われると恐縮します。
しかし不思議なことに、この再収受証明書を見ますと、「払戻には手数料 0円が必要です。」という不思議な文言が印字されています。確か120円程度の手数料がかかる筈です。つくづく京王の再収受証明書に関する見解は謎につつまれています。
ちなみに、この時紛失した「安いきっぷ」は、未だ発見されておりません。